理学療法士及び作業療法士法

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日本の作業療法士国家資格の根拠となる法律について

法令番号

昭和40年法律第137号

条文

作業療法関連の条文についてのみ抜粋する。

第一章 総則

(この法律の目的)

第一条 この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 2 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主として その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

4 この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の 名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

第二章 免許

(免許)

第三条 理学療法士又は作業療法士になろうとする者は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。

(欠格事由)

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。 一 罰金以上の刑に処せられた者

二 前号に該当する者を除くほか、理学療法士又は作業療法士の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者

三 心身の障害により理学療法士又は作業療法士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者

(理学療法士名簿及び作業療法士名簿)

第五条 厚生労働省に理学療法士名簿及び作業療法士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。

(登録及び免許証の交付)

第六条 免許は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格した者の申請により、理学療法士名簿又は作業療法士名簿に登録することによつて行う。

2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、理学療法士免許証又は作業療法士免許証を交付する。

(意見の聴取)

第六条の二 厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第四条第三号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指 定する職員にその意見を聴取させなければならない。

(免許の取消し等)

第七条 理学療法士又は作業療法士が、第四条各号のいずれかに該当するに至つたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ずることができる。

2 都道府県知事は、理学療法士又は作業療法士について前項の処分が行なわれる必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に具申しなければならない。

3 第一項の規定により免許を取り消された者であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。 この場合においては、第六条の規定を準用する。

4 厚生労働大臣は、第一項又は前項に規定する処分をしようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

(政令への委任)

第八条 この章に規定するもののほか、免許の申請、理学療法士名簿及び作業療法士名簿の登録、訂正及び消除並びに免許証の交付、書換え交付、再交付、返納及び 提出に関し必要な事項は、政令で定める。

第三章 試験

(試験の目的)

第九条 理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験は、理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能について行なう。

(試験の実施)

第十条 理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験は、毎年少なくとも一回、厚生労働大臣が行なう。

(作業療法士国家試験の受験資格)

第十二条 作業療法士国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。

一 学校教育法第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者 (この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合におい て、 当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。) で、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科 学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した作業療法士養成施設にお いて、三年以上作業療法士として必要な知識及び技能を修得したもの

二 理学療法士その他政令で定める者で、文部科学省令・厚生労働省令で定める 基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が 指定した作業療法士養成施設において、二年以上作業療法に関する知識及び技能を修得したもの

三 外国の作業療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で作業療 法士の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前二号に掲げる者と 同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの

(医道審議会への諮問)

第十二条の二 厚生労働大臣は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験の科目又は実施若しくは合格者の決定の方法を定めようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

2 文部科学大臣又は厚生労働大臣は、第十一条第一号若しくは第二号又は前条第一号若しくは第二号に規定する基準を定めようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。

(不正行為の禁止)

第十三条 理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に関して不正の行為があつた場合には、その不正行為に関係のある者について、その受験を停止させ、又は その試験を無効とすることができる。この場合においては、なお、その者について、期間を定めて理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験を受けることを許さないことができる。

(政令及び厚生労働省令への委任)

第十四条 この章に規定するもののほか、第十一条第一号及び第二号の学校又は理学療法士養成施設の指定並びに第十二条第一号及び第二号の学校又は作業療法士養成施設の指定に関し必要な事項は政令で、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験の科目、受験手続、受験手数料その他試験に関し必要な事項は厚生労働省令で定める。

第四章 業務等

(業務)

第十五条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項 及び第三十二条 の規定にかかわらず、診療の 補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。

3 前二項の規定は、第七条第一項の規定により理学療法士又は作業療法士の名称 の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。

(秘密を守る義務)

第十六条 理学療法士又は作業療法士は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。理学療法士又は作業療法士でなくなつた後においても、同様とする。

(名称の使用制限)

第十七条

2 作業療法士でない者は、作業療法士という名称又は職能療法士その他作業療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。

(権限の委任)

第十七条の二 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。

2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

第五章 理学療法士作業療法士試験委員

(理学療法士作業療法士試験委員)

第十八条 理学療法士国家試験及び作業療法士国家試験に関する事務をつかさどらせるため、厚生労働省に理学療法士作業療法士試験委員を置く。

2 理学療法士作業療法士試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。

(試験事務担当者の不正行為の禁止)

第十九条 理学療法士作業療法士試験委員その他理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為がないようにしなければならない。

第六章 罰則

第二十条 前条の規定に違反して、故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下 の罰金に処する。

第二十一条 第十六条の規定に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第二十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 第七条第一項の規定により理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、理学療法士又は作業療法士の名称を使用したもの

二 第十七条の規定に違反した者

附則抄

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。ただし、第五章の規定は公布の日から、第十条の規定は昭和四十一年一月一日から施行する。

(免許の特例)

2 厚生労働大臣は、外国で理学療法士の免許に相当する免許を受けた者又は作業療法士の免許に相当する免許を受けた者であつて、理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能を有すると認定したものに対しては、第三条の規定にかかわ らず、当分の間、理学療法士又は作業療法士の免許を与えることができる。この場合における第六条第一項の規定の適用については、同項中「理学療法士国家試験又 は作業療法士国家試験に合格した者の申請により」とあるのは、「外国で理学療法 士の免許に相当する免許を受けた者又は作業療法士の免許に相当する免許を受け た者であつて、理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能を有すると厚生労働大臣が認定したものの申請により」とする。

(受験資格の特例)

3 この法律施行の際現に理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能を修得させる学校又は施設であつて、文部大臣又は厚生大臣が指定したものにおいて、理学療法士又は作業療法士として必要な知識及び技能を修業中であり、この法律の 施行後その学校又は施設を卒業した者は、第十一条又は第十二条の規定にかかわらず、それぞれ理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験を受けることができる。

4 この法律の施行の際現に病院、診療所その他省令で定める施設において、医師の指示の下に、理学療法又は作業療法を業として行なつている者であつて、次の各号に該当するに至つたものは、昭和四十九年三月三十一日までは、第十一条又は第 十二条の規定にかかわらず、それぞれ理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験を受けることができる。

一 学校教育法第五十六条第一項の規定により大学に入学することができる者又は政令で定める者

二 厚生大臣が指定した講習会の課程を修了した者

三 病院、診療所その他省令で定める施設において、医師の指示の下に、理学療法又は作業療法を五年以上業として行なつた者

5 前項に規定する者については、第十四条の規定に基づく理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に関する省令において、科目その他の事項に関し必要な特例を設けることができる。

6 旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校を卒業した者又は厚生労働省令の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められる者は、第十一条第一号及び第十二条第一号の規定の適用については、学校教育法第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者とみなす。

外部リンク

理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年六月二十九日法律第百三十七号)厚生労働省