作業剥奪

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2020年8月13日 (木) 22:49時点におけるOtfighter (トーク | 投稿記録)による版

人は作業を自分でできる状態にあることが多い。


これが何らかの理由で、しかも、特に自分ではどうすることもできない理由で作業ができない状態を強いられることを作業剥奪という。

たとえば2020年のCOVID-19 流行にともなう所謂コロナ禍においては多くの人が、それまで出来ていた活動が急激に大いに制限された。

多くの人が体感的に作業剥奪の状態を体験することになった。

不条理性

突然の作業剥奪は、自分の力ではどうしようもない不条理によって生じることがある。

それによって、いわゆる「心の折れた」状態となってしまうことがある。作業療法士はそのような人たちに、寄り添い支援ができる。


作業剥奪の例

入院入所中の認知症患者様のトイレ制限

施設の経済的理由で本人希望のトイレが使えないことはよくある。

トイレ業務に回る職員が確保できないことが原因である。

職員が安定雇用できるだけのお金が現場に回っていないことが原因である。

そうすると、マンパワー的に解決困難であるとして、トイレ業務の介助よりも時間的にもマンパワー的にもコストの必要ないオシメの着用が選択肢になる。

誰が悪いとも言えなくしてしまっているところが、一種の不条理である。