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〈5〉積極的に運動していない――というサインがあります。3項目以上が当てはまればフレイル、1~2項目でも予備軍とされます。 | 〈5〉積極的に運動していない――というサインがあります。3項目以上が当てはまればフレイル、1~2項目でも予備軍とされます。 | ||
<cite>[https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210420-OYTET50016/ 幸福長寿のすすめ(2)「半年で体重2キロ減」「青信号で渡りきれない」…フレイルの兆しに気をつけて-yomi.DR]</cite></blockquote> | <cite>[https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210420-OYTET50016/ 幸福長寿のすすめ(2)「半年で体重2キロ減」「青信号で渡りきれない」…フレイルの兆しに気をつけて-yomi.DR]</cite></blockquote> | ||
==フレイルの概念はなぜ必要とされたか== | ==フレイルの概念はなぜ必要とされたか== |
2021年5月10日 (月) 01:38時点における版
今が大切。回復可能性という意味で。
概要
高齢者の虚弱性のうち、正しく介入することで回復が見込めるもの。
フレイルという言葉は、2016年頃に医療福祉の業界に現れた比較的新しい言葉である。
早期に適切な介入ができることで、要介護を防止することができると言われている。英語の「Frailty」をもとにした造語である。日本老年医学会が用語の策定に関わった。[1]
フレイルの基準
下記の項目3つ以上に当てはまればフレイル 1〜2個でも予備軍とされる[2]
〈1〉半年間で意図せず体重が2キロ以上減った
〈2〉ペットボトルの蓋を開けられないほど力が弱くなった
〈3〉疲れやすくなった
〈4〉横断歩道を青信号のうちに渡りきれないほど歩くのが遅くなった
〈5〉積極的に運動していない――というサインがあります。3項目以上が当てはまればフレイル、1~2項目でも予備軍とされます。
フレイルの概念はなぜ必要とされたか
これは、早期の段階で問題点にアプローチすることが、医療経済学的に有効であると考えられるようになったためである。
高齢者の虚弱性は、加齢とともにおこる自然なもので、仕方のないことであると考えられる傾向にあった。また、高齢者人口の増大、長寿化の結果としての医療費や介護費は社会全体として増大する傾向にある。
そうした予想予見から、高齢者の虚弱性に関する過程を分析したところ、健康と要介護に至る「中間的な状態」があること重要視されるようになった。これが「フレイル」と名付けられることとなった。事実、そのような状態に対応することが、要介護者の急激な増大に対処するために重要である。
つまり、フレイルという言葉は、高齢者の虚弱性は実は対処可能であるということを印象付けることの必要性から生じた言葉であり、また同時に、少子高齢社会という背景ががフレイルという言葉が必要とすることになった最も大きな要因であると言える。
フレイルは虚弱と違う意味が意図されている
上記にも触れたように、フレイルという言葉は改善可能性を強調している。
フレイルは「虚弱」を置き換える形で導入されている。
それは、単なる虚弱ではなく、正しい治療や介入によって状態を改善することができるものを指している。
必要なフレイル対策
認知症のMCIと同様に、早期に対応すれば症状の急激な悪化が防止できるという仮説に基づいている。
基本的には、活動性が低下しないように気をつけることが有効な対応とされている。
認知症の対策ともかさなるところは多く、運動や社会活動への参加が重要であるとされている。
フレイル対策で重要な要素
約5,000人を2年間追跡調査し、フレイル脱却には「高い主観的健康感」「運動系社会参加活動」が重要であることが示された。[3]
フレイル脱却に影響する独立した因子として「高い主観的健康感」、高齢者サロンでの運動や体操教室への参加など「運動系社会参加活動」が重要であること。
フレイル脱却者は「近隣住民との交流が強い」「住んでいる地域への信頼が強い」「社会参加活動を行なっている」ことなどが主要な因子であることが分かり、その構成概念は「活動的な地域活動を行うための個人レベルのソーシャルキャピタルの強さ」と解釈。
社会とフレイル
COVID-19との関連
新型コロナウィルス感染症は、高齢者においては感染の危険性だけではなく、家に閉じこもることによる健康への悪影響が懸念されている。[4][5]
実際にそうした事例報告も上がって来ている[6]
田中さんはこの時の状況を振り返る。 「自分の体が衰えていたことに気がつきませんでした。本当にショックでした。ふだんの何気ない活動が、自然に運動につながっていたとわかりました」コロナフレイル~高齢者を襲う第二の禍~ NHK 2021/04/7
同記事では、体力面のみならず、認知機能面における影響も報告されている。調査では60代以上で「同じ事を何度も聞いたりもの忘れが気になったりするようになった」と答えた人の割合を比較した結果、COVID-19の前後で、約2倍に増えているという。[6]
また、介護度の重度化が加速することも印象付けられている。
齊藤和子さん(87)は去年夏、買い物に行くために財布と購入リストのメモを用意した。出かけてしばらく歩くと机の上に両方とも置き忘れてきたことに気がついた。感染拡大前は地域の合唱団に所属し、週に1、2回、仲間と一緒にコーラスを楽しんでいたが、合唱団は去年3月に活動を休止した。
齊藤さんは自宅に閉じこもりがちになり、1日中、誰とも話さない日が多くなったという。
去年9月、市の地域包括支援センターに相談し「要介護」の一歩手前の「要支援」と認定された。現在はデイケアセンターに通っている。コロナフレイル~高齢者を襲う第二の禍~ NHK 2021/04/7
作業療法士と作業療法は改めて、作業が人を元気にしているのだということを、社会に声を大きくして投げかける必要がある。
なお、上記の記事中では、フレイル対策として下記の内容が提唱されている。
- 人混みを避けて散歩する
- 自宅でスクワットやもも上げなどの運動を行う
- 食事をしっかりとる
- 笑顔を忘れない