日本の作業療法業界の問題
顧客の利益を追求するにあたって、日本の作業療法の諸問題は解決されなければならない課題である。
それらの課題について、情報化整理した上で共有し、問題解決につなげることを試みる。
どこの医療福祉にもあるわけではないし、以下のような問題と無縁の素晴らしい経営をされているところもあるであろうが、そうでないところもあるということでその改善に向けての動きを作り出したいという意図でこの記事は書かれていることにご理解をいただきたい。決して誰かを攻撃する意図はなく、あくまで顧客利益を最優先に考えての記事内容である。
作業療法の顧客がサービスの要求が十分にできない件
作業療法は、一種のサービス業であり、飲食店などと同様にサービスの質が向上するためには、顧客からの厳しいフィードバックが働き方に反映されなければならない。
しかし、作業療法の対象者が作業療法に対して自らが必要とするものを、主治医等に十分に要求できているとは言い難い。
この原因の一つには、医師や作業療法士に対して、リハビリテーションの内容を厳しく指定・要求できる程度に作業療法に関する情報が一般に流通していないことがある。
作業療法士としての働きづらさの原因となっており、顧客である作業療法対象者がしっかりと主治医作業療法士に自らが必要とするものを、現実を踏まえて要求できるような情報提供をotwiki.orgを通じて行っていくことを考えている。
作業療法士が作業療法よくわかってない問題
どこの世界に自分の仕事の業務範囲や本質的価値が不明確なままプロフェッショナルを名乗れる仕事があるだろうかと考える時、そのような仕事は存在しない。
作業療法士の仕事は国家資格であり、当然臨床の現場においては、プロフェッショナルとしての振る舞いが要求される。
にもかかわらず、作業療法士の中には作業療法という仕事を自分で規定できないままに漫然と与えられた仕事をこなすだけで、十分仕事をしていると思っている人が確実に存在する。
このような人々は、自分自身が何を学び、どのような結果を出せば良いのかが明確でないので、顧客利益を高めるための精神的コストが非常に高くなりがちである。
また、顧客の側としても、自分がどのようなリハビリテーションが受けられるのかについての十分な説明が受けられないことにつながりかねず、そうした意味でも不誠実と言わざるを得ない。
作業療法士は、作業療法とはなにか、特に自分が行おうとしている作業療法とは何かということについてしっかりと理解し、それを顧客に対して伝達する説明責任がある。
その説明責任が果たせることが最低限のプロフェッショナルとしての作業療法士の責務である。
作業療法士が作業できない問題
作業を使わない作業療法士が作業療法士として働くことでお給料をもらえているのは、需要と共有の問題なので現実としてはアリである。
しかし、作業を導入した方が効果的に治療介入が進められるような状況下において、積極的に作業を用いた介入ができないのは、確実に作業療法士の技量不足である。
必要に応じて、スピード感をもって治療の中で作業を活用するためには、作業療法士が作業に習熟することが必要である。
そのためには、対象者の評価と並行して、作業分析が適切にできて作業を使いこなせる必要があり、そのためには作業療法士自身がその作業を実践してみることも時に必要である。
業務の中で果たしてそれがどこまでできるのか、十分にそれができるような業務運営がなされているのかについては、多面的な議論が必要である。
作業療法士が他職種と連携できない問題
作業療法士単品で、対象者の生活の向上に寄与できることは、かなり限定的であり、他職種との連携や相乗効果が欠かせない。
その連携ができないということは、本来期待される相乗効果がまるきり発揮されないということであり、機会損失である。
顧客利益を考える時に真っ先に改善されなければならない問題である。
作業療法士なんでもやりすぎ問題
作業療法士は、なんでもできる方が良い。
しかし、なんでもやるのは間違っている。
言われたことは、なんでもやりがちである。
それは間違っている。
なぜなら、リソースは有限だからである。
作業療法士がきちんと顧客の満足のいく結果を出そうと思ったら、そのために戦略的にリソースを使わなければ、全てが中途半端になってしまう。
だから、作業療法士が、できるからと言って、あれもこれも全てのことがらをやってしまうことは、間違っている。
作業療法士養成課程の問題
作業療法士養成課程の項目を参照のこと。
作業療法士に要求される能力水準が高い問題
作業療法士として問題解決するとき、必要となる知識背景は膨大であるし、時間あたりに処理すべき情報量も多く、評価も介入も戦略的に行わなければなかなか結果につながらない。
はっきり言って、しっかりと仕事を完遂する為に要求される能力水準は給与水準より高い。
そのことについて十分周知がされないままに、作業療法士としてはたらいていてもミスマッチに気づけないままに働き続ける人もいる。
やりたい人が自発的に行う成果に依存しているところも大きく、一旦作業療法士の資格を取得して働いていても、給与水準への不満から離職することもあり、作業療法士に支払われる報酬に関するシステムは見直されることが顧客利益の継続的確保にとって大変重要である。
必要能力水準に対して給与が低すぎる件
上記のように作業療法士として現実問題要求される仕事を実際行うには、定時に帰れないくらいの業務量と、業務内容の質が要求されるが現状はその水準を満たすだけの給与は、多くの病院施設では得られない。
基本的に、サラリーマン形式で働くことになっているのがその理由である。
歩合で、個人事業主的な形で働くようであれば、結構な金額になるはずであるが、そんなことにはなっていないので、本当に優秀だがお金が必要な人たちが業界から流出したり、起業したりしがちである。
起業することは悪いことではないが、普通の医療保険や介護保険の枠組みの中で働く人材があまりに痩せ細りすぎるのは、いわゆる普通の市民のためにはならないし、多くの顧客は普通の市民であることを考えると、大きな意味で顧客のためにならない。
給与が低すぎる問題については、作業療法士が計算に強くなってきちんと経営マネジメント層と交渉できるだけの、実力と顧客集客力を身につけることが大切である。
要するに、実力とセルフブランディング能力が必要である。
これに、教育や同僚や部下をマネジメントする能力が十分に加われば、給与の交渉は十分に可能である。
労働の質が十分作業療法対象者を満足させるに足るものである時、その給与は絶対的に十分でないことの方が多いはずである。
作業療法士IT弱い問題
もちろん例外はあるにせよ、そして若年層はその批判が当たらないにせよ、作業療法士としてはたらく人の多くはITに対する知識が不十分である。
生活支援のツールとして非常に大きな可能性を秘めているので、すべからくOTはITを使いこなせる必要があるが、とてもではないが全ての作業療法士が今すぐにその水準に至れるような状況ではない。
よって、ITを使った支援が可能な作業療法士の数を徐々に増やしていくことが現実的である。
otwiki.orgでは可能な限り、情報提供をおこない、ITを活用できる作業療法士の数が増えるように支援を行っていく。