アルツハイマー型認知症
もはや社会問題と言われて久しいが、これからも社会問題であり続けるのが、このアルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、日本の認知症全体の65%以上を占めている、最も主要な認知症で、日本社会にとっても、関係家族にとっても、ご本人様にとっても非常に大きな問題となりうる疾患である。
作業剥奪が非常に大きなテーマである疾患といえる。
対処法
まずは知識として知る
認知症に共通する事柄への対処対応については、大まかには 認知症 の項目を参照のこと。
心の準備をする
また、心の準備が大切である。すなわち、若い時からどういう状態どういうフェーズに、どうするかということを考えておくことが大切である。
具体的にアルツハイマー型認知症を知る
家族にアルツハイマー型認知症の方がおられたり、専門職でもない限りなかなかアルツハイマー型認知症の実際に触れる機会が少ない社会になっていることが、若年層が自分自身が認知症になった時にどのように生きるかを考える機会を奪っていると言える。
初期のアルツハイマー型認知症の状態から最終的に最も進行して最終的に意思表示がなった状態まで全てを知る機会を積極的に獲得することが大切である。そのために、ボランティアでも、アルバイトでもなんでも良いので、具体的にアルツハイマー型認知症の方の実際を教えていただき、勉強しておくことが大切である。
具体的に準備する
そして、個人レベルで考えた対処法を法的に効力のある形で明確にしておくことが大切である。 そうすれば、自分の意思を表明できなくなったり、考えることができなくなる前に、周囲はどうすれば良いかを伝えることができる。
社会的コンセンサス形成に積極的関わる
現在の認知症介護の現場の問題の大きな問題となっているのが、ノーリスク思考である。
生存に関するリスクをゼロにしようとすると、生活で得られるメリットもゼロになってしまう。
特に個人レベルで、法的に意味のある形で準備をしていない場合には、判断能力がないと判定された時点で、医療も介護も家族からの苦情のリスクを一番に考えて認知症の方の行動を管理・制限する。
若年層がアルツハイマー型認知症の方の当事者の思いに寄り添うことができれば、社会全体として人生をどのように考えるかという議論を再び行う機会となるはずである。
そうした議論が十分に高まれば、今現在生活を制限されている方々のQOLを向上させることにつながる。
アルツハイマー型認知症の問題構造
アルツハイマー型認知症の最大の問題は、自己受容にある。
初期の段階では、健常な人と外見的に区別をするのはほとんど困難であり、本人の症状自覚と自己申告が欠かせない。
一方で、ご本人様が自分の状態を心理的に認められないことも多く、それがより事態を悪化させている一つの原因である。
できない自分やできなくなっている自分を認められないという心理は、日本社会のできることは良いことでできないことは良くないことであると言う固定化した考えによるところが大きい。
できなくなっていく自分自身を認められず、残存機能で最大限ごまかし取り繕おうとする結果として、生活面や対人関係において非常に大きな問題が発生しうる。
アルツハイマー型認知症の病理
よくわかっていない。
アミロイドβとの相関は確実だが因果関係すら不確定。
これが、アルツハイマー型認知症の治療を困難にしている最大の要因であると言える。
アルツハイマー型認知症の治療薬
根治薬は見つかっていない。
製薬会社が開発から撤退した事例があり、見通しすら立っていない状態と言える。
アルツハイマー型認知症はわからない障害
アルツハイマー型認知症の問題には、2020現在においては対処療法しかない。
上記でも述べたように、現状根治もできないし、病理も分からないからである。
進行の度合いには差があれど、時間が経過すればするほどに症状は進行する。