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=== 静的ストレッチ(Static Stretching) === | === 静的ストレッチ(Static Stretching) === | ||
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関節可動域を拡張するために、有効な方法の一つ。 | 関節可動域を拡張するために、有効な方法の一つ。 | ||
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=== バリスティックストレッチ(Ballistic Stretching) === | === バリスティックストレッチ(Ballistic Stretching) === | ||
勢いと反動を使って筋や腱を伸張する。[[関節可動域訓練]]においては逆効果。<ref name=“pt_standerd”>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009391867/_pdf 理学療法のグローバル・スタンダード. 鈴木重行. 理学療法学 第 40 巻第 8 号 503 ~ 507 頁(2013)]</ref> | 勢いと反動を使って筋や腱を伸張する。[[関節可動域訓練]]においては逆効果。<ref name=“pt_standerd”>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009391867/_pdf 理学療法のグローバル・スタンダード. 鈴木重行. 理学療法学 第 40 巻第 8 号 503 ~ 507 頁(2013)]</ref>一方で、瞬発力を求められる競技の前にバリスティックストレッチを行うことで、競技中のパフォーマンスが高まるとされている。しかし、腓腹筋において効果を認めなかったとする報告<ref>[https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001204646958208 腓腹筋の筋および腱におけるバリスティックストレッチングの影響 | CiNii Research]</ref>もあり、エビデンスが必要とされる。 | ||
* '''定義''': 反動を利用して筋肉を急激に伸ばす方法。 | * '''定義''': 反動を利用して筋肉を急激に伸ばす方法。 | ||
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ストレッチは、身体のさまざまな側面に有益な効果をもたらす。以下に主な効果を示す。 | ストレッチは、身体のさまざまな側面に有益な効果をもたらす。以下に主な効果を示す。 | ||
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* '''定義''': 筋肉と関節の柔軟性を高めることで、可動域が広がり、動作がスムーズになる。 | * '''定義''': 筋肉と関節の柔軟性を高めることで、可動域が広がり、動作がスムーズになる。 | ||
* '''例''': ヨガやピラティスでの柔軟性向上。 | * '''例''': ヨガやピラティスでの柔軟性向上。 | ||
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* '''例''': アスリートのトレーニングプログラムにおけるストレッチ。 | * '''例''': アスリートのトレーニングプログラムにおけるストレッチ。 | ||
== | == ストレッチの方法とエビデンス == | ||
ストレッチの実施には、正しい方法とテクニックが重要である。以下に主な方法とテクニックを示す。 | ストレッチの実施には、正しい方法とテクニックが重要である。以下に主な方法とテクニックを示す。 | ||
===改善に効果があるストレッチ方法=== | |||
関節や筋肉へのストレッチに効果があると報告されているのは下記の通り。<ref>[https://www.nsca-japan.or.jp/journal/30_1_05-11.pdf スポーツ現場におけるストレッチングの処方について. 中村 雅俊.NSCA JAPAN Volume 30, Number 1, pages 5-11]</ref> | |||
* '''頻度''':1週間あたり300秒(分割実施可。週3回以上。1つの関節につき)。 | |||
* '''一回あたり時間''':高齢者60秒、若年者30秒(1つの関節につき)。 | |||
* '''強度''':可能な範囲で強く。(痛みや組織へのダメージとの兼ね合いとの兼ね合い) | |||
* '''継続''':効果を持続するには続ける必要がある。 | |||
* '''評価期間''':少なくとも2週間以上の継続後。 | |||
<blockquote> 1つの関節について少なくても1週間当たり 300秒のストレッチング時間を担保しつつ、週3回以上の頻度で実施することが推奨される。また、強度としては可能な範囲で高い強度にて行なうこと、結果が出るまで時間がかかるので、少なくとも2週間以上の期間を設けること 。 | |||
トレーニングと同様に、ストレッチング効果にもディトレーニング効果があることが報告されており(29)、ストレッチング介入時間と同じ期間中断すると、関節や筋の柔軟性は元に戻ってしまう可能性がある。 | |||
<cite> https://www.nsca-japan.or.jp/journal/30_1_05-11.pdf </cite></blockquote> | |||
<blockquote> 効果的かつ効率的に柔軟性を増加させるストレッチング時間としては若者であれば30秒、高齢者であれば60秒間のストレッチングを行うのが有効である可能性がある。 | |||
一方、気を付けなくてはいけない点として、ストレッチングの時間が長くなりすぎても柔軟性増加効果が減少することはないと考えられるので、十分な時間がある人はストレッチングを長くしてもらっても問題ないと考えられる。 <cite> https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/33/1/33_11/_pdf/-char/ja</cite></blockquote> | |||
=== ウォームアップ === | === ウォームアップ === | ||
動的ストレッチが有効。 | |||
* '''定義''': ストレッチ前に軽い運動を行い、筋肉を温める。 | * '''定義''': ストレッチ前に軽い運動を行い、筋肉を温める。 | ||
* '''効果''': 筋肉の柔軟性を高め、ストレッチの効果を最大化する。 | * '''効果''': 筋肉の柔軟性を高め、ストレッチの効果を最大化する。 | ||
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* '''定義''': 初心者や特定の健康問題がある場合は、専門家の指導を受ける。 | * '''定義''': 初心者や特定の健康問題がある場合は、専門家の指導を受ける。 | ||
* '''リスク''': 不適切な方法でのストレッチは、効果が得られないばかりか、怪我の原因となる。 | * '''リスク''': 不適切な方法でのストレッチは、効果が得られないばかりか、怪我の原因となる。 | ||
==参照== | |||
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2024年7月3日 (水) 06:11時点における最新版
ストレッチ(Stretch)は、筋肉や関節の柔軟性を高めるために行う身体運動の一つであり、筋肉を伸ばすことで筋肉の緊張を緩和し、関節可動域を広げることを目的とする。ストレッチは、運動前後のウォームアップやクールダウン、リハビリテーション、日常の健康維持において重要な役割を果たす。
個人的解釈では、大いに、理学療法領域な分野であるが、なぜか日本では作業療法士が、そういう役割をせざるを得ない職場が散見される。
文句を言っても仕方がないので、作業療法士として働く上で最低限のニーズを満たせる程度に、ストレッチに習熟する必要がある。ただし、セルフコーピングや自主訓練の提案の場面などにおいてはストレッチの知見が大いに役立つことはいうまでもない。
作業療法士も勉強しておくが吉。
概要
ストレッチは、筋肉や関節の柔軟性を高め、運動前後のウォームアップやクールダウン、リハビリテーション、日常の健康維持において重要な役割を果たす。静的ストレッチ、動的ストレッチ、PNFストレッチ、バリスティックストレッチなど、目的に応じたさまざまな方法が存在する。正しいフォームとテクニック、適切な時間と頻度でストレッチを行うことにより、柔軟性の向上、怪我の予防、血行促進、ストレスの軽減、パフォーマンス向上といった多くの効果が得られる。
しかし、無理なストレッチや体調に応じない方法はリスクを伴うため、注意が必要である。適切なストレッチの実施により、健康的で活動的な生活を維持することが可能である。
種類
ストレッチには、いくつかの異なる方法があり、目的や効果に応じて使い分けられる。以下に主な種類を示す。
静的ストレッチ(Static Stretching)
筋緊張を低下させることができる。[1]
関節可動域を拡張するために、有効な方法の一つ。
一方、怪我防止のためにスポーツ前に実施すると、かえって腱の断裂リスクを高めるという報告もある。
- 定義: 筋肉を一定の位置に伸ばし、その状態を一定時間保持する方法。
- 効果: 筋肉の柔軟性を高め、筋肉の緊張を緩和する。
- 例: ハムストリングスのストレッチ、肩のストレッチ。
動的ストレッチ(Dynamic Stretching)
スポーツ等の怪我防止の観点からは、1番重要なストレッチ方法の一つ。フットワーク、などの名称で呼ばれる動作と重複する内容が多い。
- 定義: 筋肉を動かしながら伸ばす方法で、運動範囲を徐々に広げる。
- 効果: 筋肉の温度を上昇させ、可動域を広げる。運動前のウォームアップに効果的。
- 例: レッグスイング、アームサークル。
PNFストレッチ(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)
- 定義: 筋肉の収縮とリラックスを組み合わせて行うストレッチ方法。
- 効果: 筋肉の柔軟性と可動域を効果的に向上させる。
- 例: コンビネーションストレッチ、ホールドリラックス法。
お金を儲けるためとみられる、怪しい研修会も乱立しているので、要注意。
バリスティックストレッチ(Ballistic Stretching)
勢いと反動を使って筋や腱を伸張する。関節可動域訓練においては逆効果。[1]一方で、瞬発力を求められる競技の前にバリスティックストレッチを行うことで、競技中のパフォーマンスが高まるとされている。しかし、腓腹筋において効果を認めなかったとする報告[2]もあり、エビデンスが必要とされる。
- 定義: 反動を利用して筋肉を急激に伸ばす方法。
- 効果: 素早い動きで筋肉を伸ばすが、リスクが高いため注意が必要。
- 例: バウンシングストレッチ。
効果
ストレッチは、身体のさまざまな側面に有益な効果をもたらす。以下に主な効果を示す。
身体柔軟性の向上と関節可動域の拡大
- 定義: 筋肉と関節の柔軟性を高めることで、可動域が広がり、動作がスムーズになる。
- 例: ヨガやピラティスでの柔軟性向上。
怪我の予防
- 定義: 筋肉と関節を柔軟に保つことで、運動中の怪我を予防する。
- 例: スポーツ選手のウォームアップでのストレッチ。
血行促進
- 定義: 筋肉の緊張を緩和し、血流を改善することで、筋肉への酸素供給が増加する。
- 例: 長時間の座り仕事の合間に行うストレッチ。
ストレスの軽減
- 定義: ストレッチによって筋肉の緊張が緩和され、リラクゼーション効果が得られる。
- 例: 就寝前のリラクゼーションストレッチ。
パフォーマンス向上
- 定義: 筋肉と関節の可動域が広がり、運動の効率が向上する。
- 例: アスリートのトレーニングプログラムにおけるストレッチ。
ストレッチの方法とエビデンス
ストレッチの実施には、正しい方法とテクニックが重要である。以下に主な方法とテクニックを示す。
改善に効果があるストレッチ方法
関節や筋肉へのストレッチに効果があると報告されているのは下記の通り。[3]
- 頻度:1週間あたり300秒(分割実施可。週3回以上。1つの関節につき)。
- 一回あたり時間:高齢者60秒、若年者30秒(1つの関節につき)。
- 強度:可能な範囲で強く。(痛みや組織へのダメージとの兼ね合いとの兼ね合い)
- 継続:効果を持続するには続ける必要がある。
- 評価期間:少なくとも2週間以上の継続後。
1つの関節について少なくても1週間当たり 300秒のストレッチング時間を担保しつつ、週3回以上の頻度で実施することが推奨される。また、強度としては可能な範囲で高い強度にて行なうこと、結果が出るまで時間がかかるので、少なくとも2週間以上の期間を設けること 。
トレーニングと同様に、ストレッチング効果にもディトレーニング効果があることが報告されており(29)、ストレッチング介入時間と同じ期間中断すると、関節や筋の柔軟性は元に戻ってしまう可能性がある。
効果的かつ効率的に柔軟性を増加させるストレッチング時間としては若者であれば30秒、高齢者であれば60秒間のストレッチングを行うのが有効である可能性がある。 一方、気を付けなくてはいけない点として、ストレッチングの時間が長くなりすぎても柔軟性増加効果が減少することはないと考えられるので、十分な時間がある人はストレッチングを長くしてもらっても問題ないと考えられる。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/mpta/33/1/33_11/_pdf/-char/ja
ウォームアップ
動的ストレッチが有効。
- 定義: ストレッチ前に軽い運動を行い、筋肉を温める。
- 効果: 筋肉の柔軟性を高め、ストレッチの効果を最大化する。
正しいフォーム
- 定義: 正しい姿勢と動作でストレッチを行うこと。
- 効果: 効果的なストレッチを行い、怪我を予防する。
呼吸
- 定義: ストレッチ中の呼吸を意識し、リラックスした状態で行う。
- 効果: 筋肉のリラックスを促進し、ストレッチの効果を高める。
適切な時間と頻度
- 定義: ストレッチの保持時間や頻度を適切に設定する。
- 効果: 効果的な柔軟性向上と怪我の予防。
注意点とリスク
ストレッチを行う際には、以下の注意点とリスクに留意する必要がある。
無理なストレッチを避ける
- 定義: 痛みを感じるほどの無理なストレッチを避ける。
- リスク: 筋肉や関節の損傷を引き起こす可能性がある。
体調に応じたストレッチ
- 定義: 体調や身体の状態に応じたストレッチを行う。
- リスク: 体調不良時の無理なストレッチは、健康に悪影響を及ぼすことがある。
専門家の指導
- 定義: 初心者や特定の健康問題がある場合は、専門家の指導を受ける。
- リスク: 不適切な方法でのストレッチは、効果が得られないばかりか、怪我の原因となる。