フレイル
高齢者の虚弱性のうち、正しく介入することで回復が見込めるもの。
フレイルという言葉は、2016年頃に医療福祉の業界に現れた比較的新しい言葉である。
早期に適切な介入ができることで、要介護を防止することができると言われている。英語の「Frailty」をもとにした造語である。日本老年医学会が用語の策定に関わった。[1]
フレイルの概念はなぜ必要とされたか
これは、早期の段階で問題点にアプローチすることが、医療経済学的に有効であると考えられるようになったためである。
高齢者の虚弱性は、加齢とともにおこる自然なもので、仕方のないことであると考えられる傾向にあった。また、高齢者人口の増大、長寿化の結果としての医療費や介護費は社会全体として増大する傾向にある。
そうした予想予見から、高齢者の虚弱性に関する過程を分析したところ、健康と要介護に至る「中間的な状態」があること重要視されるようになった。これが「フレイル」と名付けられることとなった。事実、そのような状態に対応することが、要介護者の急激な増大に対処するために重要である。
つまり、フレイルという言葉は、高齢者の虚弱性は実は対処可能であるということを印象付けることの必要性から生じた言葉であり、また同時に、少子高齢社会という背景ががフレイルという言葉が必要とすることになった最も大きな要因であると言える。
フレイルは虚弱と違う意味が意図されている
上記にも触れたように、フレイルという言葉は改善可能性を強調している。
フレイルは「虚弱」を置き換える形で導入されている。
それは、単なる虚弱ではなく、正しい治療や介入によって状態を改善することができるものを指している。
必要なフレイル対策
認知症のMCIと同様に、早期に対応すれば症状の急激な悪化が防止できるという仮説に基づいている。
基本的には、活動性が低下しないように気をつけることが有効な対応とされている。
認知症の対策ともかさなるところは多く、運動や社会活動への参加が重要であるとされている。