長谷川式認知症スケール(HDS-R)
さくら ねこ ?
実物
以下がインターネット上で公開されている。
概要
日本の認知症診療におけるスクリーニングテストとして、幅広く用いられている。
短時間で、かつ、ポイントを抑えて簡単にできるようにと作られているのがその理由のの一つである。
注意点として、特に認知症がなくても点数が低くなったり、認知症の症状の影響で日常生活に支障が出始めた事例にもかかわらず、点数がカットオフ値より高いこともあったりするので、観察と併用できるスキルが必要である。
また、検査対象者がこのテストについてよく知っている場合には、認知症症状との相関が見られないことが、開発者の長谷川先生の方からもコメントされているので、テストを行う側が総合的な目でテスト結果について解釈できる能力が必要となるので、数値はあくまで参考程度ということになり、その点数を以て認知症であるということや認知症ではないということが断言できるわけではない。
あくまでスクリーニングテストの一つであるということをしっておくことが大切である。
経緯
認知症の診療場面において、診断に典型的に用いている質問や確認項目をまとめた形で、1974年11月 に発行された「精神医学」(第16巻11号)に掲載された「老人の痴呆診査スケールの一検討」と題する論文から であり「長谷川式簡易知能評価スケール」として発表された。[1]
批判
「言語的質問が多く,失語症患者では評価が困難である」
「図形の模写や文書作成の課題が含まれず,動作性の認知機能が評価できない」
「簡単に出来ることが重視されているため,たとえば軽度のアルツハイマー型認知症では,点数が正常に近いことが多く,症状が進行すると,途端に点数が急降下します.要するに,初期診断に必ずしも向いてはいないのです」
「遠隔記憶のテストはありませんし,ある種の動作や手続きに伴う記憶を,評価するような項目もありません.たとえば,認知症の初期の症状で,慣れ ている筈の道で迷子になったりすることがありますが,そうした時に障害されているのは,おそらく動作や手続きに伴う記憶なので,それもこの検査ではチェックすることが出来ないのです」
「認知機能の低下を確認する検査方法とし て一番一般的なのは,改定長谷川式認知スケールや MMSE などの簡易検査が認知機能検査の代表である. しかしこれらの検査も欠点が多い.改定長谷川式は, アルツハイマーの検査としては優れているが,レビー 小体やピック病は,異常なしとなってしまう場合が多 い.ピック病は,改定長谷川式で満点をとる.このた め認知症ではないと判断されることが初期には多い」
などある。ただし、これらの批判についても、最新の脳科学では疑問を呈する部分もあり、結局は使い手次第ということである。
注意点
あくまでスクリーニングテストの1つであると言う事。 それを持ってすぐに結果が分かるわけではないと言う事。
テストを受ける方がやる気を出さないと結果にしっかりと反映されないこと。
テストを受ける方がそのテスト内容について既に知っている場合には正しい結果が得られないこと。
代用、関連する検査
MMSE HDS-Rと結果に相関が見られることが知られている。