「失語症」の版間の差分

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失語症(Aphasia)は、脳の損傷によって引き起こされる言語障害。失語症は言語の理解や表出、読み書きの能力に影響を及ぼし、患者のコミュニケーション能力に大きな障害をもたらす。
==原因疾患==
[[脳卒中]]が主。
その他、脳が障害される場合、例えば、[[頭部外傷]]、[[脳腫瘍]]、感染症、または[[神経変性疾患]]などでも起こり得る。
==失語症の分類==
===ブローカ失語症(運動失語症)===
言語の発話が困難であり、話すことが非常にゆっくりで努力を要す。
理解能力は比較的保たれる。
===ウェルニッケ失語症(感覚失語症)===
言語理解が障害される一方で、流暢な発話が可能。
しかし、発話の内容は、言葉の選択が不適切で無意味、聞き取る人には理解されにくい。
===全失語症===
言語の発話と理解の両方が広範囲にわたり重度に障害される、非常に基本的なコミュニケーションも困難であり、最も重症な形の失語症。
===失名辞(アノミア)===
特定の単語を思い出すことが困難になり、迂遠な表現が頻回になる。会話の流れの中で適切な単語を見つけることができず、会話が中断することがある。
==リハビリと治療==
[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcomdis1983/4/2/4_2_71/_pdf/-char/ja 全失語の言語的治療]
===予後予測===
以下の要因に影響される。<ref>[https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%84%B3%E3%81%AE%E6%A9%9F%E8%83%BD%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E5%A4%B1%E8%AA%9E 失語 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版]</ref>
•損傷の原因、大きさ、部位
•言語障害の程度
•治療の効果
•与える影響は比較的小さいものの、患者の年齢、教育歴、全般的な健康状態
8歳未満の小児は、たとえ脳に重度の損傷があっても、しばしば言語能力を回復する。
8歳以上の患者では、回復の大部分は最初の3カ月に集中して起こる。最長で1年間は、いくらかの回復が続く可能性がある。
==体験談==
==体験談==



2024年4月17日 (水) 22:24時点における最新版

Hiroto.jpeg

失語症(Aphasia)は、脳の損傷によって引き起こされる言語障害。失語症は言語の理解や表出、読み書きの能力に影響を及ぼし、患者のコミュニケーション能力に大きな障害をもたらす。

原因疾患

脳卒中が主。

その他、脳が障害される場合、例えば、頭部外傷脳腫瘍、感染症、または神経変性疾患などでも起こり得る。

失語症の分類

ブローカ失語症(運動失語症)

言語の発話が困難であり、話すことが非常にゆっくりで努力を要す。

理解能力は比較的保たれる。

ウェルニッケ失語症(感覚失語症)

言語理解が障害される一方で、流暢な発話が可能。

しかし、発話の内容は、言葉の選択が不適切で無意味、聞き取る人には理解されにくい。

全失語症

言語の発話と理解の両方が広範囲にわたり重度に障害される、非常に基本的なコミュニケーションも困難であり、最も重症な形の失語症。

失名辞(アノミア)

特定の単語を思い出すことが困難になり、迂遠な表現が頻回になる。会話の流れの中で適切な単語を見つけることができず、会話が中断することがある。


リハビリと治療

全失語の言語的治療

予後予測

以下の要因に影響される。[1]

•損傷の原因、大きさ、部位
•言語障害の程度
•治療の効果
•与える影響は比較的小さいものの、患者の年齢、教育歴、全般的な健康状態

8歳未満の小児は、たとえ脳に重度の損傷があっても、しばしば言語能力を回復する。

8歳以上の患者では、回復の大部分は最初の3カ月に集中して起こる。最長で1年間は、いくらかの回復が続く可能性がある。

体験談

くも膜下出血のラブレター【1】 : 猫とくも膜下出血の絵日記 Powered by ライブドアブログ

学生と共に考える失語症 -10 年経過した失語症者の実際の検査・評価を通してー

家族対応

個人として。

■過剰に先回りしない 患者様に早く回復してほしいから、と次の言葉を先回りして言ってあげるご家族がいますが、時と場合によっては患者様の意志を無視してしまうことに。 ワンクッション考える時間を持ったうえでご本人が困っているようであれば、イエス・ノーで答えられる質問や選択肢のある質問に置き換えてあげるとよいでしょう。


■思考能力は低下していないことに注目 認知症と違い、物事の判断力自体は低下していないのが失語症です。 簡単な言葉を使おうとするあまり、子供相手のような会話をするのは望ましくありません。あくまで大人として接することが大切です。


■ゆっくり時間をかけて会話をする 回復期後半になると時間をかければある程度の会話は成立しやすくなります。 時間に余裕をもって会話をするように心がけましょう。


■ジェスチャーを使う 言葉だけがコミュニケーションを取る方法ではありません。 患者様が言葉に詰まっているとき、ジェスチャーを混ぜることで言葉を思い出すことがあります。


■実物/写真/イラストを組み合わせる 「テレビ」などの単語は覚えているものの「テレビ見る?」と話しかけてもイマイチ反応が悪いときには「『テレビ見る?』と話しかけながらテレビをつける」など、実際にイメージが沸くものを見ると理解を促しやすくなります。

写真やイラストでも同様の効果が期待できます。失語症のリハビリ方法とは?自然な会話を取り戻すポイント|御所南リハビリテーションクリニック

社会参加

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogrehab/26/1/26_2021.001/_pdf/-char/ja

就労支援

失語症のある高次脳機能障害者への支援

参考

https://maedaaaclinic.hatenablog.com/entry/2021/06/28/080417