ヘモグロビン

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ヘモグロビン(hemoglobin)は血液を赤くしているタンパク質である。4つのタンパク質鎖で構成されており、うち2つはα鎖、残り2つはβ鎖である。それぞれ1個の鉄原子(iron atom)を含んだ環状のヘム基(heme group)を持っている。酸素は可逆的にこの鉄原子と結合し、血液中を運ばれる。[1]

貧血

血中のヘモグロビンの値が、少ないと、貧血になる。

赤血球とヘモグロビン

ヘモグロビンは赤血球中に存在し、赤血球の重量の約3分の1をヘモグロビンが占めている。[2]

ヘム

ヘモグロビン1分子につき、ヘムが4基ある。[2]

構造上の合理性

酸素運搬上のメリットが大きい構造をしている。[2]

酸素が結びつくほどに酸素との親和性が高まる。

一方で、酸素が分離すると酸素を保持しにくくなる。

これは、肺で酸素と結合し、末梢血管等で酸素を供給しやすくするうえで役に立っている。

ヘモグロビンはその活動を制御するのに動きと小さな構造変化を使う素晴らしい分子機械である。ヘモグロビンにある4つのヘム部位への酸素結合は、同時には起こらない。最初のヘムに酸素が結合すると、そのヘムを含むタンパク質鎖に小さな構造変化が起こる。この変化によって隣の鎖が少し押されて形状変化が起こり、より酸素が結合しやすくなる。このようにして、最初の酸素分子は付け加えにくいが、2つ目、3つ目、4つ目となるに従い徐々に追加しやすくなっていく。このことはヘモグロビンの機能において大変な利点となる。血液が肺にある時、そこには酸素が豊富にあるため簡単に最初のサブユニットに酸素が結合し、速やかに残りのサブユニットにも酸素が満たされる。そして血液が身体の各部を循環するに従い酸素濃度は低下し、二酸化炭素濃度が上昇していく。この環境下では、ヘモグロビンは酸素を解離する。最初の酸素分子が離れるとすぐに、タンパク質の構造は変化し始める。このことが残りの酸素の速やかな解放を促す。こうしてヘモグロビンは、肺にある酸素という荷物を最大限積み込み、全ての必要な場所へ必要な時に酸素を供給しているのである。ヘモグロビン (Hemoglobin) | 今月の分子 | PDBj 入門

ヘモグロビン代謝産物

赤血球の寿命は120日前後で、寿命を迎えた赤血球は分解され、その一部が最終的に胆汁中にビリルビンの形で、排出される。

鎌状赤血球ヘモグロビン

鎌状赤血球ヘモグロビンを持つ人々は多少マラリアに抵抗性がある

参照