肩甲下筋

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起始停止

肩甲下筋の起始は、肩甲骨の下角と肩甲骨の内側縁にあります。停止は、上腕骨の大結節部に付着しています。

支配神経

肩甲下筋を支配する神経は、腕神経叢の一部である下位頸神経plexus cervicalisから発生する枝の中の、第三・第四頸神経になります。

同じ支配神経領域の筋肉

同じ支配神経領域の筋肉には、上腕二頭筋や上腕三頭筋などがあります。

筋肉の作用

肩甲下筋の主な作用は、肩甲骨を下方向に引くことです。これによって、肩甲骨と上腕骨が固定され、上腕骨の外側が引き上げられます。この動きは、腕を上げる際に重要な役割を担っています。また、背中を伸ばす際にも肩甲下筋が使われます。

その筋肉の重要性

肩甲下筋は、腕を上げる際の重要な筋肉の1つであり、肩関節の安定性にも貢献しています。また、肩甲下筋の発達が不十分だと、腕を上げる動作で肩関節の位置が不安定になり、肩関節周囲の痛みや障害の原因になることがあります。

その筋肉のデメリット

肩甲下筋に直接的なデメリットはありませんが、筋肉バランスが崩れると、肩関節周囲の筋肉に負荷が集中し、肩関節周囲の痛みや障害を引き起こすことがあります。また、肩甲下筋の過剰使用によって、肩甲下筋を痛めたり、筋肉疲労を引き起こすことがあります。

その筋肉のトレーニング方法

肩甲下筋を鍛えるためには、下向きのプルダウンやシーテッドロウなどの引き運動が有効です。また、肩甲骨を引き下げることに重点を置いたエクササイズとして、タオルを噛んで肩甲骨を引き下げる「タオルバイト」という方法もあります。ただし、過度な負荷をかけると肩関節周囲の障害を引き起こす恐れがあるため、トレーニングを行う場合は、正しいフォームや適度な負荷に注意することが重要です。

その筋肉のストレッチ方法

肩甲下筋をストレッチするには、肩を回したり、腕を引っ張って伸ばすなどの方法が有効です。例えば、片手で肩をつかんで反対の腕で腕を引っ張って、肩甲下筋を伸ばす方法があります。また、壁に手をついて肩を下げた状態で、肩甲下筋を伸ばすこともできます。ただし、ストレッチの際に筋肉を痛めないように注意し、過剰なストレッチを行わないようにすることが重要です。

その筋肉についての豆知識

肩甲下筋は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ三角筋の一部であるため、三角筋の働きとしても重要な役割を担っています。また、肩甲下筋が発達しすぎると、背中が厚く見える効果があるため、ボディビルなどの競技においては、肩甲下筋を鍛えることが重要な要素の1つとなっています。