棘下筋

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起始停止

棘下筋(きょくかきん、英: Infraspinatus muscle)は、肩甲骨の棘下突起から始まり、上腕骨の大結節に停止する肩甲骨周りの筋肉です。

支配神経

棘下筋は、肩甲線維によって支配されます。肩甲線維は、脊髄の上部胸髄叢から発し、肩甲骨周囲の筋肉を支配する神経です。

同じ支配神経領域の筋肉

棘下筋と同じ肩甲線維によって支配される筋肉には、菱形筋や僧帽筋の一部などがあります。

筋肉の作用

棘下筋は、上腕骨を外旋(外向きに回転)させる筋肉として知られています。また、肩甲骨を内側に引き寄せる働きも持っています。これらの作用によって、肩関節の動きをサポートし、肩の安定性を保つ役割を担っています。

その筋肉の重要性

棘下筋は、肩甲骨周りの筋肉の中でも特に重要な筋肉の1つです。肩関節の外旋や内側引き寄せなど、日常生活やスポーツで必要な動作に関与するため、その重要性は高いです。また、肩関節周囲症候群や肩関節痛の治療においても、棘下筋を含めた肩甲骨周りの筋肉の強化や柔軟性を改善することが重要です。

その筋肉のデメリット

棘下筋を酷使することによって、棘下筋の腱の炎症や損傷が発生することがあります。具体的には、テニス肘や野球肘などが挙げられます。これらの障害を予防するためには、棘下筋を含めた肩甲骨周りの筋肉のバランスを保ち、正しいトレーニングやストレッチを行うことが重要です。

その筋肉のトレーニング方法

棘下筋を鍛えるトレーニング方法としては、外旋運動があります。

具体的なトレーニング方法としては、以下のようなものがあります。

・ヨガのポーズやピラティスのエクササイズなど、体幹を鍛えるトレーニング ・ダンベルやケーブルマシンを使用した外旋運動 ・バンドやチューブを使用した外旋運動 ・スタンディング外旋運動(立位で腕を横に伸ばし、外旋を行う運動)

これらのトレーニングを行う際には、重量や回数を徐々に増やしていくことが大切です。また、正しいフォームで行うことも重要で、肩や腕を無理なく動かせる範囲内で行うようにしましょう。

その筋肉のストレッチ方法

棘下筋のストレッチ方法としては、以下のようなものがあります。

・肩甲骨を寄せた状態で、反対側の手で腕を引っ張るストレッチ ・腕を上げた状態で、反対側の手で肘を曲げて引っ張るストレッチ ・座位で、片方の腕を前方に伸ばし、反対側の手で腕を引っ張るストレッチ

これらのストレッチを行う際には、ゆっくりと行い、無理なく伸ばすようにしましょう。また、痛みを感じた場合は無理をせず、ストレッチを中止することが大切です。

その筋肉についての豆知識

棘下筋は、肩甲骨周りの筋肉の中でも比較的大きな筋肉の1つであり、肩関節の安定性を保つために重要な役割を担っています。また、この筋肉は動きのバランスを保つだけでなく、姿勢を改善することにも役立ちます。正しいトレーニングやストレッチを行うことで、棘下筋の強化や柔軟性の向上につながり、肩関節の健康維持に役立ちます。