アルツハイマー型認知症

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認知症という名前のつく疾患名の中で最も、多数を占める疾患である。

概要

もはや社会問題と言われて久しいが、これからも社会問題であり続けるのが、このアルツハイマー型認知症である。認知症の中で最も大きな割合を占めるのがこの、アルツハイマー型認知症である。

現在のところ進行性の中枢神経変性疾患で、大脳をはじめとしたの萎縮が進行して、に関連するさまざまな機能が低下する。これによって、最終的には生活に介護を要する状態となる。

アミロイドβ仮説が有力視されてきたが、それよりも早く前駆的な状態の存在が提案され、アミロイドβは原因ではなく、アルツハイマー型認知症の真の原因が作り出した結果なのではないかという研究結果が提案されている。[1]

アルツハイマー型認知症は、日本認知症全体の65%以上を占めている、最も主要な認知症で、日本社会にとっても、関係家族にとっても、ご本人様にとっても非常に大きな問題となりうる疾患である。

また、作業剥奪が非常に大きなテーマである疾患といえる。支援があればできることも、「あぶないから」「時間がないから」という合理的理由で剥奪されやすい。

それゆえ、アルツハイマー型認知症の最大の問題点は、治療法が存在しないことではなく、なんの対策もしないままで、ただ生きながらえることを優先とすると、本人のQOLが低下した状態が肯定されることである。

そしてアルツハイマー型認知症を抱えた本人は、そのことを言語化して他者に訴えることはむずかしくなる。

このことは、本人の周囲の状態で周囲の方のQOLも相関して低下することである。

早めに対策を打つ為に早期発見、早期対応が極めて重要である疾患の一つである。

対処法

早期発見、早期対応が重要であるが、その為には、やはり20代ごろからアルツハイマー型認知症に備える生活スタイルを構築しておくことが重要である。あらかじめアルツハイマー型認知症についてしっかりと知っておくことで、自身や家族の不安を軽減することができる。アルツハイマー型認知症においては、不安はBPSDの極めて大きなリスクであるのでまず、知っておくことが何よりの治療法といえる。

アルツハイマー型認知症になってから新規に学習をすることは、学習コストが非常に高くなるので、やはり若年層の時に表面的な知識ではなく、実際にどのようであるかというレベルでしっかりと認知症について理解しておくことが大切である。

まずは知識として知る

認知症に共通する事柄への対処対応については、大まかには 認知症 の項目を参照のこと。

心の準備をする

また、心の準備が大切である。すなわち、若い時からどういう状態どういうフェーズに、どうするかということを考えておくことが大切である。

具体的にアルツハイマー型認知症を知る

家族にアルツハイマー型認知症の方がおられたり、専門職でもない限りなかなかアルツハイマー型認知症の実際に触れる機会が少ない社会になっていることが、若年層が自分自身が認知症になった時にどのように生きるかを考える機会を奪っていると言える。

初期のアルツハイマー型認知症の状態から最終的に最も進行して最終的に意思表示がなった状態まで全てを知る機会を積極的に獲得することが大切である。そのために、ボランティアでも、アルバイトでもなんでも良いので、具体的にアルツハイマー型認知症の方の実際を教えていただき、勉強しておくことが大切である。


具体的に準備する

そして、個人レベルで考えた対処法を法的に効力のある形で明確にしておくことが大切である。 そうすれば、自分の意思を表明できなくなったり、考えることができなくなる前に、周囲はどうすれば良いかを伝えることができる。

社会的コンセンサス形成に積極的関わる

現在の認知症介護の現場の問題の大きな問題となっているのが、ノーリスク思考である。

生存に関するリスクをゼロにしようとすると、生活で得られるメリットもゼロになってしまう。

特に個人レベルで、法的に意味のある形で準備をしていない場合には、判断能力がないと判定された時点で、医療介護家族からの苦情のリスクを一番に考えて認知症の方の行動を管理・制限する。

若年層がアルツハイマー型認知症の方の当事者の思いに寄り添うことができれば、社会全体として人生をどのように考えるかという議論を再び行う機会となるはずである。

そうした議論が十分に高まれば、今現在生活を制限されている方々のQOLを向上させることにつながる。

あれ?おかしいなと思ったら

変性の兆候は40代から

N=3ではあるが、アルツハイマー型認知症をきたした作家と、疑いのある作家、健常な作家の作品を解析、分析して、いつ頃から疾患の兆候はが見られるのかについて分析した論文がある。[2]

Longitudinal detection of dementia through lexical and syntactic changes in writing: a case study of three British novelists | Digital Scholarship in the Humanities | Oxford Academic

迷わず受診する

「もの忘れ外来」「認知症外来」など専門外来への受診が第一である。

「神経内科」「神経科」「精神科」「心療内科」「脳神経外科」なんでもよいからとにかく受診するのが大切である。

受診しないと、民生委員や地域包括に繋がっていない場合には、介護保険のサービスつながることすらできない。

本人が受診を嫌がる場合

できない自分を認めるのが怖い場合がほとんどである。

その思いは当然なので、そこは認めつつ、でも受診が必要なので、うまく演劇的要素なども交えながら、本人と医師が繋がれるようにすることが大切である。

根本は、受診が必ず必要である(「認知機能の低下」は誰にでも判断が出来るが、『認知症である』という判断や「アルツハイマー型認知症だ」という診断は医師にしか出来ない)ということであり、その為には本人がさらに不安にならないようにという点を踏まえてどんな手をつかってでも受診していただくということが大切である。

そのための支援サービスなどがあれば積極的に利用したい。

アルツハイマー型認知症の問題構造

アルツハイマー型認知症の最大の問題は、自己受容にある。

初期の段階では、健常な人と外見的に区別をするのはほとんど困難であり、本人の症状自覚と自己申告が欠かせない。

一方で、ご本人様が自分の状態を心理的に認められないことも多く、それがより事態を悪化させている一つの原因である。

できない自分やできなくなっている自分を認められないという心理は、日本社会のできることは良いことでできないことは良くないことであると言う固定化した考えによるところが大きい。

できなくなっていく自分自身を認められず、残存機能で最大限ごまかし取り繕おうとする結果として、生活面や対人関係において非常に大きな問題が発生しうる。

非薬物療法

薬物療法は、陽性症状を軽減するのに役立つと同時に、副作用で過度に沈静がはっせいしたり、さらなる認知機能の低下を招いたり、身体機能の低下を招き、転倒などのリスクの原因ともなりうるため、薬物の使用については専門医の高度な判断によるこまめな薬物調整が欠かせない。

非薬物療法は、アルツハイマー型認知症の治療の大きな部分を占める。[3]

そのようなリスクを考えた時、本人のQOLを考えると、非薬物療法は非常に重要である。

作業療法は、アルツハイマー型認知症の非薬物療法の主要なもののひとつである。

アルツハイマー型認知症の病理

よくわかっていない。つまり、2023/09/18時点で治療法は存在し無い。

アミロイドβとの相関は確実だが、その因果関係すら不確定である。

これが、アルツハイマー型認知症の治療を困難にしている最大の要因であると言える。

アルツハイマー型認知症の治療薬

根治薬は見つかっていない。

製薬会社が開発から撤退した事例があり、見通しすら立っていない状態と言える。

アルツハイマー型認知症はわからない障害

アルツハイマー型認知症の問題には、2020現在においては対処療法しかない。

上記でも述べたように、現状根治もできないし、病理も分からないからである。

進行の度合いには差があれど、時間が経過すればするほどに症状は進行する。

知って備えることは可能であるのでわかることを増やしていくことが大切である。

アルツハイマー型認知症と一般的な進行について

アルツハイマー型認知症は、進行性の疾患であり、その原因はの気質的な変性に由来する。

そして、一度完成した変性に基づく障害は、一旦進行すると元には戻らない。

そして、記憶遂行機能の障害が発生するなどしていき、最終的には運動機能や生存に必要な摂食嚥下に関する筋力なども低下していき、寝たきりの生活の末、誤嚥性肺炎などによって死亡するリスクが高まる。

アルツハイマー型認知症と失語症

アルツハイマー型認知症では、症状の進行に伴って広範に脳が障害されるため、次第に失語症の症状を呈することがある[4]

参照