プロジェクト
取り組み、特に期限のあるもので、何らかの目標を達成することに向かうためのチームや環境の構築のための取り組み。
目標設定の項目も参考のこと。
あるある
既存のメンバーとの折衝がうまくいかず、プロジェクトがぽしゃる。
プロジェクトのぽしゃりが持続するうちに、社員が学習性無気力に陥り、本質的価値が発揮できず、会社として衰退する。
実効性のあるプロジェクトのために
プロジェクトチームの内側の人間の視点から
メガバンクという伝統的な組織の中で、いかにしてデザインというカルチャーを浸透させ、大きなプロジェクトを推進したSMBCのインハウスデザイナーさんたちの取り組みが大変参考になる。[1]
1 やってる格好だけ、ポーズのためだけのプロジェクトはそもそも立ち上げるべきでない(成果と実効性の振り返りと結果が全て)
2 地道に価値を理解してもらうように動く(価値が理解できない人もそれなりに取り込みつつ、権限のある理解者を増やす)
3 プロジェクトに何をお願いしたら、どのような価値が還ってくるかを理解してもらう。
4 業務フローの根本的な変更に踏み込むことを恐れない。むしろ、合理的根拠を持って、果敢に提言する。
すぐに結果がでることを何でもやる
社内で居場所をつくるために、こういうことをする人間なんですよ、という売り込みをする必要がある。
そこに合理性はなくとも、とにかく、営業活動をする必要性がある。どれだけ、「一流」といわれる企業であろうが、結局取り仕切っているのが人間である以上、そこには、「頭でわかっている部分」と「感情でしかスムーズに動き得ない場」がある。
それらを理解したうえで、まずは、プレイヤーとしての自分のバリューを示す。その上で、マネージャーとしての目線を少しずつ共有し、短期的成果を根拠に中長期的成果に踏み込んで行くことが大切である。
つまり、「自分が本質てきに取り組みたいことは一度脇に置いて」「とりあえずやってみて」「きっちり成果は出して」「実はこうしたらもっと良くできたんですよという提案をする」という戦略が大切になる。
デザイン思考で、「点」を「線」へという、捉え方もプロジェクトをうまく行うためには必要になってくるのかもしれない。
軌道に乗って規模が拡大してきたら
チームのメンバーが同じ方向を向ける指針を固め、共通のカルチャーや行動原理が言語化・発信されている状態にする。
例えば、先のSMBCチームでは下記のようなカルチャーを打ち出した。
- **SMBCデザインチームのカルチャー**(「SMBC DESIGN サイト」より)[1]
- Think/本質に向き合いながら、対話を重ね、発想する - Permeate/考え方や取り組みを発信し、デザインをみんなの当たり前に - Explore/好奇心を広げ、「良い」を分析し、新たな関係性を探し続ける - Co-Creation/枠を越えた多様なメンバーで、お互いを尊重し、共創する
調整役を導入する
生産性向上のため、連絡調整が必要になる部分についての、知見やノウハウを集約して、チームの各個人は本質業務に集中しつつ、そこでプロジェクト外と調整や連絡が必要になったかどうかを、チェックしたり助言したり、実際に調整業務を行う、調整役を導入する。
会社全体のバリューとのすり合わせ
チームがやりたいことだけをやっていてはだめで、最終的には全社的な目標や経営戦略に合流できる取り組みをつねに意識する。
実効性の無いやってるポーズだけのプロジェクトを抱えるデメリット
情報化が簡易に誰でも行える時代に、デメリットの大きい取り組みをするとそれがすぐに社外への評判となって立ち現れるので、新規人材の獲得コストなど多面的に影響を与えるようになる。
特に、投資家、銀行からの資金協力は一切得られない状態に陥る危険性を開くもので、会社の成長性を閉ざしてしまう危険性の高い状態にあるという理解を経営者がする必要がある。