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===目的と目標の明確化=== | |||
分析の目的と何を達成したいのかを明確にし、それに基づいて切り口を設定する。 | |||
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選んだカテゴリーが全体を網羅的にカバーし、かつカテゴリー間で重複がないことを確認する。 | |||
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情報を階層的に整理し、上位のカテゴリーから詳細なサブカテゴリーへと細分化していくことで、より精緻な分析が可能になる。 | |||
===関連性と意味のあるグルーピング=== | |||
関連する情報は意味のある方法でグループ化する。カテゴリーは論理的かつ意味が通じるものとすべき。 | |||
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要するに見直しと拡張性。初期のカテゴリー分けは仮設に過ぎないため、新たな情報が得られた場合はカテゴリーの見直しを行う必要がある。 | |||
==でも現実はMECEにならない== | ==でも現実はMECEにならない== | ||
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例えば、MECEにこだわりすぎると、成果に直結しない細部に悩む時間が増えるなど、時間的ロスが増える。 | 例えば、MECEにこだわりすぎると、成果に直結しない細部に悩む時間が増えるなど、時間的ロスが増える。 | ||
==必要以上にこだわりすぎると新しい取り組みが阻害される可能性== | |||
組織運営が必要以上に、MECEに盲目的にこだわると、[[心理的安全性]]が損なわれる方向性に向かうことが多い。 | |||
重なる部分が減ることで、部署間の相互理解が減るからである。 | |||
[[心理的安全性]]が低下すると、新しい取り組みも生まれにくくなる。組織が硬直化し変化の余地がなくなり、社会や制度変革についていけない状態になる。 |
2024年4月15日 (月) 22:23時点における最新版
フレームワーク、論理的思考の基本の一つ。
MECE(ミーシー)とは「もれなくだぶりなく」という意味。
MECEについて
MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:ミューチュアリー・エクスクルーシブ・コレクティブリー・エキゾースティブ)。
これは「相互に排他的で、総合的に網羅的」と訳される。
問題解析や情報整理の際に、重複や漏れがないように情報を分類するフレームワーク。
「相互に排他的で、総合的に網羅的」なカテゴリーに情報を整理することを目指し、論理的でシステマティックな思考をするのに役立つ。MECEの原則に従うことで、より効率的かつ明確に情報を処理し、問題解決に役立てることが期待される。
MECEの実践方法
MECEは、もれなくダブりなく分類するということである。
最も簡単な例
もっとも簡単なのは、『俺か、俺以外か』などのように、AかA以外かの分類である。
より詳細には、『俺か、俺以外か』という分類はMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)の原則を満たしているその理由は、この分類では、「俺」は他の全ての選択肢と排他的(Mutually Exclusive)であり、「俺以外」はその他全てを包含しているため、全体を網羅的に(Collectively Exhaustive)カバーしているからである。
このため、重複する部分がなく、また漏れもないため、MECEの条件を満たしているといえる。
図を書いて目に見えるようにする
もれもダブりもない=『要素の重なりがない』かどうか、集合の図を書いてチェックしてみることが有効である。
また、分類が細かすぎる場合にも気がつくことができる。
MECEの重要性
うまく使うためには、MECEはなぜ重要かを知っておくことが必要である。
仮説立案と検証
仮説立案のために必要なことを検証するための情報収集の土台として役立つ。
仮説を検証するためには集めた情報を分類、分析、検証する必要があるが、そのための枠組みを作るのに役立つ。
繰り返し業務でのロスのコントロール
業務のダブりがあると、無駄が増える。
繰り返し業務の中でのダブりが繰り返されると、中長期的ロスが増える。
投入可能資源量の上限
理由として、現実的に、資源は限られている。限られた資源で、結果を多くするためには、資源をどのようにうまく使うかを考える必要がある。
その時に、『もれなくダブりなく』というコンセプトは重要な指針になる。
例えば、組織運営において、MECEを意識していないと、異なる部署が同じ仕事に別々のタイミングで従事することが出てきて、関わる人の規模が必要以上に増えたり、その他優先して取り組まれるべき課題が放置されたまま、時間が経過したりする。
MECE的運用がされる場合には、そのような状況が少なくなることが期待できる。
情報量の増加に対応したい場合
運用するうちに扱う情報量が必要以上に肥大化していくことは珍しくない。顧客の人数が増えたり、サービスの組み合わせの数が増えるなどした時には、どうしても扱う必要のある情報が増える。
これに無策でいると、次第に、情報の肥大化やノイズが増えることになるので、運用をスリム化する必要がある。
その際に、MECEによる情報分類は一定の効果が見込める。
理論作成
理論作成の土台としてMECEが重要となる局面は多い。
フレームワークや理論を新しく考える時には、MECEを意識してあることが必須であることがよくある。
特にリハビリテーションの中でも、作業療法は扱う情報の質も量も膨大になるため、作業療法の理論においても、MECEが役にたつことは多い。
理論の運用効率化を考えると、顧客情報をデータベース化することの重要性は高い。
そのためにも、MECEを踏まえてあることが重要である。
効果的MECEをのためのポイント
MECEは分類の方法なので、当然カテゴリー(分類名)の概念が重要になる。
上記までで述べたことも再び触れつつ、ポイントをまとめる。
目的と目標の明確化
分析の目的と何を達成したいのかを明確にし、それに基づいて切り口を設定する。
包括性と排他性
選んだカテゴリーが全体を網羅的にカバーし、かつカテゴリー間で重複がないことを確認する。
階層性
情報を階層的に整理し、上位のカテゴリーから詳細なサブカテゴリーへと細分化していくことで、より精緻な分析が可能になる。
関連性と意味のあるグルーピング
関連する情報は意味のある方法でグループ化する。カテゴリーは論理的かつ意味が通じるものとすべき。
柔軟性
要するに見直しと拡張性。初期のカテゴリー分けは仮設に過ぎないため、新たな情報が得られた場合はカテゴリーの見直しを行う必要がある。
でも現実はMECEにならない
MECEは論理的思考の基礎と言われる。
正解を模索する中で、つい、MECEである状態を維持、継続しなければならないように思われる。
しかし、実践すればわかるが、実際の取り組みはMECEにはならないし、MECEにこだわりすぎると、かえってロスが増える。
例えば、MECEにこだわりすぎると、成果に直結しない細部に悩む時間が増えるなど、時間的ロスが増える。
必要以上にこだわりすぎると新しい取り組みが阻害される可能性
組織運営が必要以上に、MECEに盲目的にこだわると、心理的安全性が損なわれる方向性に向かうことが多い。
重なる部分が減ることで、部署間の相互理解が減るからである。
心理的安全性が低下すると、新しい取り組みも生まれにくくなる。組織が硬直化し変化の余地がなくなり、社会や制度変革についていけない状態になる。