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特に高齢者の場合、握力の低下は全身の筋力低下を示唆することが多く、[[サルコペニア]](加齢に伴う筋肉量および筋力の低下)の診断にも用いられている。高齢者においては、握力の強さが高いほど、慢性疾患のリスクが低いとされ、長寿の予測因子とされている。 | 特に高齢者の場合、握力の低下は全身の筋力低下を示唆することが多く、[[サルコペニア]](加齢に伴う筋肉量および筋力の低下)の診断にも用いられている。高齢者においては、握力の強さが高いほど、慢性疾患のリスクが低いとされ、長寿の予測因子とされている。 | ||
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中年期に握力が低かった人ほど、その後認知機能に問題が生じるリスクが高いとの報告がある。<ref>https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2793510</ref> | |||
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2024年4月16日 (火) 14:02時点における版
握力は手の筋肉を使って物を握る力のこと。
単なる手の筋力としてだけでなく、全身の筋力の良い指標とされている。
手術後のリハビリテーションや、怪我からの回復過程において、握力の測定はリハビリの進行度を評価するための重要な指標となっている。
全身の筋力指標としての握力
握力は、体の他の部分の筋力と高い相関があり、握力を測定することで、個人の全身の筋肉の状態や機能を間接的に評価することが可能とされる。[1]
握力と脚伸展力は、男女とも骨梁面積率、肺機能、推定糸球体濾過量と正の関連、腹囲や体脂肪率とは負の関連があるとの報告がある。[2]
特に高齢者の場合、握力の低下は全身の筋力低下を示唆することが多く、サルコペニア(加齢に伴う筋肉量および筋力の低下)の診断にも用いられている。高齢者においては、握力の強さが高いほど、慢性疾患のリスクが低いとされ、長寿の予測因子とされている。
認知機能面との関連
中年期に握力が低かった人ほど、その後認知機能に問題が生じるリスクが高いとの報告がある。[3]
機能的能力との関連
握力は手の機能のひとつなので、日常生活での機能的能力と密接に関連している。握力が強いことは、物を持つ、開ける、支えるといった日常の活動をより簡単に、また安全に行うことができることを保証する。
スポーツパフォーマンスとの関連
特定のスポーツ、例えばテニスなどラケットを使用するスポーツやボルダリングや登山など、手の使用が頻繁に行われるスポーツにおいて、握力はパフォーマンスの重要な要素となる。
トレーニング方法
中学生向けに『30秒間はや握り法』が紹介されている論文がある。[4]
握力の測定方法
最大握力については、握力を2回測定し、その二回目を採用すべきという指摘がある。[5]また、より時間をかけて測定することができる場合には、4回測定の平均を用いることで、より正確な最大値を求めることを推奨する論文もある。[6]
握力への批判
握力が筋力を代表すると考えることについて疑問を呈する研究もある。[7]この中で、握力計が、現在のように広く一般的に測定されている理由として、『測定が容易で、労力をあまり必要とせず、短時間に結果がわかるといった実用面での利点による』、という指摘もなされている。また、上肢の筋力については、肩関節屈筋群の方が、より筋力を代表するのでは、という指摘もこの研究の中でなされている。
- ↑ 高齢者に行う握力測定の意義
- ↑ https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/57450
- ↑ https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2793510
- ↑ https://core.ac.uk/download/pdf/236641172.pdf
- ↑ https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/37561/1/6_71-76.pdf
- ↑ https://shiz-med-sci.ac.jp/pdf/journal_vol2/page5.pdf
- ↑ https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680542103296