パーキンソン病

提供:作業療法大百科事典OtWiki

当事者の方の心理的負担が大きい。周囲もそれをどう支えるかを悩むことが多い。

一方、症状が進行しない人もおり、個人差は大きい。

概要

中枢性疾患、難病、進行性

Lドパなど薬による治療が、非常に重要。

パーキンソン病 指定難病6 難病情報センター

4大症状

パーキンソン病に特徴的な症状として、「振戦」「動作緩慢」「筋強剛」「姿勢反射障害」がある。

出現の順序については、個人差があるが、統計調査では振戦が(53.6%)ともっとも多く、次いで動作緩慢(43.1%),筋強剛(9.8%),姿勢反射障害 (8.7%)となっている。[1]

作業療法士にできる生活面の支援

施設内でのリハビリテーション

概要がよくまとまっている資料が、無料で使用できる。

パーキンソン病の治療をしている方の日常生活を応援するリハビリテーションハンドブック.熊本機能病院 総合リハビリテーションセンター山永 裕明・中西 亮二・野尻 晋一


週間日誌の提案

パーキンソン病では、服薬調整管理コントロールによって大きくQOLが変化する。そこで、受診時に効率的に情報を共有したり、ケアマネジャーが状況を把握したり、本人自身が日々の生活課題の把握と改善に役立つので、一週間日誌などを記載できる方であれば、活用すると生活改善に大いに役立つ。

たとえば、下記のサイトから無料で入手できる。

パーキンソン病患者さんの1週間日誌 武田薬品工業株式会社パーキンソン病オンライン

生活面へのノウハウ

作業療法士と当事者の方が、協働して作成した、有益な資料が無料で参照できる。

パーキンソン病の方々と作業療法士からの提案-大阪府作業療法士会パーキンソンシンドローム研究会

新しい運動習慣などを構築していただくことで、筋肉が硬くなるのを遅らせることができる。

そのほか、総合的なADL面でのポイントを網羅したパンフレットが無料で入手できるので活用できる。

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

パーキンソン病の診断について

疾患自体の簡単な紹介も交えた、パーキンソン病の診断に関してよくまとまっている資料がある。

パーキンソン病ってどんな病気?-東京医科大学病院


パーキンソン病Q&Aと医師が公的な助成金で作ったパーキンソン病の網羅的な資料

ちょっと網羅的すぎるので、なかなか家族には進めにくいが、専門職同志で勉強会をするときの資料としてはとても活用できる内容になっている。

また、作業療法対象者から何等かの質問を受けた際に、Q&A集として参考にできる。

パーキンソン病の療養の手引き-厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)神経変性疾患領域における基盤的調査研究班

男女比

パーキンソン病の男女比は 1:1.47 で女性の方が多かった。[1]

指標

Hoehn-Yahr 重症度分類がよく使われる。

下記外部サイトがわかりやすい。

https://parkinson-smile.net/symptom/p6.html

投薬治療と副作用

パーキンソン病やパーキンソン症候群に対する薬は、よく効く時期には日常生活の質を向上する。

一方で、副作用が現れることもある。主治医と相談しながら適宜病気の状態に合わせて薬を調整することが重要になる。在宅では、医師や看護師はもちろん、介護保険サービスを利用しているのであれば、利用サービスの職員ないし、CMに相談することなどをとおして、臨機応変に状態変化に対応していくという考え方が大切である。

抗パーキンソン病薬に関連した問題症状と副作用については下記のようなものがある。[1]

日内変動は 37.3%,ジスキネジーは 16.8%,精神症状は 18.4%。いずれも罹病期間が長くなるとともに頻度も高くなっていた。

パーキンソン病のリハビリテーション

「筋強剛」において、特にリハビリテーションの継続が重要といわれている。

自覚症状がなくとも、筋肉がこわばることで関節の曲げ伸ばしが、ぎこちなくなっていきます。そのため、すべての動作(食事・着替え・寝返りなど)に支障が出るようになります。筋強剛・筋固縮を改善するためには、毎日こまめにリハビリを続けることが重要です。[2]

世界パーキンソン病デーは、欧州パーキンソン病協会(EPDA)と世界保健機関(WHO)がパーキンソン病の周知を図るため1997年に制定した。「An Essay on the Shaking Palsy」という論文を1817年に発表したJames Parkinson医師の誕生日である4月11日を世界パーキンソン病デーとし、2005年に赤いチューリップをパーキンソン病のシンボルとした。4月11日は世界パーキンソン病デー-medical Tribune

嚥下障害

パーキンソン病では病期の進行と共に嚥下障害が現れ,その頻度は晩期には 30~52% に達する。鼻腔栄養や胃瘻を設置されていたものは6.6% を占め,平均年齢 75.6 歳,平均 罹病期間 11.0 年であり,高齢で長期の罹病期間を有する。

食物の形状を変えたり鼻腔栄養や胃瘻による摂食法の管理によって,誤嚥性肺炎を予防することが生命予後改善のためには重要である。

流涎

よだれが、コントロールできないことがある。

自発的な唾液嚥下回数が正常では1.18回/分のところ、パーキンソン病では0.8回/分に減少しているとの報告もあるとのこと[3]

薬剤との関連性[3]

ムスカリン作動性抗コリン薬

流涎に対する特異的な薬剤

抗うつ薬や抗不安薬

嚥下不良を引き起こす可能性がある

コリンエステラーゼ阻害薬

唾液分泌過剰に関与する可能性がある



一般的な流涎に関する記事も参照のこと。

死因

パーキンソン病の死因は、肺炎・気管支炎と報告されている。[4]

世界パーキンソン病デー

4月11日が世界パーキンソン病デーである。

世界パーキンソン病デーは、欧州パーキンソン病協会(EPDA)と世界保健機関(WHO)がパーキンソン病の周知を図るため1997年に制定した。[5]


参考