MUSE細胞

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2021年5月25日現在、脳卒中の画期的な治療法アプローチとして、結果を出し、注目を集め始めている。

[#臨床試験|東北大学医工学研究科・新妻邦泰教授:「70%近くの患者が日常生活自立まで到達。31.8%の方が職場復帰を達成」という従来からすると目覚しい成果を上げている。]

概要

LSIIは2021年度中にCL2020の新薬としての承認を厚労省に申請する予定で、早ければ次年度には、製造販売が承認される見込み。

Muse細胞は、2010年に東北大学の出澤 真理(でざわ まり)教授のグループによって発見された、生体に存在する新しいタイプの多能性幹細胞です。Muse細胞は、血液や骨髄、各臓器の結合組織に存在し、内胚葉(肺や肝臓、膵臓など)、中胚葉(心臓や腎臓、骨、血管など)、および外胚葉(神経組織や表皮など)の様々な細胞に分化する能力を持っています。もともと生体内に存在するので、安全性への懸念が低く、また、腫瘍化のリスクも低いという特徴があります。これらの性質から、様々な疾患を対象にした再生医療にMuse細胞を応用することが注目されています。生命科学インスティテュート(LSII)

詳細

東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野

特徴

以下のような特徴がある。[1]

・もともと体の中にある細胞なので発癌性リスクは低いこと

・誘導もせずそのまま血中に投与するだけで組織修復をもたらす。

臨床試験

脳卒中

東北大学医工学研究科・新妻邦泰教授:「70%近くの患者が日常生活自立まで到達。31.8%の方が職場復帰を達成」という従来からすると目覚しい成果を上げている。[2]

また、回復したのは運動機能だけではない。言語障害や感覚機能なども複合的に判断する指標で見ると、投与後52週で「ほぼ正常な状態」と判断されたのは23.8%に上った。こちらもプラセボ投与群ではゼロだった。[3]

Muse 細胞製品「CL2020」の探索的臨床試験が東北大学病院にて本年 9 月中旬から開始された。[4]

新生児低酸素性虚血性脳症

2020年01月30日の名古屋大学医学部附属病院のプレスリリースによって、新生児低酸素性虚血性脳症(neonatal hypoxic-ischemic encephalopathy;HIE)に対する「CL2020」のMuse細胞を用いた臨床試験が開始されている。[5]

研究者

第一人者

出澤真理教授 1995年、千葉大学大学院医学研究科 博士課程修了。同年、千葉大学医学部 助手、2000年、横浜市立大学医学部解剖学第一講座講師、2003年、京都大学大学院医学研究科助教授を経て、2008年より東北大学大学院医学系研究科教授。東北大学医学系グローバルCOE「Network Medicine創生拠点」国際ネットワーク連携委員会委員長を兼務。専門は再生医学、幹細胞生物学。骨髄や皮膚などの間葉系細胞に内包される新たな多能性幹細胞(Muse細胞)を発見し、幹細胞生物学と再生医学への貢献を目指している。生命科学DOKIDOKI研究室(2010年12月2日取材 2011年1月公開)