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人から楽しみの感情を引き出し、さらに、人の行動を誘う構造をもった[[活動]]や[[アクティビティー]]の総称。 | |||
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レクリエーションに必要なスキルは、関わりと介入の幅に広がりを持たせることになるので作業療法士にとってはほぼ必須な要素であり、これが苦手だと対人評価や作業分析など作業療法士として根本的スキルの点検が必要であるというサインである。 | |||
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==レクリエーションの要素== | ==レクリエーションの要素== | ||
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たとえば、以下のようなキーワードでチェックする。 | |||
快の感情、ポジティブな心の動き、積極性、能力発揮の機会 | 快の感情、ポジティブな心の動き、積極性、能力発揮の機会 | ||
===集団との関連=== | |||
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[[集団]]、他者の存在、所属感 | [[集団]]、他者の存在、所属感 | ||
どの程度の人間の集団で行うのか、ということは、治療構造を大きく左右するため重要であるし、その集団との関わりを作業療法対象者がどのように経験するのかを構造化できると、治療的意義は格段に高まる。 | |||
===参加者個々の評価=== | |||
参加者一人一人の評価も当然前提となる。 | |||
[[評価]] の項目を参照 | |||
===価値や文化の確認=== | |||
メッセージ性は、レクリエーションに特別感や一期一会、季節感を付与する。 | |||
例えば、以下のようなキーワードでチェックする。 | |||
連続性、[[季節感]]、文化的背景、必要性 | 連続性、[[季節感]]、文化的背景、必要性 | ||
==レクリエーションの計画== | ==レクリエーションの計画== | ||
[[アクティビティー]]として[[レクリエーション]]を企画する時には、以下のような項目に留意する。 | [[アクティビティー]]として[[レクリエーション]]を企画する時には、以下のような項目に留意する。 | ||
各項目は、密接に関連する。 | |||
自然と、一つ見直すと、関連する複数の項目の見直しが必要となる。 | |||
===対象者=== | ===対象者=== | ||
一番に対象者を決定想定する。 | |||
対象者を[[評価]]する。 | |||
===想定リスクと対処=== | ===想定リスクと対処=== | ||
どのようなリスクがあるか、どのような事故が起こりうるか、体調不良などの可能性を事前想定する。 | |||
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投入できうるスタッフの数が多ければ、活動の選択肢の幅が広がり、対象者に対してよりきめ細かな対応が可能となる。 | |||
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新しい物品を用意したりする場合には、どの程度の予算が確保できるかが大きく影響する。 | |||
必要に応じて稟議書などを提出することも検討する。 | |||
===時間=== | ===時間=== | ||
どれくらいの時間をレクリエーションにつかうことができるのかを明らかにし、その運用について検討する。 | |||
===場所=== | ===場所=== | ||
どのような場所が使えるか、また使える場所はどのような場所であるかを、詳細に検討する。 | |||
===活動内容・難易度調整=== | ===活動内容・難易度調整=== | ||
上記項目を踏まえて、可能な[[活動]]、もしくは挑戦してみたい活動が実践可能なように工夫調整する。 | |||
===準備物=== | ===準備物=== | ||
決定した[[活動]]内容に応じて、準備物を手配、揃える。 | |||
===集合=== | ===集合=== | ||
活動場所へ対象者の方に集まってもらう段取りをする。 | |||
===解散=== | ===解散=== | ||
解散後集まってもらった対象者の方にどのように移動していただくかを想定する。 | |||
==業務としてのレクリエーションの留意== | |||
===作業療法士の説明責任=== | |||
レクリエーションは漫然と行われるのではなく、意味性や意図を明確にすることが必要であり、[[作業療法士]]はそこを明確に説明する責任がある。 | |||
===ハレとケの意識=== | |||
ハレとケという概念がある。 | |||
ハレは特別で、ケは日常を意味する。このような区別は、昔から普通のこととして行われ、現在でもハレの日という言葉は日常的に使われる。 | |||
日常生活を支えるものとして施設で提供されるレクリエーションは、本来特別なものである。 | |||
多くの人の日常生活には、「毎日かならず人と集まって集団で何かを楽しむ」という行程は存在しないからである。 | |||
人と集まって、一緒に何かをするということは、現代社会を生きる人にとっては感覚的には本来特別なことハレであるはずである。 | |||
人間の生活においては、毎日ハレの日ということは本来不自然であり、毎日レクリエーションを提供することはそのバランスを崩すことに留意する必要がある。 | |||
===時間・季節の流れ・文化=== | |||
レクリエーションは、そこに参加する人の文化的背景から影響を受ける。 | |||
たとえば、ジャンケンの掛け声一つでも、地域性が現れる。 | |||
土地によっては、季節ごとにお祭りがある。 | |||
全国どこでも正月があり、新年を祝う。 | |||
そのような社会的な意味性を、時間の流れを踏まえてうまく取り込めることが、作業としてレクリエーションを用いる上でのコツである。 | |||
===写真・映像記録の扱い=== | |||
レクリエーション時の写真は撮影されがちである。施設によっては、映像を記録しており、それが保管されているところもある。 | |||
このような記録は、使いようによっては極めて強力なツールとなる。行事としてのレクリエーションはもちろんのこと、普段のレクリエーションの様子を記録しておくことは、レクリエーション対象者と周囲の人の会話を促し、コミュニケーションを繋ぐツールとして非常に有用である。また、その人が普段見せないような新たな魅力や一面を多くの支援者で共有できることは、非常に有効である。 | |||
このように、写真や映像の記録の個人のプライバシーなどの問題を事前に解決した上で運用することができれば、非常に強力なツールである。 | |||
一方で、各種SNSが社会一般で広く使われるようになった影響で、情報を的確に運用することはますます難しくなっている。 | |||
事前に情報の取り扱いを規約で定めておくことが、極めて重要である。 |
2021年10月31日 (日) 04:34時点における最新版
楽しくないとダメなやつ。
概要
辞書的な定義では
『仕事・勉強の疲れを、休養や楽しみで回復すること。また、そのために行う休養や楽しみ。』
作業療法では、広義には集団で行う活動のことはレクリエーションとよぶことが多い。 しかし、だからこそ、語源をしっかりと抑えておく必要がある。
人から楽しみの感情を引き出し、さらに、人の行動を誘う構造をもった活動やアクティビティーの総称。
作業療法士の基本的スキルの一つで、精神障害領域や高齢期領域では通常業務の中で用いられているスキルの一つである。
レクリエーションに必要なスキルは、関わりと介入の幅に広がりを持たせることになるので作業療法士にとってはほぼ必須な要素であり、これが苦手だと対人評価や作業分析など作業療法士として根本的スキルの点検が必要であるというサインである。
レクリエーションはうまく用いれば、対象者の快の感情、ポジティブな心の動きや、積極性を引き出しうる。
ページ下部分のカテゴリーも参考のこと。
集団
集団を用いる作業療法においては極めて重要なアプローチの一つであり、作業療法士としての実力が端的に現れる。
作業療法士にとってのレクリエーション提供の難しさ
近年では、特に、作業療法士になるまで、レクリエーション参加の経験が乏しいOTSも少なくなく、そのままOTRとなって、提供する側に回ると苦労する実態がある。
また、経験を重ねてベテランとなったOTRも新人作業療法士がつまづいている要素が見えず、適切な助言ができないこともある。
レクリエーションの要素
作業療法士はレクリエーションそのものについても評価を行うことが必要である。
楽しみ
楽しくなければレクリエーションではない、は重要な考えである。
ともすると、時間枠を埋めるために漫然とレクリエーション提供がなされていることもある。
しかし、レクリエーションは漫然と提供しても、治療的なアクティビティーとしては使えない。作業療法対象者への評価が不適切な場合にはさらに噛み合わない。
たとえば、以下のようなキーワードでチェックする。
快の感情、ポジティブな心の動き、積極性、能力発揮の機会
集団との関連
例えば、以下のような要素が存在する。
集団、他者の存在、所属感
どの程度の人間の集団で行うのか、ということは、治療構造を大きく左右するため重要であるし、その集団との関わりを作業療法対象者がどのように経験するのかを構造化できると、治療的意義は格段に高まる。
参加者個々の評価
参加者一人一人の評価も当然前提となる。
評価 の項目を参照
価値や文化の確認
メッセージ性は、レクリエーションに特別感や一期一会、季節感を付与する。
例えば、以下のようなキーワードでチェックする。
連続性、季節感、文化的背景、必要性
レクリエーションの計画
アクティビティーとしてレクリエーションを企画する時には、以下のような項目に留意する。
各項目は、密接に関連する。
自然と、一つ見直すと、関連する複数の項目の見直しが必要となる。
対象者
一番に対象者を決定想定する。
対象者を評価する。
想定リスクと対処
どのようなリスクがあるか、どのような事故が起こりうるか、体調不良などの可能性を事前想定する。
対応可能スタッフ数・マンパワー
投入できうるスタッフの数が多ければ、活動の選択肢の幅が広がり、対象者に対してよりきめ細かな対応が可能となる。
準備予算
新しい物品を用意したりする場合には、どの程度の予算が確保できるかが大きく影響する。
必要に応じて稟議書などを提出することも検討する。
時間
どれくらいの時間をレクリエーションにつかうことができるのかを明らかにし、その運用について検討する。
場所
どのような場所が使えるか、また使える場所はどのような場所であるかを、詳細に検討する。
活動内容・難易度調整
上記項目を踏まえて、可能な活動、もしくは挑戦してみたい活動が実践可能なように工夫調整する。
準備物
決定した活動内容に応じて、準備物を手配、揃える。
集合
活動場所へ対象者の方に集まってもらう段取りをする。
解散
解散後集まってもらった対象者の方にどのように移動していただくかを想定する。
業務としてのレクリエーションの留意
作業療法士の説明責任
レクリエーションは漫然と行われるのではなく、意味性や意図を明確にすることが必要であり、作業療法士はそこを明確に説明する責任がある。
ハレとケの意識
ハレとケという概念がある。
ハレは特別で、ケは日常を意味する。このような区別は、昔から普通のこととして行われ、現在でもハレの日という言葉は日常的に使われる。
日常生活を支えるものとして施設で提供されるレクリエーションは、本来特別なものである。
多くの人の日常生活には、「毎日かならず人と集まって集団で何かを楽しむ」という行程は存在しないからである。
人と集まって、一緒に何かをするということは、現代社会を生きる人にとっては感覚的には本来特別なことハレであるはずである。
人間の生活においては、毎日ハレの日ということは本来不自然であり、毎日レクリエーションを提供することはそのバランスを崩すことに留意する必要がある。
時間・季節の流れ・文化
レクリエーションは、そこに参加する人の文化的背景から影響を受ける。
たとえば、ジャンケンの掛け声一つでも、地域性が現れる。
土地によっては、季節ごとにお祭りがある。
全国どこでも正月があり、新年を祝う。
そのような社会的な意味性を、時間の流れを踏まえてうまく取り込めることが、作業としてレクリエーションを用いる上でのコツである。
写真・映像記録の扱い
レクリエーション時の写真は撮影されがちである。施設によっては、映像を記録しており、それが保管されているところもある。
このような記録は、使いようによっては極めて強力なツールとなる。行事としてのレクリエーションはもちろんのこと、普段のレクリエーションの様子を記録しておくことは、レクリエーション対象者と周囲の人の会話を促し、コミュニケーションを繋ぐツールとして非常に有用である。また、その人が普段見せないような新たな魅力や一面を多くの支援者で共有できることは、非常に有効である。
このように、写真や映像の記録の個人のプライバシーなどの問題を事前に解決した上で運用することができれば、非常に強力なツールである。
一方で、各種SNSが社会一般で広く使われるようになった影響で、情報を的確に運用することはますます難しくなっている。
事前に情報の取り扱いを規約で定めておくことが、極めて重要である。