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ホスピス
ホスピスは[[緩和ケア]]の一つ。


== 概念と定義 ==
== 概念と定義 ==
ホスピス(Hospice)は、末期患者やその家族に対する全人的なケアを提供する医療サービスである。ホスピスケアは、痛みや苦痛の緩和を目的とし、患者の生活の質(QOL)を向上させることを重視する。これには身体的、精神的、社会的、霊的な支援が含まれる。
ホスピス(Hospice)は、[[緩和ケア]]のうちでも末期患者やその家族に対する全人的なケアを提供する医療サービスである。ホスピスケアは、痛みや苦痛の緩和を目的とし、患者の生活の質(QOL)を向上させることを重視する。これには身体的、精神的、社会的、霊的な支援が含まれる。


<ref name="wikipedia">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%B9 ホスピス - Wikipedia]​​ </ref><ref name="hospiscare">[https://www.hpcj.org/what/definition.html 特定非営利活動法人 日本ホスピス緩和ケア協会]​</ref>
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最初のホスピス施設は、1065年頃にマルタで始まり、病人や死にゆく人々の世話をするために設立されたとされる。<ref name="wikipedia" />。
最初のホスピス施設は、1065年頃にマルタで始まり、病人や死にゆく人々の世話をするために設立されたとされる。<ref name="wikipedia" />。
あるいは、下記のような説もある。


<blockquote>もともとは巡礼者や病人を休める場であったホスピス。“死にゆく患者のための適切な医療ケアを行う施設”としての原点を作ったのは、アイルランドのメアリー・エイケンヘッド(1787~1858年)といわれている<cite>[https://epilogi.dr-10.com/articles/3455/ ホスピス・緩和ケアの誕生とその世界的な普及を担った医師たち|ホスピス・緩和ケアの歴史【前編】|医師のキャリア情報サイト【エピロギ】]</cite></blockquote>
<blockquote>もともとは巡礼者や病人を休める場であったホスピス。“死にゆく患者のための適切な医療ケアを行う施設”としての原点を作ったのは、アイルランドのメアリー・エイケンヘッド(1787~1858年)といわれている<cite>[https://epilogi.dr-10.com/articles/3455/ ホスピス・緩和ケアの誕生とその世界的な普及を担った医師たち|ホスピス・緩和ケアの歴史【前編】|医師のキャリア情報サイト【エピロギ】]</cite></blockquote>
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=== 日本におけるホスピス ===
=== 日本におけるホスピス ===
日本では、1981年に静岡県の聖隷三方原病院に日本初のホスピスが設立された。その後、大阪府の淀川キリスト教病院などでもホスピスが設立され、国内でのホスピスケアが広がっていった<ref name="hospiscare" />。
日本では、1981年に静岡県の聖隷三方原病院に日本初のホスピスが設立された。その後、大阪府の淀川キリスト教病院などでもホスピスが設立され、国内でのホスピスケアが広がっていった<ref name="hospiscare" />。
====診療報酬====
日本における制度への組み込みは1990年、診療報酬に「緩和ケア病棟入院料」が新設。
現在まで、診療報酬の中に位置づけられている。(令和6年7月16日現在)
A310 緩和ケア病棟入院料(1日につき)
1 緩和ケア病棟入院料1
イ 30日以内の期間 5135点
ロ 31日以上60日以内の期間 4582点
ハ 61日以上の期間 3373点
2 緩和ケア病棟入院料2
イ 30日以内の期間 4897点
ロ 31日以上60日以内の期間 4427点
ハ 61日以上の期間 3321点
主として[[悪性腫瘍]]患者又は[[後天性免疫不全症候群]]に罹患している患者を入院させ、緩和ケアを行う病棟を単位として行う。


== ホスピスケアの特徴 ==
== ホスピスケアの特徴 ==

2024年7月16日 (火) 05:28時点における最新版

ホスピスは緩和ケアの一つ。

概念と定義

ホスピス(Hospice)は、緩和ケアのうちでも末期患者やその家族に対する全人的なケアを提供する医療サービスである。ホスピスケアは、痛みや苦痛の緩和を目的とし、患者の生活の質(QOL)を向上させることを重視する。これには身体的、精神的、社会的、霊的な支援が含まれる。

[1][2]

ホスピスの歴史

初期のホスピス

「ホスピス」という言葉はラテン語の「hospitium」に由来し、中世ヨーロッパでは巡礼者のための宿泊施設を指していた。

最初のホスピス施設は、1065年頃にマルタで始まり、病人や死にゆく人々の世話をするために設立されたとされる。[1]

あるいは、下記のような説もある。

もともとは巡礼者や病人を休める場であったホスピス。“死にゆく患者のための適切な医療ケアを行う施設”としての原点を作ったのは、アイルランドのメアリー・エイケンヘッド(1787~1858年)といわれているホスピス・緩和ケアの誕生とその世界的な普及を担った医師たち|ホスピス・緩和ケアの歴史【前編】|医師のキャリア情報サイト【エピロギ】

近代ホスピスの誕生

近代的なホスピスケアは、1967年にイギリスのシシリー・ソンダースがロンドンに設立したセント・クリストファー・ホスピスに始まる。彼女は末期患者の疼痛管理と全人的ケアの重要性を訴え、世界中から研修生を受け入れ、ホスピスケアの普及に尽力した[3]

日本におけるホスピス

日本では、1981年に静岡県の聖隷三方原病院に日本初のホスピスが設立された。その後、大阪府の淀川キリスト教病院などでもホスピスが設立され、国内でのホスピスケアが広がっていった[2]

診療報酬

日本における制度への組み込みは1990年、診療報酬に「緩和ケア病棟入院料」が新設。

現在まで、診療報酬の中に位置づけられている。(令和6年7月16日現在)

A310 緩和ケア病棟入院料(1日につき)

1 緩和ケア病棟入院料1
イ 30日以内の期間 5135点
ロ 31日以上60日以内の期間 4582点
ハ 61日以上の期間 3373点
2 緩和ケア病棟入院料2
イ 30日以内の期間 4897点
ロ 31日以上60日以内の期間 4427点
ハ 61日以上の期間 3321点
主として悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群に罹患している患者を入院させ、緩和ケアを行う病棟を単位として行う。

ホスピスケアの特徴

ホスピスケアは以下のような特徴を持つ。

全人的アプローチ

ホスピスケアでは、患者の身体的苦痛だけでなく、心理的、社会的、霊的な苦痛も総合的にケアする。これにより、患者とその家族のQOLを最大限に高めることを目指す[1][2]

痛みと症状の緩和

ホスピスケアの中心には、疼痛管理と症状の緩和がある。患者の苦痛を軽減し、できる限り快適な状態で過ごせるようにする[4]

家族の支援

ホスピスケアでは、患者の家族も重要なケア対象とし、精神的・社会的支援を提供する。家族が患者の最期の時を共に過ごすためのサポートが行われる[2]

まとめ

ホスピスは、末期患者とその家族に対して全人的なケアを提供する医療サービスであり、痛みや苦痛の緩和を中心に据え、患者の生活の質を向上させることを目的としている。ホスピスケアの理念は、身体的なケアだけでなく、心理的、社会的、霊的な支援を含む包括的なアプローチを重視している。

参照