「キネシオロジー」の版間の差分
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==関節== | |||
人間の体を人間が動かして制御ができるのは、関節があり、その関節を構成する骨・軟骨、筋肉、腱、靭帯が存在するからである。 | |||
関節を理解する上で、最も注目を集めるのが[[ROM]](関節可動域)であるが、運動や動作について考えるとき、[[ROM]]それ単体ではなんの役にも立たない。 | |||
上記の関節の構成要素に加えて、その筋肉の支配神経などについても総合的に見た上で、運動学的視点から判断する。 | |||
目標とする[[作業]]や[[生活行為]]の達成のために、必要な筋の収縮、出力が得られるかどうかをみて判断する必要がある。 | |||
その評価に基づいて、[[作業療法士]]はトレーニングを計画したり、主治医や理学療法士に必要なお願いをすることになる。 | |||
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運動に関して、人間の意思を実現するのは、脳の意思が、抹 末梢の筋肉に伝わるからである。 | |||
よって、神経が障害されると、運動が困難になる。 | |||
その場合、代償が発生しやすい。作業療法士は代償を注意深く捉えなければならない。 | |||
==代償== | |||
キネシオロジーの分野で、リハビリテーションの専門職と、そうでない人との主義や成果を最も大きく分けるのが、代償について評価できる能力である。 | |||
やる気に満ちていたリハビリテーション対象者の方の訓練や練習が、代償の影響がきちんと評価されていなかったり、認知機能の問題などのため、本人が理解できなかったりするために、無意味であったりするばかりでなく、むしろ逆効果であったり、そういう悲しい結果に繋がることも少なくない。 | |||
そうならないように、代償動作が評価出来ることが大切であり、代償の見落としを防ぐためにも運動学の知識は、やはり作業療法士にとっては必須である。 | |||
特に精神や高齢の分野では、うっかり見落とされがちなので、注意が必要である。 | |||
簡単な気づきが、その後の作業療法の成果に極めて大きく影響する項目なので、ちゃんと対象者のためになる作業療法をと思えば、理解が不十分であれば卒後に学ぶべきである。 | |||
==認知機能== | |||
正しい動作、望ましい姿勢、などが存在するとして、それを身体で表現するためには、体験を記憶する能力や、都度意識的に行おうとする想起の力が必要となる。 | |||
よって、認知機能が低い、または、低下していく状態にあっては、身体機能を維持することは出来ても、新たに学習し定着することが困難であるため、改善は極めて困難である。 | |||
運動に必要な認知についても、作業療法士は必要なだけ詳細に評価しなければならない。身体障害領域、特に急性期において、作業療法士が結果を出すためには踏み込んで評価するべき内容である。 |
2020年8月23日 (日) 03:29時点における最新版
運動生理学。
神経心理学も含んで、人間の体がどうして運動できるかについて、科学的に明らかにする学問の一領域である。
作業療法士は、養成課程で必ずキネシオロジーについて学ぶので、精神や高齢の領域などのどの領域の作業療法士であっても移乗や介助、動作分析などに必要な一通りの基礎的なキネシオロジーは実践知識として運用できる。
運動学(物理学)
実際の臨床の現場においては、古典的なニュートン力学のみの理解学習で事足りる。
計算を用いることすら少なく、臨床上特に必要なのは運動の動力を出力する筋肉の力とモーメントやトルクに関する理解である。
これによって、ある程度筋肉の鑑別や、ターゲットを絞ったアプローチが可能になる。
アインシュタインの一般相対性理論の理解までは必要ないし運動方程式を解く必要も無い。
てこの原理とその拡張概念の理解ができれば十分臨床上必要な思考は可能となる。
効率的であったり、可能な動作指導を行うためには、その領域を問わず必要不可欠な知識である。
関節
人間の体を人間が動かして制御ができるのは、関節があり、その関節を構成する骨・軟骨、筋肉、腱、靭帯が存在するからである。
関節を理解する上で、最も注目を集めるのがROM(関節可動域)であるが、運動や動作について考えるとき、ROMそれ単体ではなんの役にも立たない。
上記の関節の構成要素に加えて、その筋肉の支配神経などについても総合的に見た上で、運動学的視点から判断する。
目標とする作業や生活行為の達成のために、必要な筋の収縮、出力が得られるかどうかをみて判断する必要がある。
その評価に基づいて、作業療法士はトレーニングを計画したり、主治医や理学療法士に必要なお願いをすることになる。
神経
運動に関して、人間の意思を実現するのは、脳の意思が、抹 末梢の筋肉に伝わるからである。
よって、神経が障害されると、運動が困難になる。
その場合、代償が発生しやすい。作業療法士は代償を注意深く捉えなければならない。
代償
キネシオロジーの分野で、リハビリテーションの専門職と、そうでない人との主義や成果を最も大きく分けるのが、代償について評価できる能力である。
やる気に満ちていたリハビリテーション対象者の方の訓練や練習が、代償の影響がきちんと評価されていなかったり、認知機能の問題などのため、本人が理解できなかったりするために、無意味であったりするばかりでなく、むしろ逆効果であったり、そういう悲しい結果に繋がることも少なくない。
そうならないように、代償動作が評価出来ることが大切であり、代償の見落としを防ぐためにも運動学の知識は、やはり作業療法士にとっては必須である。
特に精神や高齢の分野では、うっかり見落とされがちなので、注意が必要である。
簡単な気づきが、その後の作業療法の成果に極めて大きく影響する項目なので、ちゃんと対象者のためになる作業療法をと思えば、理解が不十分であれば卒後に学ぶべきである。
認知機能
正しい動作、望ましい姿勢、などが存在するとして、それを身体で表現するためには、体験を記憶する能力や、都度意識的に行おうとする想起の力が必要となる。
よって、認知機能が低い、または、低下していく状態にあっては、身体機能を維持することは出来ても、新たに学習し定着することが困難であるため、改善は極めて困難である。
運動に必要な認知についても、作業療法士は必要なだけ詳細に評価しなければならない。身体障害領域、特に急性期において、作業療法士が結果を出すためには踏み込んで評価するべき内容である。