人は必ず歳をとる。歳をとるに従って、若き時へ過ぎ去り、老いていく。
老いはかつて可能だったことが難しくなり、各種の障害が生じる。
程度の差はあるがやがて人は必ず必ずその過程を経る。そして、いつか死ぬ日に向かって生きていく。
この時、死は向き合うほどに、残りの生の時間を鮮やかに浮かび上がらせ、人を作業に向かわせる。死は、ネガティブなものではなく、人が自分らしく生きる上で不可分な要素である。
その死の足音を感じる人生の大団円の時期においても、死を穏やかに感じながら、死とともに生き、自分の人生に満足し、その人らしい生活が出来るように支援するのが、作業療法と作業療法士の極めて重要な役割である。