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== | 作業療法士は自身が従事する領域にかかわらず、[[ボディメカニクス]]の概念と関連させて実際の臨床における実践に重心の概念を落とし込めることが必要である。 | ||
==重心の見極め方== | |||
重心とは、重さを一点で支えることができる場所、いわば「重さの核」とでも言うべき場所である。 | |||
この場所の位置を把握できると、バランスを支えるのも、逆に狙った方向にあえて崩すも簡単に行うことができるようになり、低侵襲、いわば負担の少ない介入を行うことができるようになる。 | |||
===知識としての重心=== | |||
一般に人間の重心は、おへその少ししたの骨盤の内部にあるとされている。 | |||
標準体型かつ、初めて関わりを持つ対象者の重心の場所があまりよくわかっていない場合には参考にできるので覚えておくと良い。 | |||
===支持基底面との関係による観察=== | |||
支持基底面との関係と姿勢が安定しているかどうかで、おおよその重心の場所が判断ができる。 | |||
支持基底面の外に重心が移動する時にバランスの崩れや動揺が発生する。 | |||
いろいろな姿勢で、あえてバランスの崩れを引き起こすことで、詳細な重心の場所についての検討をつけることができる。 | |||
==支持基底面== | ==支持基底面== | ||
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長期間の入院や入所を行う対象者の方にとっては、そのような要因を踏まえた長期的視点から適切な提言を行うことができる作業療法士の存在は極めて重要である。 | 長期間の入院や入所を行う対象者の方にとっては、そのような要因を踏まえた長期的視点から適切な提言を行うことができる作業療法士の存在は極めて重要である。 | ||
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[[作業療法士]]として、現場にあっても、以下の点は誰に対してもすぐに伝えられて速攻性が高いので、臨床で伝えられるように準備しておく。また、当然[[作業療法士]]自身は、以下の応用がきちんと行えなければならない。 | |||
重心の概念がうまく応用できると、楽に介護ができるようになる可能性が高まる。たとえば、対象者と介助者の重心を可能な限り近づけることによって、介助者にとって不自然な筋力の出力を抑えることができるので体を痛める可能性が減る。当然、安全性が高まることになる。 | |||
また、介助時に、介助者自身の重心を低くすると、介助者がバランスを崩しにくくなり、介助時の安全性が高まる。 | |||
==応用としての重心== | |||
応用として、スポーツにおける重心も極めて重要である。 | |||
狙い通りのパフォーマンスを出すために体を操る時に、自分の体の重心を感じて動かすことができる選手と、そうではない選手ではそもそも選択する戦略が大きく異なっている。そして、その結果としてのパフォーマンスにも大きく違いが出ることになる。 | |||
サッカーや、バスケットボールなどの競技における、フェイントなどの技術においては特に重心の概念の理解と習熟が必要である。 | |||
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<youtube>https://www.youtube.com/watch?v=q7QlEM0B8iE</YouTube> |
2023年3月18日 (土) 13:50時点における最新版
ある物体の重さを、その一点で支えることができるような点のことを、重心という
作業療法士にとっては、対象者の移乗の介助や、安楽な姿勢へ整えることを考える時に、理解必須の項目である。
また、介助者が重心の概念を理解できるかどうかは、対象者にとって安楽な介助ができるかどうかに極めて大きく影響するため、主たる介護者に対して助言を行う上でも重心の概念の理解を含んで伝えることが極めて重要である。
作業療法士は自身が従事する領域にかかわらず、ボディメカニクスの概念と関連させて実際の臨床における実践に重心の概念を落とし込めることが必要である。
重心の見極め方
重心とは、重さを一点で支えることができる場所、いわば「重さの核」とでも言うべき場所である。
この場所の位置を把握できると、バランスを支えるのも、逆に狙った方向にあえて崩すも簡単に行うことができるようになり、低侵襲、いわば負担の少ない介入を行うことができるようになる。
知識としての重心
一般に人間の重心は、おへその少ししたの骨盤の内部にあるとされている。
標準体型かつ、初めて関わりを持つ対象者の重心の場所があまりよくわかっていない場合には参考にできるので覚えておくと良い。
支持基底面との関係による観察
支持基底面との関係と姿勢が安定しているかどうかで、おおよその重心の場所が判断ができる。
支持基底面の外に重心が移動する時にバランスの崩れや動揺が発生する。
いろいろな姿勢で、あえてバランスの崩れを引き起こすことで、詳細な重心の場所についての検討をつけることができる。
支持基底面
重さを支える場所を支持基底面と呼ぶ。
この面の上に重心が来ていれば安定するし、そうでなければ不安定になり転倒や転落のリスクが高まる。
また、全体として支持基底面がどこにあるのかが理解できると、移乗介助の本質が、スムーズな重心移動にあることを理解できてさえいれば、支持基底面から次の支持基底面へと重心を移動させるために必要な手助けを最小限の力添えで行うことができるので、移乗時に無理なく安楽に移乗を行うことができる。
重心理解のメリット
安全性を高めることができる
転倒転落事故のリスクをより的確に見積もることができるようになる。そのため、作業療法士自身がその人にどこまで挑戦してもらうことができるのかということについて自信をもって取り組んだり、本人に納得感をもって伝えることができるようになる。
そのような納得感が、本質的な事故の減少や、より質の高い訓練につながりひいては、より高い安全性を実現することにつながるのである。
無理なく少ない力で介助を行うことができるようになる
作業療法士の重要な仕事は、より少ない力で簡単に介助ができるようなやり方を確立し、介助を行う人ができるように共有することである。
これは、介助者と対象者の安全につながるだけでなく、その先の持続可能性にも大きく影響する。
また、介助に対する対象者の安心感にも大きくつながる要素であり、その意味で極めて重要度が高い。
能力の低下を防げる
安全性を重視しすぎるあまり、本人の残存機能が活用されないで廃用が急速に進行する例がある。
また、褥瘡発生を予防しようと過剰なエアマットやクッション性のある布団を使ってしまい、拘縮の発生要因を作り上げてしまうことも防ぐことにつながる。
長期間の入院や入所を行う対象者の方にとっては、そのような要因を踏まえた長期的視点から適切な提言を行うことができる作業療法士の存在は極めて重要である。
起居移乗介助への応用
作業療法士として、現場にあっても、以下の点は誰に対してもすぐに伝えられて速攻性が高いので、臨床で伝えられるように準備しておく。また、当然作業療法士自身は、以下の応用がきちんと行えなければならない。
重心の概念がうまく応用できると、楽に介護ができるようになる可能性が高まる。たとえば、対象者と介助者の重心を可能な限り近づけることによって、介助者にとって不自然な筋力の出力を抑えることができるので体を痛める可能性が減る。当然、安全性が高まることになる。
また、介助時に、介助者自身の重心を低くすると、介助者がバランスを崩しにくくなり、介助時の安全性が高まる。
応用としての重心
応用として、スポーツにおける重心も極めて重要である。
狙い通りのパフォーマンスを出すために体を操る時に、自分の体の重心を感じて動かすことができる選手と、そうではない選手ではそもそも選択する戦略が大きく異なっている。そして、その結果としてのパフォーマンスにも大きく違いが出ることになる。
サッカーや、バスケットボールなどの競技における、フェイントなどの技術においては特に重心の概念の理解と習熟が必要である。