「脳卒中」の版間の差分

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[[脳梗塞]]と[[脳出血]]、[[くも膜下出血]]を総称して脳卒中と言う。
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脳内の中枢神経とそのネットワークの破壊によって、麻痺を初めとしたさまざまな後遺症が少なくない頻度で発生する。
[[脳]]の疾患の身近なもので、[[脳梗塞]]と[[脳出血]]、[[くも膜下出血]]を総称して脳卒中と言う。
 
==概要==
 
一般に、脳卒中では、後遺症が問題となることも少なくなく脳内の中枢神経とそのネットワークの破壊によって、麻痺を初めとしたさまざまな後遺症が少なくない頻度で発生する。


そのため、脳卒中後遺症とともに生活が送れるよう[[リハビリテーション]]を行うことが必要となる。
そのため、脳卒中後遺症とともに生活が送れるよう[[リハビリテーション]]を行うことが必要となる。
「[[ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)]]」や[[MUSE細胞]]による目覚しい結果の改善などが報告され始めるなど、今後脳卒中後遺症による障害の改善が期待しうる分野。従来は一旦回復がプラトー(平坦化)となると回復は困難であると思われてきたが、2021年5月25日現在、そこにブレイクスルーとなる新しいアプローチが登場しつつある。




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参照のこと
参照のこと
==資料==
[https://jsnt.gr.jp/guideline/nou.html 脳卒中治療ガイドライン2009 - 日本神経治療学会]
[https://note.com/takanohiroki/n/nb0407c31ee8e 脳卒中後遺症の方々のための生活支援ツール『ペーパー版 生活知恵袋』]
[https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/22/1/22_1_33/_pdf 脳卒中による機能障害と評価]
===脳卒中における作業療法介入の効果===
[https://kenkyuukai.m3.com/journal/FilePreview_Journal.asp?path=sys%5Cjournal%5C20190422115051%2D567DC4EAE656DE712C1BB7DA4156700F7695F42C974967AC157BE7ABE3D15831%2Epdf&sid=848&id=3156&sub_id=49192&cid=471 Occupational Therapy Intervention Process Model(OTIPM)に基づいた作業療法実践における作業遂行能力および心身機能の変化日本臨床作業療法研究 No.6 2019.廣瀬 卓哉,室伏未知花,高橋真須美]
==後遺症==
脳卒中は、神経が障害されることによって麻痺をはじめとした後遺症が発生することが少なくない。
===麻痺===
非常によく見られる後遺症
特に、片麻痺と呼ばれる、右半身または左半身に偏った機能障害が起こる。
====麻痺のリハビリテーション====
画像診断技術や種々の低侵襲な中枢神経機能評価・治療の発展を基盤にニューロリハの流れが起こっている.特にシステム理論と運動学習理論に基づいて考案された課題指向型リハに期待が集まっている.<ref>[https://www.ishiyaku.co.jp/magazines/cr/CRBookDetail.aspx?BC=082706]</ref>
===肩関節===
====肩関節の痛み====
=====肩甲骨の動きの不十分さ=====
肩甲骨の動きがうまく誘導されないままに肩甲上腕関節のみで、上腕骨を動かそうとするために痛みが起こることがある。
自動運動時に肩甲骨の動きが、通常の動きと比較して大きく逸脱していないかどうかで区別判断する。
=====筋の不均衡=====
たとえば、連合反応などによって本人の意識とは別の動きをしてしまうことがある。このような原因によって、過剰に関節周囲の筋の緊張が高まってしまうことがある。そのような場合に、拮抗筋の片方が過剰に働くことにより、関節面に過剰な負担が発生し、それによって痛みが発生することがある。
触診によって筋緊張の度合いを比較することによって、関節にかかる負担を判断することができる。
筋緊張の原因を判別できれば、改善できる可能性がある。
====肩関節の亜脱臼====
[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/29/7/29_7_569/_pdf 猪飼哲夫.脳卒中片麻痺患者の肩関節亜脱臼の検討 一経時的変化について一.リハビリテーション医学 VOL.29 NO.7 1992年7月]
==脳卒中のリハビリテーション==
脳卒中のリハビリテーションは主に、2つに分かれる
===機能回復===
病前の機能に近づけるためのリハビリテーション
===生活機能訓練===
現在の身体機能や能力で、日常生活が送れるよう方法や道具の使用などを訓練する
===機能維持===
関節可動域の維持などに向けた取り組み。


==急性期症状・兆候==
==急性期症状・兆候==
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急な記憶障害
急な記憶障害
==リスク要因<ref name="yobo">[http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph36.html 36脳卒中予防の秘けつ(改訂版-国立循環器病研究センター]</ref>==
高血圧
[[糖尿病]]
高脂血症
心疾患
肥満、運動不足、喫煙、多量飲酒、過労・ストレスの蓄積
==病発部位と後遺症概要==
===脳幹===
中脳梗塞
橋梗塞
延髄梗塞


==診断==
==診断==
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===血管造影検査===
===血管造影検査===
==参考==
<references />

2022年11月12日 (土) 00:35時点における最新版

MCA-Stroke-Brain-Human-2

の疾患の身近なもので、脳梗塞脳出血くも膜下出血を総称して脳卒中と言う。

概要

一般に、脳卒中では、後遺症が問題となることも少なくなく脳内の中枢神経とそのネットワークの破壊によって、麻痺を初めとしたさまざまな後遺症が少なくない頻度で発生する。

そのため、脳卒中後遺症とともに生活が送れるようリハビリテーションを行うことが必要となる。

ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)」やMUSE細胞による目覚しい結果の改善などが報告され始めるなど、今後脳卒中後遺症による障害の改善が期待しうる分野。従来は一旦回復がプラトー(平坦化)となると回復は困難であると思われてきたが、2021年5月25日現在、そこにブレイクスルーとなる新しいアプローチが登場しつつある。


詳細は、それぞれ

脳梗塞

脳出血

くも膜下出血

参照のこと

資料

脳卒中治療ガイドライン2009 - 日本神経治療学会

脳卒中後遺症の方々のための生活支援ツール『ペーパー版 生活知恵袋』

脳卒中による機能障害と評価

脳卒中における作業療法介入の効果

Occupational Therapy Intervention Process Model(OTIPM)に基づいた作業療法実践における作業遂行能力および心身機能の変化日本臨床作業療法研究 No.6 2019.廣瀬 卓哉,室伏未知花,高橋真須美

後遺症

脳卒中は、神経が障害されることによって麻痺をはじめとした後遺症が発生することが少なくない。

麻痺

非常によく見られる後遺症

特に、片麻痺と呼ばれる、右半身または左半身に偏った機能障害が起こる。

麻痺のリハビリテーション

画像診断技術や種々の低侵襲な中枢神経機能評価・治療の発展を基盤にニューロリハの流れが起こっている.特にシステム理論と運動学習理論に基づいて考案された課題指向型リハに期待が集まっている.[1]

肩関節

肩関節の痛み

肩甲骨の動きの不十分さ

肩甲骨の動きがうまく誘導されないままに肩甲上腕関節のみで、上腕骨を動かそうとするために痛みが起こることがある。

自動運動時に肩甲骨の動きが、通常の動きと比較して大きく逸脱していないかどうかで区別判断する。

筋の不均衡

たとえば、連合反応などによって本人の意識とは別の動きをしてしまうことがある。このような原因によって、過剰に関節周囲の筋の緊張が高まってしまうことがある。そのような場合に、拮抗筋の片方が過剰に働くことにより、関節面に過剰な負担が発生し、それによって痛みが発生することがある。

触診によって筋緊張の度合いを比較することによって、関節にかかる負担を判断することができる。

筋緊張の原因を判別できれば、改善できる可能性がある。

肩関節の亜脱臼

猪飼哲夫.脳卒中片麻痺患者の肩関節亜脱臼の検討 一経時的変化について一.リハビリテーション医学 VOL.29 NO.7 1992年7月

脳卒中のリハビリテーション

脳卒中のリハビリテーションは主に、2つに分かれる

機能回復

病前の機能に近づけるためのリハビリテーション

生活機能訓練

現在の身体機能や能力で、日常生活が送れるよう方法や道具の使用などを訓練する

機能維持

関節可動域の維持などに向けた取り組み。

急性期症状・兆候

頭痛 めまい

意識消失

手足の脱力

呂律難

視覚異常(見え方がおかしい)

急な記憶障害


リスク要因[2]

高血圧

糖尿病

高脂血症

心疾患

肥満、運動不足、喫煙、多量飲酒、過労・ストレスの蓄積

病発部位と後遺症概要

脳幹

中脳梗塞

橋梗塞

延髄梗塞

診断

頭部CT検査

頭部MRI検査

血管超音波検査

血管造影検査

参考