作業
作業療法士や作業は、一般で用いられる作業という言葉が意味するものとことなるニュアンスで「作業」という言葉を用いる。[1]
作業療法における作業という言葉の意味を理解して、用いることができることが作業療法士として仕事をする上で重要である。
作業療法の対象となる方は、医師と施設経営者と作業療法士に対して、以下に当てはまるような作業の実現を要求することが必要である。
作業 それは、ある人にとって大切な行為や活動
人の人生にとって重要な事は、その人がどのようなことを大切に考えるかという価値観であり、そして、それらに基づく意思決定と主体性である。
この時、これらの価値観やそれに伴う物の見方が人の行動に影響与える。そして、その行動がその人の人生を左右する影響を与える。
このような、当人の人生を動かしうる価値観に根ざしたような、ある人にとって大切な行動や活動を作業とよぶ。
なお、その作業を用いて人を勇気づけたり元気にする治療法の総称を作業療法と言う。
ある人が強く願う事は、作業である
人がやりたいと強く願う活動は、作業と考えることができる。
それが実現できることは、その人を勇気付け、エンパワメントし、生きようとする力を増大させうる。
とくに大好きな余暇活動、遊びなどは作業であるといえる。
また、社会的存在として、集団の一員として役割を果たしたいという欲求に応えるような仕事もまた作業である。
役割については後述する。
作業とは優先順位の高い活動である
作業とはその人の生活の中で、優先順位の度合いが比較的高いものを言うと考えることもできる。
作業は日常生活と結びつきの強い活動である
日常生活動作(ADL)や、手段的日常生活動作(IADL)はもちろん作業です。
日常生活を成り立たせる活動は全て作業です。
なぜなら、日常生活が成立しなければ、生存が脅かされるからです。
生存に直結することは優先順位が高いので当然作業となります。
作業には主体性が必要
ADLやIADLをはじめとした自分の生活を成り立たせるために必要な活動
家族をはじめとした周囲の人からそうすることを期待されている社会的役割
作業は人の感情を惹起する
作業を行うとき、人は作業からなんらかの感情を得る。
無感動で、自分の感情を押し殺して行うような活動は作業では無い。
つまり、作業とは感動を伴うものでなければならず、そのような感動を伴わないものは作業とは呼べない。
コロナ禍に見た作業の重要性
2020年新型コロナウィルスの流行によって 日本でもこれまで日常行うことができていた様々な活動に制限制約が生じた。これはまさに、作業剥奪の状況であった。
これによりこれまでにない規模で多くの人が、これまで経験したことのない大きなストレスを経験した。これは人が作業を喪失した状態であり、作業の喪失や剥奪は、人の心身の健康に極めて大きな影響を及ぼすと言うことが図らずも改めて証明された。
人は自分にとって有意味な作業から強制的に引き離される時、心身に不調を生じることになるのである。
作業と役割
作業はその人に役割を作る。
これは、作業が人をエンパワメントする重要な要素である。
なぜなら、人には自分で自分の価値を認めることができる状況を欲し、そのために役に立っているという実感を欲するからである。
なんらかの役割を持つことは、人が役に立っているという実感を持つとき、非常に大きく影響する。
作業に関する様々な用語
主要なものについて紹介する
より詳しくは
作業に関する用語一覧をご覧ください。