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このあたりは、リアリティとしての現象としてある。 | このあたりは、リアリティとしての現象としてある。 | ||
市場における希少性は、賃金の差として現れやすい。とくに猛烈な働き方ができ、要求にフレキシブルに対応できる能力がある場合には特にそうである。<ref>[https://note.com/prof_nemuro/n/n737d1227e29c 女の賃金が少ないのは「男らしさ」から降りているから|Prof. Nemuro]</ref> | |||
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2023年11月23日 (木) 10:49時点における最新版
作業という視点から人と労働の関係性をみる。
切っても切り離せないのが、お金についてどう考えるかということである。
作業療法士は、社会における現実的な労働についての空気感を把握しておく必要がある。
そしてそのための言葉をたくさん勉強しておくことが大切である。
労働の定義
人間が生活手段や生産手段を作り出すために、体を使って働くこと。
資本主義との関係
資本主義社会においては、労働がお金の流れを生み出す一つの要素として重要である。
お金の流れを自分で作り出すことができるほど、資本主義社会で生きていくための自由度は増える。
労働の作業的意義
労働は、個人に対しても、社会に対してもさまざまな効能が期待できる。たとえば下記のようなものがある。
生活を成り立たせる手段
労働は定義から、自分自身の生活を成り立たせるありとあらゆる行動である。
お金を入手する手段
定義から、お金を得るための行動は、労働として捉えることができる。
心理的充実を得る手段
やりがいや達成感といった満足を仕事をすることで得ることができる。
人や社会とつながる手段
職場に出かけることが、社会参加の機会となる。
職場が人と出会い、つながり、刺激をえる場所として機能する。
また、労働とその成果を通じて、社会に働きかけることができる。
自己表現の手段
自分がやりたいことや自分の考えを行動に移して、実現することで自己表現することができる。
また、市場原理をとおして、その自己表現の市場的価値を社会に問うことができる。
雇用時契約通りの賃金が定期的に得られる
企業と雇用契約を結んで働く場合には、労働は家計に対する安定収益をもたらす効果がある。
特に、サラリーマンをはじめとした社員契約を行って働く場合には、月給や年俸の形で、その期間ないの出来不出来にかかわらず、賃金が定期的に得られる。
これは生活を安定させ、将来予測がしやすくなることで、生活設計を助ける側面がある。
生活が設計できることで、より長期的かつ資金的にコストが必要な挑戦的作業に取り組むことが可能になる。
社会に新しいサービスが生まれる
こうした個人の挑戦が保証されることで、社会にあたらしい可能性をもたらすことができる。
必要なものに対して、必要に応じて労働が発生する。
そうすることによって、新しいサービスが生まれ、世の中全体としてはより豊かな選択肢を持つようになる。
他の人の生活を成り立たせる
上記のようにして生まれたサービスが他者の生活を成り立たせることを可能にする。
自尊感情と労働
社会の一員として生きる人にとって、労働ができるというのはその人の自尊心や自己効力感に大きく影響する。よって、精神的健康にも非常に大きな影響がある項目である。
資本主義社会のメンバーにとって、より直接的に突きつけられる。
労働資源
心身の健康状態
支援が全くない場合、労働に耐えるだけの、心身の健康が必要となる。逆に、支援があれば障害があろうとも、国会議員として国会に出席することもできる[1]。
耐久性
耐久性、一般に体力と言われる要素は極めて重要な要素である。
就労の継続可能性に極めて大きく影響する。耐久性によって、働き方を柔軟にデザインすることが必要になる。耐久性が低い場合にはパートタイムや、フレックスなどを検討する。
認知機能
状況を把握して、適切に行動を決定し、実行し、それを時間経過とともにノウハウとして蓄積し、効率化合理化していくためには、認知機能が決定的に重要な役割を果たす。
パーソナリティ
人と一緒に労働をするためには、人の中で関係性を構築できる人間性の陶冶が欠かせない。
また、その成果は社会や他者への貢献に資するものでなければならない。
人格は、労働とそこから得られる成果に対する極めて大きなファクターであると言える。
ペイドワーク、アンペイドワーク
ペイドワーク(対価の発生する労働)と、アンペイドワーク(対価が発生しない労働)という概念は重要である。
なぜなら、生活を成り立たせるための行動は、賃金の発生有無にかかわらず本来労働であるという原点に立ち返ることができるからである。それらは本来、等しく人間の生活を成り立たせるのに重要なものとして認められるべきものだからである。
アンペイドワークのうち重要なものは、自己維持活動やセルフケアである。地域活動への参加、各種コミュニティ維持に必要な労働もアンペイドワークと言える。家族サービスも立派なアンペイドワークである。
等しくみることはさまざまな点で役に立つ。たとえば、効率化についてである。ペイドワークのみならず、アンペイドワークにおいても、効率化や省エネはとても大事な視点である。家庭料理を簡略化したり省略することに対して、苦言を呈する方がおられるがお門違いである。
家事を手軽にするサービスを利用することに対して、とやかくいう人間がいることがインターネット上でも時折話題になる。実際、話題となったツイートがある。[2]。これは定期的に話題になる。しかし、そういう方は、富裕層の家庭に対して、お手伝い・一流シェフに料理を作らせたからといって何も言わないだろうことを考えるに、ナンセンスな意見である。自分の鬱憤解消にマウントを取る相手にしているに過ぎない。よって、Aid Toolsをはじめとした、生活をより快適にするものは他者意見を気にせず、どんどん効率化を図るべきである。
作業療法士はその点においても、各種の問題解決フレームワークを利用して、困りごとの解消に貢献することができる。
一方、アンペイドワークを継続させるためには、ペイドワークをはじめとした何らかの収益手段による金銭収入の充実と安定が欠かせないことも忘れてはならない。
条件に当てはまるならば、各種制度を利用して、年金や生活保護を受け取ることもできるので、体調不良や精神の不調などを圧してでも、何が何でもペイドワークをしなければならないわけではない、というのは重要な考え方である。
人間の労働は、アンペイドワークでも十分に冒頭で述べたような種々の効果は得られると考えられるので、消耗することのないように人は、労働に対してより柔軟に向き合うべきである。
労働環境
声を上げないと何も変わらないので、なんらかの問題提起が必要。
「デパートなら客の入店と勤務開始が同じなんてあり得ない」 学童保育のサービス出勤常態化報じたら反響続々:東京新聞 TOKYO Web
賃金の男女格差
男性にしかできない仕事、女性にしかできない仕事。
男女間で賃金格差のある仕事。
実需のあるなし。
このあたりは、リアリティとしての現象としてある。
市場における希少性は、賃金の差として現れやすい。とくに猛烈な働き方ができ、要求にフレキシブルに対応できる能力がある場合には特にそうである。[3]
賃金の能力格差
能力によって、賃金に格差がある。
キャリアによる賃金格差
おなじ能力でも、学歴、職歴や経歴によって報酬に格差がある。
勤務形態による格差
同一労働、同一賃金と言われるようになってきているが、実態としては同じ労働内容であっても、派遣会社の方針などによって、異なる賃金が支払われている。
収益構造による差
個人顧客からの直接売り上げ
企業からの売り上げ
システムや制度に依存したお金の流れからの報酬
などによって、個人・企業の収益構造は異なる。
収益が多い時にはどうでもいい話題かもしれないが、収益が少なかったり初期投資の段階で赤字や出費の方が大きい時には収益構造についてきちんと理解しておくことが、労働をその後も継続して行うために重要である。
自分が手にするお金がどのようにして事業所に入ってきているのかについては、どの職場で働いている人であっても、資本主義社会ではたらく以上必ず認識しておく必要がある事柄である。