死
死という言葉は、物理的なものから、メタファーまで幅広い事象に用いられる言葉である。作業療法にはそのどれもが重要である。
生物学的死
生命が、連続的な生命維持に関連する活動を停止した状態。
よりマクロに見れば、恒常性、ホメオスタシスがうまく働かなくなった状態とも表現できる。
ある動物が、心臓が動かなくなったり、神経の活動が途絶えて、個体としての生命活動が継続できなくなること。
人間の死
人間の死は、医療の現場においては基準を設けて定義されている。
法律上は、誰の目にも明白に死んでいる人であったとしても、人間の死を診断できるのは医師のみである。
死亡診断には、明確な手順がないようであるが、インターネット上では
多くの場合、睫毛反射・対光反射(直接反射、間接反射)の消失、胸部聴診(心音・呼吸音の確認)、橈骨動脈・頸動脈の触診をおこない、心電図モニターで脈拍がゼロで平坦であるのを確認
[1]
という記述を参考にすることができた。
脳死
脳死は、不可逆的に脳が死んでいる状態で、身体は人工心肺などの力を借りて維持されている状態である。
しかし、脳は不可逆的に死んでいるので、決して回復することはないと断言できる状態である。
脳死は極めてデリケートな問題である臓器移植に関連するので、かなり厳密に死亡診断が定められている。
日本臓器移植ネットワークのホームページによれば、
「深い昏睡にあること」、「瞳孔が固定し一定以上開いていること」、「刺激に対する脳幹の反射がないこと」、「脳波が平坦であること」、「自分の力で呼吸ができないこと」の5項目を行い、6時間以上経過した後に同じ一連の検査(2回目)をすることで、状態が変化せず、不可逆的であることの確認をします。なお、6歳未満の小児は脳死判定を24時間空けて行います。
以上、6項目を、必要な知識と経験を持つ臓器移植に無関係な2人以上の医師が行います。
[2]
とある。