ターミナルケア

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人生にはいつか終わりがくる。

そして、時にその終わりが予測される中で、どのように生きていくかの選択迫られる時がある。

人生の終わりが感じられる中で、どのようによりよく生きて死んでいくかを支えるのがターミナルケアである。

本ページでは、作業療法とターミナルケアの関係について述べる。

ターミナルケアの目的

鈴木らは、

苦痛・苦悩の緩和により患者の生活の質または、人生の質Quality of life(QOL)を維持・向上することにある [1]としている。

ターミナルケアが生まれた背景

ターミナルケアという言葉は、従来、癌患者や重度の臓器障害などの不可逆的な過程により、死がある程度予想された時期に訪れる患者を対象に使用されてきた経緯がある[1]

つまり、遠ざけていた、あるいは身近なものでなかった死が突然目の前に立ち現れてきた時に提供されるものという、特殊性が強調される中で生まれた言葉である。

現代社会のターミナルケア

しかし、現代社会においては、人生の週末期において、病院、施設、在宅の区別なく何らかの医療・福祉のサービスを受ける中で、ターミナルケアは普遍性と継続性を持つようになった[1]という。

日本においても高齢社会となり、死を身近に感じながらも生きる時間が、以前と比べ長くなっている。

よって、ターミナルケアを考える時、終末期の定義に関する時間的ある位は病態的概念の曖昧さが常に問題とされる[1]

日本におけるターミナルケアの課題

鈴木らは、日本においては、老衰状態における医療措置に関して、本人の意思の反映や延命措置の是非に関する社会的合意が存在しないため、どのような死を迎えるかは、個々の医療者や家族の意向に左右されるのが現状である。 [1]という。

また、死にゆく高齢者の人権や尊厳が脅かされている可能性がある[1]と鋭く示唆している。

高齢者の終末期として考えられる病態[1]

鈴木らは以下のように病態の例を挙げている。

・悪性腫瘍の進行期

・重篤な脳血管疾患

・COPDによる心肺機能不全

・末期の腎不全

・治療の不適応の重症心不全

・重度の認知症による心外套状態

高齢者の終末期の特徴[1]

鈴木らは以下のように特徴を述べている。

・悪性腫瘍の進行が感情的にで症状が出にくい場合がある

・予後(死に至る時期)が予測しにくい(個体差、偶発性の有無)

・治療やケアにおいて本人の意思が反映されにくい