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2021年4月4日 (日) 08:15時点における版
車椅子とは、座った状態、あるいは、シート、座面に体を預けた状態の人の移動を可能にする駆動する椅子と言える。
多くの場合、移動の機構として車輪がついていて、それが移動を可能にする。
歩行が困難な場合の移動を経済的に、可能にする重要なAid toolsと言える。
この記事では、ユーザー視点で車椅子を分類し、使い勝手に影響するポイントを紹介するなどする。
なお、医療介護の現場においてニーズのある、車椅子等のシーティングの技術等についてはシーティングの項目を参照の事。
カスタマイズの余地による分類
スタンダードタイプ ・・・ 一般的な車椅子。人を乗せて移動するための、最低限の機能を有しており、価格は最も安い。
モジュールタイプ ・・・ 各パーツごとに微調整や分解、オプション、調節が可能なもの。利用者の体の大きさやニーズに合わせやすい。モジュラー車椅子の名前でも呼称される事がある。
動力
車椅子が人を乗せて移動するには動力が必要である。
主な動力は、自力駆動、電気駆動、後ろから人が押す、の3パターンである。
自力駆動、自走式
一般に自走式とよばれる車椅子の車輪に持ち手がついている。これをつかんで動かすことで車椅子ユーザーは自分の望む方向に車椅子を動かすことができる。このとき、車椅子ユーザー自身の感覚として、その持ち手の上側掴んで前へ押すことで、車椅子を前に駆動し、反対に持ち手を前から後ろに引っ張ることで車椅子を前に動かすことができる。
また、左右で逆に持ち手を動かせば、左右の方向転換を可能にする動きが駆動する。
他動式車椅子、介助式
いわゆる、後ろから押すタイプの車椅子である。
車椅子を車椅子ユーザーが自力で駆動することことが困難である時に、介助者が後ろから押したり引いたりして車椅子を操作することを念頭にした車椅子。
自力駆動と比べて、車輪を小さく出来るので、持ち運びがコンパクトになったり、車椅子の移乗の際の動線の確保が行いやすくなるというメリットがある。
電動式
レバー等のコントローラーの操作によって、で車椅子の進行方向等を操作することができる車椅子。
動力を直接生み出すことが困難である場合においても、本人の意思を車椅子の挙動で表現できることが最も大きなメリットである。
姿勢保持支援
車椅子に乗り続けられるよう、その姿勢を保つための機構がついているものがある。
リクライニング
背もたれを傾けることができる機能
体幹の安定した支持が困難な場合に用いる。
ティルト
座面を傾けることができる機能
車椅子からのずり落ちが顕著な場合に用いる。
背シート張り調整機能
シートの張り、テンションを調整することで、背シートから得られる反発力を調整し、姿勢の保持を助けてくれる。
立位姿勢保持機能
車椅子に体重を乗せたまま、座席が変形することによって、立位姿勢をとることができる車椅子が開発されている。
エレベーティング機能
フットレストやフットサポーターの角度を変更することができる機能。膝が曲がらない場合の支持に用いる。
移乗解除、乗り降り補助
車椅子からの乗り降りがしやすくなるような機能が付いているものがある。
肘かけの機構
肘掛け、アームサポートの部分を移乗の邪魔にならないように動かすことができる機能。
レッグサポートやフットサポートの移動、取り外し機構
レッグサポートやフットサポートを取り外したり、邪魔にならないように左右に広げたりする機構。
足漕ぎで必要ない場合に簡単に着脱することができる方が便利ということで、この機構が採用されることもある。
その他の機能
折りたたみ機能 ・・・ 横に折りたたむ機能。車椅子をシート部分を畳むことで、使わない時に横幅を減らして収納できる機能
背折れ機能 ・・・ 収納時の高さを車椅子を折りたたんで減らす機能。運んだり、収納したりする時に役立つ機能
簡易携帯機能 ・・・ 長時間の使用よりも、持ち運びのしやすさと収納に特化した機能。旅行時など、一時的な使用の用途が考えられる。
介助者用ブレーキ ・・・ 押し手部分にある、いわゆる介助ブレーキとよばれるブレーキ機能。坂道での使用場面などで役な立つ機能。
ノーパンクタイヤ ・・・ チューブとエアーではないので、そもそもパンクしない。そのため空気入れのメンテナンスが不要となる。一方でクッション性が悪かったり、エアーに比べて重量が増えるデメリットもある。出しっぱななしで屋内使用する場合にはメリットが大きい。
目的用途別
日常生活用、スポーツ用など場面ごとで、特別仕様のものがある。
スポーツ用はいわずもがな、日常生活用においても、屋外用と屋内用で最適なものは異なる。
車椅子選びで考えるべきこと
乗り心地と利用者の骨格・体型
のり心地と、利用者の骨格・体型との間には密接な関係がある。
利用者の身体機能・能力
たとえば、上記のような移動の動力が確保できるかどうかは重要である。
また、一定の姿勢を保ち続けることができるかどうかの耐久性も考慮しなければならない。
失禁や流涎、食べこぼしがある場合には、衛生面も考慮した素材を選ばなければならない。
介助、介護者の身体機能・能力
同居の家族などが主な介護者である場合には、その介護、介助の行いやすさは極めて重要な要素であるといえる。
不慣れな専門職からも、意外と落とし穴になりがちな項目で、しっかりと考慮されたい。
利用環境
住居などで使う場合には廊下の幅なども非常に大きな要素となる。
重量
車椅子の重さは、自走する場合には使用者本人の使いやすさに、介助を受ける場合には、介助者の負担に大きく関わる。
継続使用に伴うメンテナンスのしやすさ
修繕が簡単であれば、継続して使いやすい。
また、体の状態の変化に合わせてある程度調整ができる方が、使い慣れたものを快適に利用しやすい。
車で運搬するかどうか
車椅子を使用する人の自家用車に、車載できるかどうかは、自動車社会においては一つのポイントである。
利用時間
どれくらいの時間を車椅子上で過ごすのかによって、快適、安全、安楽に過ごすことができるように、クッションなどを考慮する必要性が出てくる。
用途
上記にも述べたように、目的用途別に車椅子が開発されている場合もあるため情報収集は大切である。
その他のaidtoolsとの兼ね合い
お互いの邪魔にならないように注意する必要がある。
金額
当然、多機能やら素材にこだわれば、価格は高価になりがちである。 一方で、最近のITの進歩による低価格化が期待される。
たとえば、規模の経済を利用して、(たとえばファッション眼鏡のように)現在の車椅子ユーザー以外のニーズを取り込んで市場拡大できれば、モビリティとしての電動車椅子の価格帯が今後低下していくこも期待出来る。