制御(コンピュータ)
コンピュータにおける「制御」は、主にプロセッサ(CPU)がプログラムの実行をどのように管理し、システムリソース(メモリ、入出力デバイス、ストレージなど)をどのようにアクセスし利用するかを指す用語。
この概念はコンピュータアーキテクチャの核心部分であり、ハードウェアとソフトウェアのインターフェースを形成する。
制御の主要な側面
下記の要素が制御に関わる。
プログラムカウンタ(Program Counter, PC)制御
CPUが次に実行する命令のアドレスを保持するレジスタです。プログラムカウンタは命令がフェッチされるたびに更新され、次の命令の位置を指し示す。
分岐やジャンプ命令が実行されると、プログラムカウンタは新しいアドレスに設定され、プログラムの流れが変更される。
命令ディスパッチ(Instruction Dispatch)
CPUが命令を解析し、どのような操作が必要かを判断するプロセス。
この段階で、命令セットアーキテクチャ(ISA)がどのように実装されているかが重要になる。命令ディスパッチは、ALU(算術論理演算装置)操作、レジスタ間のデータ移動、メモリアクセス命令などを含むことができる。
リソースアロケーション
CPUがメモリやデバイスといったリソースにアクセスする際の管理。
これにはメモリ管理ユニット(MMU)が関与し、仮想アドレスを物理アドレスに変換するなどの役割を担う。リソースアロケーションは、システムの効率とセキュリティに直接影響する。
並行処理と同期
マルチコアプロセッサやマルチスレッドプログラミングにおいて、複数のプロセスやスレッドが同時に実行される場合、これらの制御と同期が重要になる。具体的には、ロック、セマフォ、モニタなどの同期メカニズムを使用して、データの整合性とアトミックな操作が保証される必要がある。
割り込み管理(Interrupt Handling)
ハードウェアからの割り込み信号やソフトウェアからの割り込み要求に応答するプロセス。
割り込みはプログラムカウンタを一時的に変更し、特定の割り込み処理ルーチンを実行した後、元のプログラムに制御を戻す。
制御の実装
制御の実装は主に、マシンレベルでのプログラミング(アセンブリ言語やマシンコード)、オペレーティングシステムレベルでのプロセスとリソース管理、アプリケーションレベルでのAPIの使用によって行われる。
これらの層はそれぞれ、ハードウェアの抽象化、リソースの仮想化、ユーザーインターフェイスの提供といった異なる機能を提供し、全体としてシステムの「制御」を形成する。