「トリチウム」の版間の差分

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2021年4月12日 (月) 12:03時点における版

水素3。普通の水素の3倍の質量を持つ水素。余分の2は、中性子。

化学的性質は、電気的性質に依存するところが大きいので普通の水素と同じように、水素らしく振る舞って色々な分子を作る。

トリチウムはβ線崩壊する。

危険性

人間の皮膚を貫通することはできないので、外部被爆のリスクについては、ほぼ無いといわれる。

一方で、化学的性質は普通の水素であるので、水分として体の中に取り込まれることはほぼ確実である。

例えば、そのようにして体の中に取り込まれた水素原子が例えば、DNAの生成に使われたとするとする。つまりDNAの一部分としてトリチウム水素が含まれている。このトリチウムが崩壊した場合、He3となると化学的性質が全く変わってしまう。当然その場合は、DNAの結合が変更・破壊されることになるはずである。[1]

DNAが破壊されると、生物は生物としての形を保つことができない。癌や発育の異常、生まれるまえの奇形、などの原因となりえる可能性がある。

一方でDNA修復機能が働く状況下においては、大きな問題とならない可能性が示唆されている。紫外線やストレスなどでも壊れては修復しておりそれらの影響の範疇を超えない可能性もある。これが、福島原発の処理水を海洋放出する根拠となっている。

論点は濃度

トリチウムは、天然に存在する。太陽光のエネルギーに反応して、天然で生成されるからである。

ので放出が問題になる時、その濃度の上昇にどのくらい寄与するかということになる。

地球の表面積を 5.1×1014 m2とすると、トリチウムの年間生成量は約72 PBq (P=1015)となる。[2]

核実験とトリチウムの増大

大気圏内核実験が頻繁に行われていた時期には降水にも多量のトリチウムが含まれていたが、1963年3月の1680 TU をピークに減少し、2003年にはほとんど自然環境レベルの5 TU程度にに戻っている。

ということは、上記を超えないかぎりにおいてはそこまで気にする必要性はないかもしれない。[2]

わが国において核実験開始前に測定された降水中トリチウム濃度は0.77Bq/lであったが、1960年代の初めには12〜180Bq/lまで増加した。

[ファイル:トリチウム濃度いちらん.png|500px]


核融合のエネルギーとしてのトリチウム

高純度の液体トリチウムは、核融合反応のD-T反応を起こす上で必須の燃料であり、水素爆弾の原料の一つとしても利用される[2]