MECE
フレームワーク、論理的思考の基本の一つ。
MECE(ミーシー)とは「もれなくだぶりなく」という意味。
MECEについて
MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:ミューチュアリー・エクスクルーシブ・コレクティブリー・エキゾースティブ)。
これは「相互に排他的で、総合的に網羅的」と訳される。
問題解析や情報整理の際に、重複や漏れがないように情報を分類するフレームワーク。
「相互に排他的で、総合的に網羅的」なカテゴリーに情報を整理することを目指し、論理的でシステマティックな思考をするのに役立つ。MECEの原則に従うことで、より効率的かつ明確に情報を処理し、問題解決に役立てることが期待される。
MECEの実践方法
MECEは、もれなくダブりなく分類するということである。
最も簡単な例
もっとも簡単なのは、『俺か、俺以外か』などのように、AかA以外かの分類である。
より詳細には、『俺か、俺以外か』という分類はMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)の原則を満たしているその理由は、この分類では、「俺」は他の全ての選択肢と排他的(Mutually Exclusive)であり、「俺以外」はその他全てを包含しているため、全体を網羅的に(Collectively Exhaustive)カバーしているからである。
このため、重複する部分がなく、また漏れもないため、MECEの条件を満たしているといえる。
MECEの重要性
うまく使うためには、MECEはなぜ重要かを知っておくことが必要である。
繰り返し業務でのロスのコントロール
業務のダブりがあると、無駄が増える。
繰り返し業務の中でのダブりが繰り返されると、中長期的ロスが増える。
投入可能資源量の上限
理由として、現実的に、資源は限られている。限られた資源で、結果を多くするためには、資源をどのようにうまく使うかを考える必要がある。
その時に、『もれなくダブりなく』というコンセプトは重要な指針になる。
例えば、組織運営において、MECEを意識していないと、異なる部署が同じ仕事に別々のタイミングで従事することが出てきて、関わる人の規模が必要以上に増えたり、その他優先して取り組まれるべき課題が放置されたまま、時間が経過したりする。
MECE的運用がされる場合には、そのような状況が少なくなることが期待できる。
情報量の増加に対応したい場合
運用するうちに扱う情報量が必要以上に肥大化していくことは珍しくない。顧客の人数が増えたり、サービスの組み合わせの数が増えるなどした時には、どうしても扱う必要のある情報が増える。
これに無策でいると、次第に、情報の肥大化やノイズが増えることになるので、運用をスリム化する必要がある。
その際に、MECEによる情報分類は一定の効果が見込める。
理論作成
理論作成の土台としてMECEが重要となる局面は多い。
フレームワークや理論を新しく考える時には、MECEを意識してあることが必須であることがよくある。
特にリハビリテーションの中でも、作業療法は扱う情報の質も量も膨大になるため、作業療法の理論においても、MECEが役にたつことは多い。
理論の運用効率化を考えると、顧客情報をデータベース化することの重要性は高い。
そのためにも、MECEを踏まえてあることが重要である。
でも現実はMECEにならない
MECEは論理的思考の基礎と言われる。
正解を模索する中で、つい、MECEである状態を維持、継続しなければならないように思われる。
しかし、実践すればわかるが、実際の取り組みはMECEにはならないし、MECEにこだわりすぎると、かえってロスが増える。
例えば、MECEにこだわりすぎると、成果に直結しない細部に悩む時間が増えるなど、時間的ロスが増える。