依存症

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依存症は、現代社会においてはだれもが陥りがちな日常生活のバランスの崩れである。

微弱な快楽などの概念を知り、普段の生活を見直すことが必要である。

依存症の治療

依存症は、基本的に精神科医療の治療対象である。

精神疾患の一つとして受診の上治療することが大切である。

依存症の構造

日常生活において、なんらかの活動が1日の時間の大部分を占めるようになる時、それが人生や生活に破滅的な影響をもたらすと予想されているのに、そこから得られる快楽から抜け出せないで、ずるずると人生を自ら終わらせる方向に積極的に進めていく状態が、依存であると言える。

依存症の人の大部分はメタ認知の機能が弱く、自分自身では自分の人生をマネジメントできなくなっていることが多いため、周囲の適切な支援がなければ立ち直ることができない人が大部分を占める。

「心の弱さ」などというごまかしの文脈ではなく、病気としてその本質が自他共に理解されることによってのみ治療の道が開かれると言える。依存症は明らかに自己のマネジメント能力の欠如の問題がその本質であるため、本人の裁量を大きくすれば自然と再び依存症となるリスクは増すことになる。

そのため、治療環境においては本人の裁量が大幅に制限されることになる。また、依存症が改善したあとの生活が維持できるかどうかは、その制限が、自身に裁量を戻されたあとも持続できるかどうかにかかっていると言える。

アルコール依存症

日本において、もっとも有名な依存症の一つである。

日本においては、アルコールは合法の薬物であるが、人体にとっては明らかに有害であり、依存性を認められた薬物である。

あくまで、長い年月をかけて積み重ねられてきた文化を背景に使用が認められているに過ぎず、その他の依存性のある薬物とアルコールの有害性は大差ないと言え、アルコール依存症をこの世からなくすには、他の薬物同様にその使用を周囲が固く禁止するしかない。

しかしながらそうすると、酒の生産業者や飲食業界に多大な影響が生じたり、ヤミ酒などが反社会勢力の資金源となることが懸念されるため、社会的にアルコールが禁止されることはありえない。

そのため、アルコール依存症はその治療が最も難しい依存症の一つであると言える。

アルコール依存症を正しく知る

アルコール依存症というものとその治療について知ることができる漫画がある。厚生労働省のHPに掲載されている。

だらしない夫じゃなくて依存症でした

薬物依存症

薬物依存に陥ったひとは、薬物の入手を優先して行動するため、薬物を提供してくれる人物の言説や強制に影響されやすくなる。

薬物で支配して行われた犯罪

2014年2月に夏田満容疑者による、売春強要の例がある。15~20歳の少女ら3人に対し、神戸市中央、灘、兵庫各区のホテルで、30歳と47歳の男性客2人と夏田容疑者の計3人を相手に無報酬で売春させたなどとしている。[1]この事件は、インターネットで検索して見つかる。その後、執行猶予なしの有罪が確定している。[2]

薬物依存症著名人

薬物依存症者に薬を売ろうとする人物がいるので、再度薬物依存に陥る人が多いことが各種有名人が再度薬物を使用してしまうところからわかる。

日本を代表する覚醒剤依存症履歴のある各種著名人は下記のような方がおられる。

田代まさし[3]

酒井法子[4]

槇原敬之[5]

ASKA[6]

清水健太郎z[7]

他多数。

特に田代まさしさんの例を見ると、自由な環境下で使用してしまうことを責めるよりも、彼らの周りに変な人が寄ってこない環境を提供する方が実効性は高いと言える。

鹿せんべい依存症

依存症になるのは人間だけではないらしい。

COVID-19の流行によって、人間の生物でも依存が個体の生存に深刻な影響をもたらすことが図らずも明らかとなった。

人間から鹿せんべいが供給されなくなったことで、痩せ細ってしまった個体がいることが話題となった。

以前の調査では、せんべいを1日200枚以上食べていたシカもおり、「人から餌をもらって食べるのが当たり前になって、環境の変化に適応できないのかもしれない」と立沢助教は推測する。[8]

鹿せんべいに依存し、自分自身で餌を獲得することができなくなってしまった個体がどういう結末を辿るのかは今後注目に値する。

参考・参照