作業療法士になるには

提供:作業療法大百科事典OtWiki
2020年7月26日 (日) 04:36時点におけるOtfighter (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「この記事では、日本で作業療法士になるための方法について書く。目指す場合には、下記注意書きを参照のこと。作業療…」)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

この記事では、日本で作業療法士になるための方法について書く。目指す場合には、下記注意書きを参照のこと。作業療法士養成課程の途中や、就職したあとでで気づいてやめる人が多いからである。とくにこれから、現場の作業療法士に求められる能力はますます高まるので、

注意書き

作業療法士の仕事は、作業療法へのモチベーションが欠かせない

作業療法士国家資格の取得が現場で必要な知識技術の獲得にとって必要十分条件でないからである。

作業療法士国家資格は実力を証するものではない。あくまで、作業療法士国家試験をパスする程度の学力が受験時にあることを意味するものに過ぎない。これは、特に作業療法士の資格がそうだというわけではなく、どの資格試験でもそのような特性を有している。

ただし、知識が即業務と実践に直結する業務ばかりならばそれで問題がないことも多いであろうが、作業療法士には就労後に多くの実践とその周辺のスキルが要求されるのである。このギャップに、新米の作業療法士の多くが非常に苦しんでいる。

前提として、学校の教育では知識の詰め込みで、実践はほとんど行えない。多くの実践は、いざ臨床に出た時に行うことになる。これは、プライバシー配慮や現実的なコストの問題があるためである。仕方のないことである。

また学力試験としてもデザインに一考の余地がある。作業療法士の業務範囲のすべてを勉強せずとも、資格試験をパスすることは可能である。

これは、卒後教育で学び続けることができるようなやる気のある人が作業療法士になりやすいという大きなメリットがある。

その一方で、資格取ったらそれで食べていきたいという人は、作業療法士として就職してから自分の見積もりのあまさを突きつけられるという事態に陥るというデメリットがある。

正直、作業療法士国家試験の資格試験のレベルは、作業療法士の質を担保するためのフィルターとしての機能が不十分であるという声もある。

作業療法士養成校を無事に卒業したとしても、それが作業療法士として現場や社会から要求される水準をクリアしていることの証明にはならないのである。

現場で働く作業療法士に要求される能力は、情報統合能力や、コミュニケーション能力、業務処理能力、事故学習能力など多岐にわたる。

これらの能力を卒後に身につけるには本人のモチベーションが欠かせない。


作業療法士の仕事は、主体性が無い人や決定ができない人には困難を極める仕事である。

自分のことを自分で決めたり、自分自身と向き合うことができない人、自信が無い人には苦痛を伴うかもしれない仕事である。

これは、作業療法士の資格は、あくまで対人支援の仕事をする上での手段であるということである。

つまり、業務内容に「こうするのがベター」というエビデンスがあっても(現状これが正解と思われるものはあるにしても)「これが絶対に正解」というものがないということであり、常に選択を迫られるということである。

作業療法士という資格は、人の生活を支援したいという思いがある人にとっては、非常に有用なツールである。というか、これほど素晴らしい資格はない。その人の人生を再建したり、再構築したり、エンパワメントできると評価計画立案介入実施ができるのであれば、どんなことでも作業として用いることができるという自由度の高い資格だからである。

作業療法士という仕事はこの面で類を見ない資格で、非常に素晴らしい仕事である。

非常に自由度が高い。しかし、逆に言えば、その手段としての作業療法士の資格を使いこなすだけの器量が作業療法士自身に求められるのである。

つまり、作業療法を行うためには、作業療法士自身が絶えず考え、問題解決に取り組み続ける必要がある。

定型化した答えの決まり切ったものばかりを相手にしていては務まらない、不確定性と意思決定との間で研鑽を要求され続ける、厳しくも面白い仕事である。

作業療法士国家試験に合格し、作業療法士の免許を取得したからと言って、自分自身がどのように業務を行うべきかが常に明らかとは限らない。というか、明らかでは無い場合が多いのである。

評価の理論や仕組みは作られているとはいえ、どのようなものを用いるかは結局作業療法士が適切に都度判断する必要があり、そこには説明責任がある。


資格を取得した後の方が学習コストの高い仕事

中学生、高校生の方および、あたらしいキャリアを求めている人へは特に述べておきたい。

作業療法士はAI社会の到来を控えて、相対的に作業療法士の仕事は将来性が高まっていることは確かに間違いない。

ようするにこれは、作業療法作業療法士の仕事がシンプルに定型化することが難しい仕事であるということで、その困難が一生ついて回るということである。この構造は、自営業の職人や料理人の働き方のイメージに近く、顧客の求めに応じて一生研鑽を積み続ける必要がある。

資格があるから、定型化した業務でも稼げる、の構造を目指すのであれば、作業療法士は選択肢から外さなければならない。例えば、税理士や会計士など制度依存が生産性と社会貢献に直結する高い仕事を志向するべきである。それらの仕事も大変であることは間違いないが、作業療法士の仕事は資格で定型化することはできないことは間違いないので、定型化した業務で稼ぎたいなら作業療法士の仕事は向かない。

単に、資格であるから、手に職をつけるのが良いという意味で勧められて、作業療法士を目指すということ間違っている。

逆にいえば、結果を出せる作業療法士の市場競争力は非常に高い。こうした作業療法士の資格取得後の積み重ねによる差別化が、AI社会の到来によって、ますます強化されることになるので、大変なかわりにリターンが増していく。ただし、継続的な研鑽が必要不可欠な仕事であるため、資格を取得した後の方が学習コストは高い仕事であるということになる。

作業療法士になるためのコストパフォーマンスはよく計算しよう

生涯年収見込みと資格取得に必要なコストについては、しっかりと計算すべきである。

自分の生活のマネジメントもできない人に作業療法士は務まらない。

特に、作業療法士の資格を取得する上でのコストパフォーマンスをよく考えてから、資格取得を考えるべきである。

資格はいろいろなところで取得することができるが、結局同じ資格なので、コストパフォーマンスで選ぶのが良い。

身を立てるために、と資格取得目的で返済型奨学金で行っても、後の生活が大変である。

もっとも給料が高かった時期と比べても、作業療法士の資格に対する給料は高くない。

自営業や経営者を目指すのではなく、サラリーマンとして勤める予定であれば特に気にするべき項目と言える。

逆に、収益性が高い仕事をするのであれば、作業療法士養成校の選択肢はかなり広くなる。純粋に教員の質で選ぶが良い。