経済

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医療や福祉を組織として成立させ、安定供給するためには欠かせないもの。

軽んじると、社会インフラが崩壊をおこし、必然的に医療や福祉のサービスの提供を継続するための資金が枯渇し、それに依存しているありとあらゆるサービスが停止する。

一般に経済危機となると、ヒトモノカネといったありとあらゆるリソースの流動性が極端に低下し、必要な物資やエネルギーが必要な時に供給されないという事態が起こりうる。

常にそうした状況になったときに自分にはどのような選択肢が残されるのかについて考えておく必要性があるといえる。

たとえば、日本でも労働力人口の低下から、生産性によって債権を債務が上回るようなことがあれば、すぐに円安となって、海外からのモノを購入することができなくなり、このような事態が簡単に起こりうる。

一方で個人レベルで対応することも可能な世の中になっている。

必要に応じて、即時換金可能な流動性の高い金融資産を保有したり、海外通貨建てで不労所得を確保するなどの対策が必要になる可能性がある。

また本業以外の収入を獲得するスキルを確保しておくことも重要である。作業療法士の場合それは、本業にも役立ちうる。

日本の経済

日本の経済は、ヒトモノサービスをつなぐ仕組みとして、資本主義、自由主義経済、通貨制度などの仕組みを取り入れておりまた、各種社会インフラの提供はそれらの仕組みの上に成り立っている。

また、日本は、物資を国内完結させることはできず、エネルギーや材料、食料といった資源を諸外国から取り入れ、製品化したり、観光資源とすることによって、外貨に対する日本円の価値を維持している。

日本円の対外諸国にとっての価値の維持こそが、きわめて重要であり、それが一般国民が広く様々な医療福祉サービスにアクセスできる基盤となっている。

また、最近では、人材やマンパワーを諸外国に依存していることも多い。これらの労働者の多くは、日本よりも通貨が弱い国から来ており、相対的に強い日本の円を稼ぐことを目的として労働している。

日本円が弱くなった時点で彼らが日本にやってくるメリットは全くなくなるので国内で産業が維持できなくなる業種が多発することになり、ますます、企業が生産する商品の多様性が減少して、製品を入手するコストが跳ね上がったり、そもそも入手できなくなったり、顧客となる企業が喪失したり、労働者の労働環境が減少したりする。

これまでの、経済は、既存の企業がなるべく生き残るようにという方法によって、労働者が所得を確保できるようにということで生活基盤を守ってきたが、変化に対応できる人材や、諸外国を対象にサービスを打ち出すことができることなどがとても重要である。

経済危機の例

スリランカ経済危機 2022年4月3日 時点

中国への多額の借金などによって経済が破綻寸前となり、不満が政治家に向けられた結果として暴動などが発生しており、国家政府から全土に非常事態宣言が発出された。


経済音痴のパフォーマンスに踊らされる例に見る経済リスク

日本は自由経済主義であり、原則国は個人や企業の消費生産活動については、直接的に介入しないことにしている。これによって、経済活動のプレイヤーである個人や企業は、自己の責任と能力の範囲内において自由に

日本の企業は内部留保積み上げすぎだ、という議論が国会でなされたことがある。

たとえば、企業にため込む余裕や力があるのなら、それを働き手に分配するなり、ため込みすぎならば課税をするべきだ、という趣旨である。

余剰は無駄であると同時に、余裕である。

もし、内部留保がなければ、コロナ禍といわれる社会状況になったときに、大企業が軒並み倒産して、日本の賃金供給体制は崩壊し、より多くの社会インフラに影響が出ていた可能性がある。

国がいざというときに、明確にその存在を保証してくれるのであれば、逆に内部留保は必要ないかもしれないが、そうするといざとなれば助けてくれるから、と健全性が失われるのも歴史から明らかであり、どうするのが正解ということはない。

ただ、ひとついえることは、経済というのは、システム論の文脈で語られるべきで、これをこうしたら解決するというのは短絡的かつきわめてハイリスクな発想であるということである。

そして、それを支持する人々の存在もハイリスクで、そうした人々はまた、経済が提供するありとあらゆるサービスの対象者でもあるので、そのような扇動が社会の基盤を大きく動かしうるものであり、それに伴った変化に対応することが苦手な方についても、理解力の乏しさよいことに、良い面ばかりを説明しイメージで納得感を得て、現状を自分に有利なように変更することを試みる人々のコマとされることが多い。

自由経済の仕組みは、民主主義と同じで、一人一人がある程度の思考力や理解力を期待されることを前提として構築されている仕組みなので、一人ひとりにそういう方向性を踏まえて自分はどうするのかを自己決定することが求められる。

経済についての学習が乏しいと、どうなるのかについては、ドイツや日本、あるいはイギリスやアメリカの歴史から学べることがたくさんあると思われるのでしっかりと読み込んで理解することが大切である。