赤十字社

赤十字（Red Cross）は、国際的な人道支援組織であり、戦争や災害時における傷病者の救護活動を主な目的としている。この運動は、スイスの実業家アンリー・デュナンによって提唱され、1863年に設立された

赤十字の起源

アンリー・デュナンとソルフェリーノの戦い

赤十字の起源は、1859年のイタリア統一戦争のソルフェリーノの戦いに遡る。アンリー・デュナンはこの戦場で多くの負傷兵が放置されているのを目撃し、彼らを救護する活動を行った。デュナンはその経験を「ソルフェリーノの思い出」という書物にまとめ、戦時中の傷病者を救護する国際的な団体の必要性を訴えた

ジュネーブ条約と国際赤十字の設立

デュナンの呼びかけに応じ、1863年にスイスのジュネーブで「五人委員会」が設立された。この委員会が後に赤十字国際委員会（ICRC）となり、1864年には初のジュネーブ条約が締結された。この条約は戦争時における傷病者の保護を規定しており、国際赤十字の活動の基盤となっている 。

日本赤十字社の歴史

博愛社の設立

日本では、1877年の西南戦争中に佐野常民と大給恒によって博愛社が設立された。博愛社は戦時中の傷病者救護を目的とし、これは後に日本赤十字社の前身となった 。

日本赤十字社への改称

1886年、日本政府がジュネーブ条約に加盟した翌年、博愛社は日本赤十字社と改称された。これにより、日本も正式に国際赤十字の一員となった

現在の活動

現在、国際赤十字は「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」の7原則に基づいて活動しており、戦争や紛争の犠牲者救援、災害被災者支援、医療・保健・社会福祉事業などを行っている

まとめ

赤十字は、戦争や災害時における傷病者の救護を目的として、スイスの実業家アンリー・デュナンによって設立された国際的な人道支援組織である。日本では博愛社として始まり、後に日本赤十字社と改称され、現在も多岐にわたる人道支援活動を続けている。国際赤十字の理念と活動は、世界中で広く認識され、その重要性は今後も増していくことが期待される。