ストレングスモデル

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ストレングスモデルとは、ポジティブシンキングである。または、強みに焦点化することを優先し、弱点の克服はほどほどにして、優先しないという考え方のこと。

作業療法とストレングスモデル

ストレングスモデルを知らない作業療法士がいたら、モグリといって過言ではないくらい、全ての作業療法士は自然とストレングスモデルの考え方と重なる実践を行うことになる。

作業療法士が本来コミットするべきは対象者のQOLの向上なので、ストレングスモデルの理解とそれに基づく支援がすぐに必要に応じて出来るような備えが欠かせない。

それは、どうしても解決することのできないウィークポイントというものに、必ず向き合わなければならない臨床場面が必ずあるからである。

QOLを向上させるには、ウィークポイント(弱み、弱点)に目を向けて立ち止まる時間を長くするよりも、ストロングポイント(強み)でアクションをどんどんしていくことの方が、総合的な意味で「人を元気にする」可能性が高い。

作業療法を説明する上でも非常に重要な概念、それが「ストレングスモデル」であると言える。

このように、出来ることや得意なことと言ったその人の強みに焦点を当ててストレングスモデルを用いて支援を行ういことが非常に重要な場面が多々ある。

ストレングスモデルが有効な場面

どうしても苦手で改善の見込みはほとんどないか、経済的に取り組むことが難しい場合

失ったものがどれだけ頑張っても、再び得られる見込みがほとんどない場合

進行性の疾患によって、新規の獲得はおろか今後ますます失われていくことが増えていく場合

ストレングスモデルの実際

ストレングスモデルは、とりあえずやってみよう実践しようの精神が一番大切である。

囚われから自由になって色々と、今できることで挑戦することが大切である。

つんく♂さんの場合

たとえば、言語障害があるとき、発語出来ないことに注意を取られがちで、それをなんとかしようと問題解決に取り組むことが多い。

しかし、QOLの向上という視点で考えたとき、苦手を改善するより、出来ることをきちんと出来るようにすること、得意なことをしてもらってその人らしさを発揮してもらうことが重要である場合が少なくない。

つんく♂さんのように、高いITリテラシーというストレングスを生かして、パソコンを用いたコミュニケーションを取り入れることで実用性の高いコミュニケーションを獲得できている。

ICFとの関連

ICFとの組み合わせが、QOL改善に向けたアイディアを考える時に有効である。