がん

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がん、とは悪性腫瘍と同義語であり、癌とは別の集合である。(癌∈がん)

がん、悪性腫瘍とは、腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののこと[1]

細胞分裂が制御できなくなり、体の恒常性や生存に必要な機能を脅かしたり、異常な疼痛を発生し、多くの場合は自然治癒が困難である疾患で、放置・進行すると全身に広がることで死亡リスクを急激に高める。ただし、年齢によっては進行は緩やかで、発見後も生活上ほぼ深刻な影響が生じない状態で人生の終わりまで過ごすことが出来ることもある。

ひとことに「がん」と言っても、どのような細胞由来なのか、罹患発症の年齢など、さまざまな要因によって病態は個々にことなる疾患であるという点も、「作業療法」的には重要な側面であると言える。

その人にとって、その「がん」がどのようなものであるかということを、わかろうとすることを作業療法士は大切にしなければならない。

分類

「がん」という言葉のなかには、癌腫や肉腫、血液がんが含まれる。

また、医学的には、ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する癌腫として使われる。[1]

ライフステージとがん

年齢、とくにライフステージによって、どのようにがんとむきあうかということは、大きく異なる可能性がある。

比較的若い人(AYA世代などと呼称される)にとっては、がんという病気は深刻な結果をもたらす可能性が高いイメージがある。

逆に、超高齢者(90代以上など)の場合には、がんが発覚しても積極的に治療を選択しないこともある。

このように、がんという疾患は、個別性が高い疾患で、経過も一般化することはむずかしい。

確かなのは、誰かに効果的な治療が、同じがんの患者に効く保証ができるような治療というのは、現時点では存在しないということである。積極的治療のための薬剤や治療法には副反応がつきもので、それらについても、事前に納得や理解が必要であるし、治療を開始した後の精神的な動揺へのサポートも非常に重要となる。

自分がどのような疾患になったのかということを当事者が理解し、本人が自分の意思で自分の今後の経過を選択していける一助となれるよう作業療法士は、関わる必要がある。

参考

  1. 1.0 1.1 [https://ganjoho.jp/public/knowledge/basic/index.html がんという病気について:国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ