桃太郎

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日本を代表するファンタジーの一つ。なお、以下ネタバレ注意である。

あらすじ

老夫婦のもとに、桃を介して突然若者が誕生。

その若者が、壮健に成長した結果、社会に仇なす鬼を駆逐するため、きびだんごという資本を用いてマンパワーを雇用し、それらを用いて鬼から財産を没収し、地元民に配布するという物語である。

めでたしめでたし。

童謡

歌も一般的で最も馴染みのあるもののひとつである。

1 ももたろうさん ももたろうさん お腰につけたきびだんご 一つ私にくださいな

をはじめとして、分捕り物をえんやらやするまである。

戦時下教育との関連

勧善懲悪もの単純な構造を有していることから、鬼を敵国になぞらえて、学校教育で敵と戦い征伐をおこなうことは良いことである、つまり日本が戦争によって諸外国を矯正することはすばらしいことであるという軍国教育や愛国教育の一教材として重用されていた過去がある。

教訓

寓話として見る時、物語からは以下のような教訓をえることができる。日本人の無意識のメンタリティを悪意を持って考察する時、いろいろとみえてくるものがある。

暴力は現状変更を試みる時の手段として用いられうる

桃太郎は武力によって、鬼に改心を迫り、財産を没収する。

暴力には現状を変更することを、その暴力に屈しうるような存在に強いることができるということを端的に表現している。

財産は無関係なものを巻き込む力がある

猿、犬、キジは、それぞれ、きびだんごにつられて家来になる。

これは、金にものを言わせれば動かない存在があると同時に動く存在が世の中に確実に存在するということを表現していると解釈できる。

金に貴賎はない

鬼がどのようにして蓄財したのかよくわからない財産を、没収して活用を試みている。

金は使えれば金であり、それらがどのようにして集められたかということは些末な問題である。

雇用者の側はブラックかどうかなんて気にしない

きびだんご3つで、命をかけて闘う3の兵力が得られるというのは、雇用する側からみると大した経済性であるが、雇用される側からみると福利厚生があまりにお粗末であると言わざるをえない。

うち死にしたとしても、残された家族への保証などについても殊更明確に述べられてはいない。

戦闘で最前線に立つのはいつだって若者

おじいさんとおばあさんは家で普通に暮らしている。

戦闘作戦を遂行するのは、いつの時代も若者である。