レバレッジ効果

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ちょっとの頑張りで、たくさんの嬉しいが得られること。

日本語で、てこの原理。

概要

もともとは、証券金融の世界の言葉[1]で、ビジネス書などに援用されるようになった。

金融取引で、1万円を担保にして100万円の取引をすることができる方法がある。これは、メリットもリスクも百倍にできる方法であるが、これをレバレッジを効かせる、とかレバレッジ効果という。

「やべえやつだ」と思うかもしれないが、実際リスクもメリットも大きくなるのでやべえやつで、素人にはお勧めできない、諸刃の剣。

ここから転じて、ちょっとした取り組みで大きな成果を上げることができるような取り組みの背景にあるものを指して、レバレッジ効果などと言ったりする。

これが、作業療法士の仕事とどう関係するかというと、対象者の状態好転の期待値に対する作業療法士の仕事は時間とマンパワーの投資であるといえる。ちょっとむずかしいけども。

つまり、地道にやっても、レバレッジ効果を活用しても同じ結果が得られる場合には、うまくリスクコントロールを行ってレバレッジ効果を活用できることがプロフェッショナルとしてみんなに認められるために必要な技量の一つであるということである。

そして、レバレッジ効果を意識して仕事をするだけで、実際仕事の仕方が変わってくる。それは、本質的に求める結果に対して、無駄をへらして、少ないコストでより大きな成果を上げるためにはどうしたらいいか、という工夫をすることができるようになるからである。

レバレッジ効果のポイント

最大のポイントは、必要な時間に対して得られる効果が数倍になることである。

これは、同じ時間に同じコストを投下しても得られる効果が数倍違ってくるということである。

レバレッジ効果の特性上、レバレッジを活用しない場合と比べると何らかのリスクを負うことになる。

そのために必要な論理的思考、推論、検証能力、またリスクを予見するために必要な知識、リスクをコントロールしきるだけの精神力が必要となる。

一朝一夕に身につくものではないので、そこに専門職としての価値が成立することになる。

レバレッジ効果の重要性

限られた経済資源、時間資源を用いてより大きな成果を出すことが、より多くの作業療法対象者の方に対して、質の高い取り組みをたくさん提供することつながる。

いつまでも、だれでもできる取り組みの水準のままに労働をするのは、各種社会制度へのフリーライドのそしりを免れないし、なにより、働いていて精神上よろしくない。

そのような作業療法士は概して、仕事を通しての自己肯定感が高まりにくく、将来的に保険制度を活用して労働することが困難となった状況下で仕事がなくなる恐怖におびえ続けなければならない。

また、そのような作業療法士の後進への影響はネガティブ面が強くなり、どこの職場に行ってもうまくいかないような働き方しかできなくなっていくこともある。

レバレッジ効果を正しく理解して、リスクをコントロールしきれるように、自らの専門性を高めることが大切である。

時には普通にやる

一方で、レバレッジ効果を期待する取り組みというのは、要するに合理性を追求する試みである。

合理性が行き過ぎると遊びがなくなり、新しい可能性に気づけなくなる別のリスクが生じる。

レバレッジ効果を活用して、多くの対象者への質の高い作業療法を行う体制を確保しつつ、一方でそのようにして生み出しコントロールしている余裕を、レバレッジ効果度外視で定期的に運用することが大切である。

レバレッジ効果の行き過ぎた追求は、組織の硬直化やコントロール不能なリスクを増大させてしまう可能性があるからである。

そのあたりを自在に行ったり来たりできることも、専門職としての[作業療法士]]や、その作業療法士を監督運用する立場のマネージャークラスに必要なものである。

作業療法士がレバレッジ効果を目指してやるべきこと

勉強しましょう。