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しかし、臨床的には日常的に用いられる言葉であるため、非常に重要な言葉であるといえる。 | |||
==しびれという言葉に含まれる医学的意味== | |||
「しびれ」という言葉は多義語である。下記のような意味が含まれる。<ref name="shibirewomiru" /> | |||
<blockquote>感覚過敏(hyperesthesia: 与えられた刺激を強く感じる), | |||
異痛症(allodynia: 痛みを起こさないような軽微な刺激を強い痛みとして感じる), | |||
感覚鈍麻〔hyp(o)esthesia: 与えられた刺激を鈍く感じる〕 | |||
感覚消失(anesthesia)<cite>[http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse3150.pdf しびれを診るーエキスパートアプローチ]</cite></blockquote> | |||
==しびれという言葉の臨床的重要性== | |||
医学用語でもないのに、しびれという言葉がなぜ重要かというと、作業療法の対象者をはじめとした、病院や施設の利用者の方が「しびれがあるんです」などの形で「しびれ」ということばを常用するからである。 | |||
そのため、作業療法においては、作業療法士はその対象者のかたがどのような意味合いで「しびれ」という言葉をつかっているのかということについての分析が行えることが非常に有意義となりうる。 | |||
つまり、しびれという言葉がどのような意味合いを内包する多義語であるのかについての知識は臨床的に重要であるということが言える。 | |||
==しびれを分類するための言葉== | |||
「ピリピリ」、「じんじん」 といった外界からの刺激に対応しないのに発生する感覚が代表的 | |||
その他「針で刺すように」など、断続的かつ継続した刺激を表現するようなひょうげんが用いられることが多い。 | |||
感覚鈍麻については「しびれてよくわからない」という表現がよくつかわれる。 | |||
例えば、失調のある方が足底感覚が不明瞭なことを指して「足がしびれる」という表現を用いることがある。 | |||
===質問・問診=== | |||
しびれがどのような性質のものなのかについては、 | |||
いつしびれがはじまったか | |||
どのくらいの期間継続しているのか | |||
持続するか、断続的か | |||
どのような時にしびれを感じることがおおいか | |||
その他心当たりがあるか | |||
などによって、医師が多角的に検討することになる。 | |||
==典型的な疾患== | |||
しびれが主訴になりうる典型的な疾患は下記のようなものがある | |||
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==神経からみるしびれ== | |||
しびれは、末梢神経から中枢神経へと感覚の情報が伝達される経路上の問題ととらえることができる。 | |||
このような視点においては、[[感覚神経]]についての理解がしびれを理解する上では不可欠となる。 | |||
[[感覚神経]]については、[[感覚神経]]の記事を参照のこと。 | |||
==薬剤性のしびれ== | |||
薬剤の副作用や、そもそもの薬効によってしびれが発生することがある。 | |||
[[麻酔]]などが、意図的にしびれを生じさせる薬剤に該当する。 | |||
==しびれの原因となりうる疾患や外的ストレス== | |||
血管圧迫等による神経への血流低下にともなうしびれ | |||
外傷による神経損傷 | |||
ALS等の神経損傷型の難病による神経損傷 | |||
神経経路の圧迫 | |||
蜂窩織炎など神経への感染症 | |||
神経炎症および脱髄 | |||
代謝異常や栄養失調 | |||
==参照== | ==参照== | ||
<references /> | <references /> |
2022年6月3日 (金) 11:07時点における最新版
しびれ(痺れ)とは、日常語・一般語であり[1]、厳密な医学用語ではない。
しかし、臨床的には日常的に用いられる言葉であるため、非常に重要な言葉であるといえる。
しびれという言葉に含まれる医学的意味
「しびれ」という言葉は多義語である。下記のような意味が含まれる。[1]
感覚過敏(hyperesthesia: 与えられた刺激を強く感じる),
異痛症(allodynia: 痛みを起こさないような軽微な刺激を強い痛みとして感じる), 感覚鈍麻〔hyp(o)esthesia: 与えられた刺激を鈍く感じる〕
感覚消失(anesthesia)しびれを診るーエキスパートアプローチ
しびれという言葉の臨床的重要性
医学用語でもないのに、しびれという言葉がなぜ重要かというと、作業療法の対象者をはじめとした、病院や施設の利用者の方が「しびれがあるんです」などの形で「しびれ」ということばを常用するからである。
そのため、作業療法においては、作業療法士はその対象者のかたがどのような意味合いで「しびれ」という言葉をつかっているのかということについての分析が行えることが非常に有意義となりうる。
つまり、しびれという言葉がどのような意味合いを内包する多義語であるのかについての知識は臨床的に重要であるということが言える。
しびれを分類するための言葉
「ピリピリ」、「じんじん」 といった外界からの刺激に対応しないのに発生する感覚が代表的
その他「針で刺すように」など、断続的かつ継続した刺激を表現するようなひょうげんが用いられることが多い。
感覚鈍麻については「しびれてよくわからない」という表現がよくつかわれる。
例えば、失調のある方が足底感覚が不明瞭なことを指して「足がしびれる」という表現を用いることがある。
質問・問診
しびれがどのような性質のものなのかについては、
いつしびれがはじまったか どのくらいの期間継続しているのか 持続するか、断続的か どのような時にしびれを感じることがおおいか その他心当たりがあるか
などによって、医師が多角的に検討することになる。
典型的な疾患
しびれが主訴になりうる典型的な疾患は下記のようなものがある
糖尿病、慢性腎臓病、HIVやライム病などの感染症、脳卒中[2]
神経からみるしびれ
しびれは、末梢神経から中枢神経へと感覚の情報が伝達される経路上の問題ととらえることができる。
このような視点においては、感覚神経についての理解がしびれを理解する上では不可欠となる。
薬剤性のしびれ
薬剤の副作用や、そもそもの薬効によってしびれが発生することがある。
麻酔などが、意図的にしびれを生じさせる薬剤に該当する。
しびれの原因となりうる疾患や外的ストレス
血管圧迫等による神経への血流低下にともなうしびれ
外傷による神経損傷
ALS等の神経損傷型の難病による神経損傷
神経経路の圧迫
蜂窩織炎など神経への感染症
神経炎症および脱髄
代謝異常や栄養失調