「認知症」の版間の差分

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大切である。
大切である。
===作業療法士に可能な支援===


[[作業療法士]]にはそのために必要な支援を行うためのスキルと知識が領域を問わずに求められる。[[身体]]障害領域の対象者を主として関わっていたとしても認知症の方が対象者となる可能性は、高齢社会の日本においては非常に高いからである。対象者の認知機能が低下していたとしても有用なリハビリテーションとは何か、[[生活行為]]の改善は何かを考えるためには、[[作業療法士]]は認知症については当たり前に理解を深めておかなければならない。
[[作業療法士]]にはそのために必要な支援を行うためのスキルと知識が領域を問わずに求められる。[[身体]]障害領域の対象者を主として関わっていたとしても認知症の方が対象者となる可能性は、高齢社会の日本においては非常に高いからである。対象者の認知機能が低下していたとしても有用なリハビリテーションとは何か、[[生活行為]]の改善は何かを考えるためには、[[作業療法士]]は認知症については当たり前に理解を深めておかなければならない。

2020年11月1日 (日) 10:19時点における版

認知症においては、生活の困難さが時間の経過とともに増していき、本人ができないことがどんどんと増えていくのに従って、周囲の介助や介護の負担が増大していく病気であることが一つ問題である。

しかし、それにもまして、介助や介護の負担が単純に増えるのみならず、進行の過程でできないことを認められない当事者の方が自身の病気と折り合う過程で、自身の周囲の人との関係が不可逆的に破壊されて行くことも少なくないのが、この疾患の非常に恐ろしいところである。

そのため、早期発見と早期治療が必要である。介護保険のサービスをためらわず積極的に活用することが重要である。

早期発見と早期治療が大切

すぐに病院にかかること、専門医の診断をうけることが大切である。

それによって、進行を遅らせることができると言われているからである。しかし、そのエビデンスについては未だ十分明らかにされておらず[1]、これからの蓄積が必要である。

それよりも大切なのは、人間関係に甚大な悪影響が出る前に、必要な対処がとれることが一番重要な点であり、さまざまなサービスに早めにつながることがそれを実現する。

主に相談員の業務範囲となるが、作業療法士は現場の最前線で実際に対象の方と相対して評価、介入を行う当事者として重要である。

認知症に必要な理解と支援

上記でも述べたように認知症の最大の問題点は、当事者や家族が認知症という疾患に関する知識が十分にないままに対処しようとすると、良かれと思ってやることなすことの全てが裏目に出て、当事者がこれまで培った人間関係や社会性が破壊されるところにある。

そうならないためには、早期の介入と支援の導入が必要である。

その為には、

1 認知症となった本人が自分自身が認知症であるという事実をごまかしたり周囲から隠そうとしないこと。

2 周囲の人は認知症となった人がどのような言動を取りやすいのか、どのようなことに困るのかについての理解や共感を経て、より良い支援について考えることが

大切である。

作業療法士に可能な支援

作業療法士にはそのために必要な支援を行うためのスキルと知識が領域を問わずに求められる。身体障害領域の対象者を主として関わっていたとしても認知症の方が対象者となる可能性は、高齢社会の日本においては非常に高いからである。対象者の認知機能が低下していたとしても有用なリハビリテーションとは何か、生活行為の改善は何かを考えるためには、作業療法士は認知症については当たり前に理解を深めておかなければならない。

なお、認知機能が低下する症候群の総称。認知症は病名ではない事に注意。

また、せん妄との鑑別が非常に重要である。

認知症は治るものがある

認知機能が低下するもの全てが認知症ではない。認知機能が低下しても治るものがあるので鑑別が重要である。

その意味でも、「認知症かも」と思った時には早めに受診することが大切である。

水頭症が原因の認知症や、認知症と勘違いされがちなせん妄、過剰投薬が原因の認知機能障害などは、適切な医師に診察をうけ適切な治療を受けることで改善するものがある。

認知症の種類

アルツハイマー型認知症


脳血管性認知症


レビー小体型認知症


前頭側頭型認知症


アルコール性認知症薬剤性認知症


正常圧水頭症 ※治る認知症

認知症の作業療法

認知症の正しい理解と需要の促進

認知症の人が一番不安をかかえていく。進行性の認知症の場合には、日々自分がこれまでの自分と変わっていくことに対する不安を抱えて生きていくことになる。

そこで、認知症の方やその家族の方がが、認知症というものに誤解なく正しく向き合えるように支援することが大切である。

それは、BPSDと言われる周辺症状は、ほぼ、不安をベースにして現れてくる為、不安が適切に軽減できれば家族や本人が困り人間関係を毀損する原因となるBPSDは大幅に軽減できる可能性がある。

その為には、家族がHigh EEとならないようにすることが何よりの具体的方策である。

さらに、そのためには、家族本人含めて認知症はどのような疾患なのかをあらかじめ理解し、無理なストレスが本人にかからないようにすること、本人は取り繕おうとせずありのままの自分の状態と向き合うことが大切となる。

作業療法士に必要なこと

作業療法士はまずなによりも、正しく認知症について理解していることが当然のこととして求められる。

そして、認知症の細かな症状、どのような症状が前面にでてくるのかは個別性が極めて高い。

そのため、症候群としての認知症の背景をしっかりと理解した上で、そのような影響が出てくるのかを見極め、評価し、対象者本人と家族が認知症という病としっかりと直面できるように必要なありとあらゆることがらを提供できることが求められる。

作業の項目の選定

認知症の方の残存機能を十分に活かせ、生活の活力となるような作業を選択するべきである。

特に、喪失体験が多い中でも、生きがいを得たり感じられるよう支援する。

そのため、記憶力を向上させようとして、本人のストレスが高まるような脳トレや計算問題、漢字の想起を強制的に行うなどは絶対にあり得ない。

また、認知症の方本人が認知症であることを受け止められなかったり、症状の進行によって心神喪失となっていく過程において、家族をはじめとした周囲の人との関係性が徐々に壊れていくことが少なくないので、その壊れが致命的なものにならないように、必要な支援を行っていくことになる。

一般に家族の方は、認知症に対する十分な知識を学ぶ前であれば、問題行動を叱って抑制しようすることが多い。これは無意味な上に、認知症当事者本人の周辺症状を悪化させるだけの悪手であるがそのことは社会的に当たり前の知識ではないため、家族や周辺の人々が行ってしまっても不思議ではない。そうした関係性や症状を悪化させかねないような関わり方について指摘し、可能な範囲で修正を試みるなども一つの重要な支援である。

また、認知症の方の内面について、代わりに代弁、言語化することで、周囲の人との関係性を改善することも重要な役割の一つである。

認知症は進行性の疾患なので、時間ともに進行の速度に差はあれど症状は基本的に悪化する。

そのため、それまでうまくいっていたやり方ではうまくいかなくなるということが何度も起こることになる。この時作業療法士が都度、再評価を行い、認知症の方本人が残存している能力のうち活用できるものを用いて生活行為をうまく行えるように調整をしたり、人的資源との調整を行う。

認知症進行防止に影響するかもしれないこと

室温

民間報告の域を出ないが、冬場、薄着で過ごせるほどに、室温保持の優れた家での居住者は、室内における活発性を増し、筋肉量の維持、脳への健康につながることがわかっているという報告がある。[2]

参照