作業療法士

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作業療法士とは、作業を用いて人を治療する事を職業にしている人物、またその職業のことである。

OTR(register occupational therapy)とも呼ばれる。ROTだと、ネガティブな意味を持つ為、OTRと略称されている。[1]

作業療法士になる方法については 作業療法士になるにはを参照。

日本における作業療法士という資格は国家資格である。その根拠になっているのは理学療法士及び作業療法士法である。

作業療法士のお仕事

作業療法士は生活上の困難を抱える人の生活の改善や再構築に対する支援を行う。

特に、評価介入を実施し、作業を行えるような改善や再構築をめざす。

作業療法における作業とは、人が特に重要だと考える活動のことである。

コーディネートマネジメントプランニング戦略への提言も作業療法士の重要な仕事の一つとなっている。

具体的には、疑問を持ち、問いを明確に立て、解決を模索し、具体的な計画を立案・実行し、成果の可否に応じて次の行動を検討する。作業療法士の仕事はこのようにして成り立っている。

問題解決技能は作業療法士の仕事の中でとくに重要な技能えあるといえる。

生活上の困難を抱える人の支援者

作業療法士は、対象となる方が、自身の身体を最大限活用して、その人が望む生活作業仕事の再構築をすることを支援するのが仕事である。

作業療法士は、単に、無目的な身体機能回復に終始するのではなく、その人の人生にとって重要度の高い、その先の作業活動参加の拡大を見据えた支援を行うのが仕事である。

そのためには、より広い知識と個人個人の人生に対する理解が欠かせないことを作業療法士はわすれてはいけないし、作業療法対象者の方には、そのための要求をどんどんとすべきである。

完全に元に戻るを支援する

事故や病気などで、一時的にからだがうまく使えなくなることがある。

典型的なものに、骨折がある。

こうした状態は一時的に可能な作業が制限された状態となるが、適切な処置をして、エビデンスに基づく各種リハビリテーションを適切に行えば、身体機能は以前とかわらない水準まで回復する。一方で、必要な介入をせず、その結果として活動性が低下することは、その人の機能が低下した状態が恒常化して、人生の作業が阻害されることになる。

社会にとっても、これは大きな損失であるし、個人にとってはとんでもなく大きな機会損失であるので、社会としてこの過程をきちんと支援をしなければならない。

うまく使えない状態から、うまく使えるようになるまでの状態をシームレスに支援することに作業療法作業療法士は役立つ。

元に戻らないを支援する

重度の怪我や疾患によって、以前行えていたことが、機能的に全く不可能になることがある。

そのような状態に置かれた人は、絶望ともいえる衝撃を受けることになる。

生活をゼロベースで再構築することが必要になる。作業療法士は、その再構築と問題解決を支援する。

どんどんできなくなる支援する

進行性の難病は、人からどんどん作業を奪う。喪失体験の連続である。

がん認知症などの絶望は計り知れない。こうした疾患においても、身体的な障害は確実に出現する。

身体的な障害が重度になっていくことによって、どんどんできることが減っていく。作業剥奪の状態が進行する。

たとえそのような状態になっても、とても前向きに明るくいきていくことができる人たちがいる。

その人たちに助けられながら、作業療法士はともに寄り添って生きていく。

また、前を向けないひとといっしょに共に在る。

変われるのに変われない人を支援する

能力はあるのになぜかできない、変われない人がいる。

現代社会においては、そうした人たちの困りが際立ってきている。

そういう人たちを支援するツールの一つとして作業療法は重要である。

そして、作業療法士はそうした人々を支えることができる専門性とスキルを持つ。

制度がなくても働ける作業療法士の専門性

作業療法士の力の根底を保証するのは、学び続ける力、学習能力、知識技術の更新能力、それらの活用にある。

これによって各種のマネジメントや多職種との協業連絡が可能となり、対象者の生活上の困難を本質的に解決しうる。

作業療法士は、与えられた圧倒的自由度の中で必要なものを見極め選択し、与えられた裁量を活用して、少ない介入で大きな変化を生み出しうるスキルを保有していることが必要である。

そのため、システム論などを実践の中に生かすような、学びを実現につなげる力こそが作業療法士として価値を生み出していくために必要なものである。

つまり、作業療法士は現場から学び続けて、PDCAサイクルを常に回している状態といえ、それこそが作業療法士の専門性であるといえる。

近年増えている、保険制度外で作業療法士の専門性を活用して活躍している人たちの専門性は上記の部分にある。

日本での国家資格としての作業療法士

日本における作業療法士養成課程の修了を経て、作業療法士の国家試験に合格して国家資格を得て働いている人のこと、またそのように働く資格を持っている人のことを言う。

日本における法的根拠は理学療法士及び作業療法士法である。

この意味において、作業療法士はOTR(register occupational therapy )とよばれ、国に登録されている作業療法士という意味である。

つまり、病院院等で働く作業療法士は保険点数の関係なども考えるとOTR であり、日本においてOTR と作業療法士は同じ意味でまた用いられる。

日本における作業療法士は名称独占

作業療法士は名称独占であり業務独占ではない。

そのため作業療法士と言う名前を用いて業務をすることはできないが、作業療法士を名ならなければ資格なしでも同様の業務に従事することが可能である。

つまり、作業療法士を名乗らなければ、無資格でも作業療法士と同じ業務内容をして成果を出す事は認められる。

これは無資格者に、注射等の医療行為が認められないのとは異なる。

もし、各種保険制度の枠組みの外側で働くならば、あるいは身近な知人を対象者とするなら作業療法士の国家資格は必要ないと考えることもできる。家庭で自分や家族に対して作業療法的な手法を用いる事は全く問題ないと言うことである。

一方で、当然保健などの制度の範囲内で、働くことはできない。

国家資格である作業療法士の専門性

それでもなお、作業療法士と言う職業が必要とされていることが、作業療法をきちんと行おうと思えばそれなりに専門的な知識や技術が必要であると言うことの1つの証拠になっている。

業務の方向性

作業療法士は、対象となる人が希望する作業を行うことが可能となるように、作業遂行能力を評価し、必要な支援介入を行ったり、逆に治療的に良い効果や良い状態となることを意図して、対象者にアクティビティを用いた治療効果を提供することがその業務内容である。

上記業務を作業療法士が行うためには、評価するべきことが非常に多岐にわたるだけでなく、これらの情報を統合して、解釈し、実施する内容を具体的にプランニングすることが必要である。また、求められたときに対象者や第三者にわかりやすくそれを伝える説明責任がある。

業務の背景にある情報の膨大さ

人間の生活やその中の生活行為作業に焦点化する以上、対象となるシステム論上の変数が膨大となることは避けようがない。

そのため、必要十分な情報を扱い、よりよい提案を繰り返し行うためには、それなりの力量と専門的な考え方どうしても不可欠になるということになる。

無意識にやっていることに対して意識的にまなざしや学びを向けることを「めんどうだ」と思う人も少なくないことや誤った認知や文脈で論理性を欠いた決めつけなどでは、かえって治療上の逆効果になるような身体負荷を選択するひとも少なくないことから、そのような過ちをおかさずして再獲得や再構築を行うにあたっては、正しく必要十分な知識や情報を踏まえた評価に基づいて介入をおこなう必要があり、保険内業務の作業療法士の専門性はまさにそこにあるといえる。

エビデンスに基づいた、論理的な介入によって治療効果が期待できるアプローチ、介入、リハビリテーションを行うことができることが、作業療法士の専門性である。

作業療法士になる方法

作業療法士になるには作業療法士養成課程を卒業し国家試験に合格する必要がある。

詳細は、 作業療法士になるには をご参照ください。

作業療法士と卒後教育

作業療法では、作業を治療手段として用いる。


作業とは、日常人が行なっている生活行為である。


普通で当たり前のことを治療的に用いることは、単純そうに見えて難しく、作業療法士養成課程を卒業後も卒後教育を欠くことが出来ない。


つまり作業療法士に必要な知識技術は、作業療法士養成課程だけでは十分に獲得することができない。


この育成コストの高さから、質の高い作業療法を行うことができる作業療法士の育成は本人のやる気の要素に極端に依存しているのが現状である。


逆に同じ作業療法の資格を持っていたとしても、また、就労年数が同じでも、勤務上の経験や作業療法士本人のやる気等の要因によって、作業療法士間でできることやスキルに大きな開きがあるのが現状ではある。


この点は多くの職人的側面を有する職業と同じと言える。


作業療法士の働く場所

あそこにもここにも実は作業療法士はいる。

病院や、特別養護老人ホームなどである。

あるいは、地域包括支援センターなどである。

実はたくさんある。

より詳しくは、作業療法士の就労を参照


これからの時代における作業療法士の使命

現代の作業療法士の多くは保険点数や各種社会制度を利用して、国の税金や制度をあてにした仕組みの中で働いている。

これは作業療法士が安定的に一定の成果を社会に供給できる一方、その制度の枠組みを超えた取り組みや成果への挑戦が困難と諦める作業療法士は多い。

ともすると、作業を用いない作業療法士というよくわからない存在になってしまっている。

作業療法士の生活の糧となる一方で、本来の作業療法が社会に対して出来うる貢献とはことなる形での仕事を行なっている状態である。

そういう仕事はそういう仕事をする方々に任せて、作業療法士は本来自分が行うべき仕事をおこなわなければならない。

すなわち、作業療法士は、古くて新しい価値観を社会に提案しなければならない。

人が作業に取り組むこと、作業と向き合うこと、作業を通して自分の人生と向き合うことは人とその人生を根本から変化させる。

作業は、人がこれからの時代を生きるために必要な、さまざまな要素を人に与えうる。

人が人らしく生きるためには、作業が必要であると社会に対して実例をあげて提言しつつづけることが、これからの作業療法士の使命である。

そのためには、既存の枠組みをこえて作業療法士が必要なだけの支援ができるように、顧客から必要とされることが必要である。

作業療法士はどんなことができるのかを、積極的かつ具体的な形で社会に対して提言すると同時に、どんどん既存の枠組みを超えた新しいサービスを実現していくことが必要である。


作業療法士という仕事のビジネス化

作業療法の本質的な価値を作業療法士が提供するには、作業療法士が自らの責任で作業療法の本質的価値を対象者に提供できる程度の専門性があればそれでよい。

例えば、既存の枠組みを必要とせずとも、作業の本質的な価値を、それを必要とする人に届けられる程度の実力である。

そのための指標の一つが作業療法士という仕事を「医療の枠外においても、一つのビジネスとして広げていけるか」ということである。

その程度に作業療法の概念が社会にとって一般的になることが、上記の使命にも叶うことになり、現在の作業療法が行き届いていない部分にリーチできる可能性を十分に高めることになる。

作業療法のアイディアが世の中に浸透することが、既存の作業療法の枠組みを対象者の方がうまく使えるようになることに寄与する。

作業療法士はそこへの貢献が求められており、そのためには既存の枠組みを超えることを、社会に要請されていると言える。

このためには作業療法がより一般的になることが重要であり、そのための手段の一つとして、ビジネス化は極めて有効であるといえる。

サービスに対して、市場の機能が健全に働くことは、そのサービスの全体が拡大することを意味するからである。

しかし、ビジネス化は邪悪化のリスクとも隣り合わせである。

ビジネス化は、くれぐれも良心を備えた作業療法士によって成し遂げられなければならない。

作業療法士と起業

ビジネス化には起業が有効である。

デイサービス就労移行支援施設などさまざまな施設を起業している作業療法士がいる。

プレイヤーとして、経営者として、さまざまなタイプの作業療法士がいる。

全く違う業種に作業療法士としての視点・アイディアを持ち込んで起業している作業療法士もいる。

起業に興味がおありでしたら、起業の項目を参照、というか誰か書いて欲しい。

作業療法士はどんどん起業するべき。

そのためにも、作業療法士は金銭面のリテラシーも十分に高めておく必要がある。

参考