大人
何を以って大人の定義とするかは、いろいろな定義があるが、自由度の拡大と兼ね合いが大きい。また、非合理的選択を合理性を踏まえた上で行えるかどうかも、社会的大人として重要である。
大人は難しい。その為、一生大人になりきれない人もいるが、そらはそれでその人らしく生きていけることも許される社会になりつつあり、その点希望が持てる。
長期的計画性を優先する能力
目標や起こりある問題の解決に向けて、長期的視野で計画を立案達成する能力が、大人としてもっとも重要な能力である。
これができる人物は表面上は幼稚を装っていたとしても、交流を重ねるほどに他者からは大人と認識される。
なお、後述の感情に折り合う能力が必須。そこを統合しない上部だけの計画性遵守は、むしろ幼児性の表れである。
長期的な計画に基づいて、自己の行動を決定、ないし修正し実際に行動することができる能力は、人間としての成熟を象徴し、人を大人足らしめるもっとも重要な要素として規定できる。
感情を統合する能力
後述の論理力が必須。
自分の感情を現象に紐づけて整理、統合解釈し、必要の論理と要求、モチベーションなどについて、折り合いをつける能力である。
感情のコントロールはその一部にしかすぎない。
メタ認知や高度な認知機能が必要で、感情の統合ができない人も一定数いる。
できない人は、自分にはそのような特性があるのだと認知することが大切。
論理力
情報を整理する能力と考えて差し支えない。
後述の言語化とイメージ処理、記憶能力が前提である。
情報を分類したり、抽象化して問題解決に役立てたり、心理的ストレスを軽減したり、モチベーションを高める為の中核的ツールである。
また、高度な認知を要する一貫性を持った柔軟性の保証の基盤となる。
言語化とイメージ処理、長期的記憶能力
メモや記録を使いこなす能力と言っても差し支えない。
一定以上の短期記憶と、想起の能力、感情自覚が前提となる。
頭の中で、情報の運用が完結すれば、なんの問題もないが、普通はそれでは頭の中の処理能力が不足してしまい、記憶の脱落や物忘れがおこるので、それを前提として生活やタスク処理のフローを構築する。
時系列の概念の理解と実感も記憶が実用になるためには必要である。
時系列
世界の中に自分自身を情報として位置づけるための見当識の基本となる情報。想起を行うためのトリガーとなる情報のひとつ。
短期記憶
短い間であっても、なるべく情報を鮮明に認識し保持する能力。
短期記憶の容量が少ないと、何でもかんでも処理しようとすると混乱してパンクする。感情の奔流やパニック、場合によっては発作等につながる。
感情の知覚、認識
自分の内的な快、不快の情動に名前をつけて分類できること。
簡単なラベリングで構わない一方、プリミティブとはいえもっとも初歩的な言語運用能力を必要とするため、言語情報の処理が、備わっていない場合には、コントロール不能である。
意識の実在性
そもそもの全体として、パソコンでいうところのosにあたる意識のスイッチが切れていると、どんな感覚入力も処理されない。
大人、というよりも、人間の活動性全ての前提となる。