見当識

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臨床上極めて重要。

「ここはどこで、今はいつで、私は誰」といった、世界に自分自身を位置付ける能力のこと。

一般にこの能力が障害されていると、当事者の不安は一般に高まりやすい。

そのため、見当識が障害されている人は、その不安に影響をされた周辺症状も出現しやすくなる。

作業療法士と見当識

見当識は、作業療法士にとって極めて基本的な評価の要素である。

作業療法士は、会話の中で対象者の見当識障害を評価することが多い。

そして、その評価に基づいて、生活を組み立てるにはどのような支援やツール、あるいは練習や訓練が必要になるのかを組み立てる。

見当識障害と疾患・受傷との関連

見当識障害が起こるような疾患・受傷には以下のようなものがある。

認知症

脳卒中

頭部外傷


などなどであるが、脳にダメージを受けるような疾患や受傷において、見当識障害が発生することが多い

日常生活と見当識障害

日常生活生活において見当識が障害されると、様々な困難が生じる。

場所の見当識障害

今自分がどこにいるのかがわからないので、迷子、行方不明になるリスクが極めて高い。

そのため、誰かの付き添いや、GPS機能のある端末の所持が欠かせない。

時間の見当識障害

日常生活リズムが安定しないことにつながる。

そのため、他者からの介助が必要な場合において、介助者の普段が非常に大きなものとなる可能性がある。

方向の見当識障害

場所の見当識障害とも重複するが、より重症化した場合には今自分がどの方向を向いているのかという空間の把握も困難となる。