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[[ファイル:歩行周期の表記.png|200px|thumb|left|<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/28/1/28_57/_pdf/-char/ja 江原義弘.歩行分析の基礎 -正常歩行と異常歩行-.日本技師装具学会誌.vol28no12012]</ref>]] | |||
==日本における歩行のリハビリテーションと作業療法士== | ==日本における歩行のリハビリテーションと作業療法士== | ||
日本における、歩行の[[リハビリテーション]]を考える時、まず、機能回復訓練の内容や、その主たる業務を行うのは、[[理学療法士]](以下[[PT]])である。 | |||
PTは、重力環境下における身体の駆動に関して、各種の身体機能回復を担当する[[リハビリテーション]]職種であり、その中に含まれる動作として、歩行やそれに関する訓練についてを行う。 | |||
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しかし、歩行の[[リハビリテーション]]が必要な方がおられる施設であったとしても、残念ながら全ての職場にPTがいるわけではなく、全てのPTが歩行をきちんとみれるわけでもないので、[[作業療法士]]として、しっかりと対象者の満足に応じられるような、歩行の評価から介入までを、領域を問わず行えることが期待されている。 | |||
また歩行についての理解がきちんとできていると、[[作業療法]]介入の面でいろいろと捗る。 | また歩行についての理解がきちんとできていると、[[作業療法]]介入の面でいろいろと捗る。 | ||
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==病院における歩行リハビリテーション== | ==病院における歩行リハビリテーション== | ||
冒頭にもあるように、病院においては多くの場合、歩行の[[リハビリテーション]]はPTが受け持つことが多い。 | |||
機能回復そのものについては、PTがその専門性を発揮するべき領分である。 | |||
ADLに関連して、立位や歩行、移動が問題となるなど、場合によっては、[[作業療法士]]が直接歩行に関わることもある。 | |||
しかし、[[作業療法士]]の本来業務としては、[[作業療法士]]は獲得された歩行能力をどのように用いて生活や[[QOL]]をより豊かにするかの戦略を具体化するのが仕事である。 | |||
==訪問看護における歩行リハビリテーション== | ==訪問看護における歩行リハビリテーション== | ||
[[作業療法士]]が単独で業務遂行にあたることがほとんどであるので、歩行に関する評価や、介入までを[[作業療法士]]が訪問先の環境下などの条件を加味しておこなうことになる。 | |||
==老年期の施設における歩行リハビリテーション== | ==老年期の施設における歩行リハビリテーション== | ||
施設に属しているPTあるいは[[作業療法士]]が歩行リハビリテーションに従事する。 | |||
PTあるいは、[[作業療法士]]がいない施設においては、その他の職種が歩行の[[リハビリテーション]]を行っているか、[[リハビリテーション]]は行われていない。 | |||
例えば、[[特別養護老人ホーム]]の場合には、場所によってはリハビリテーションが提供されていないこともあるようである。 | |||
==参照== | ==参照== | ||
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2021年3月7日 (日) 14:09時点における版
歩行は、人間の移動にとって極めて重要な能力である。それは、歩行が実用であることが人間にとって、高い経済性と広範な場所で行動する自由を可能にするからである。
歩行に関しては、主にPTが担当することが多い。
一方で、作業療法士が行う歩行に関するリハビリテーションは、大きく2つの戦略があり、一つとして歩行能力の再獲得を支援する。二つとしては、歩行能力を代償する方法を提案しその使用方法を訓練支援することで、対象者のリハビリテーションを支援する。前者は機能回復訓練であり、後者は移動手段としての実用性や経済性に焦点を当てたアプローチであると言える。
日本における歩行のリハビリテーションと作業療法士
日本における、歩行のリハビリテーションを考える時、まず、機能回復訓練の内容や、その主たる業務を行うのは、理学療法士(以下PT)である。
PTは、重力環境下における身体の駆動に関して、各種の身体機能回復を担当するリハビリテーション職種であり、その中に含まれる動作として、歩行やそれに関する訓練についてを行う。
作業療法士は、PTがいる現場については基本的に作業療法士が行うことは、評価とPTとの連携である。この時作業療法士は、主に歩行に関する応用動作をどのように訓練していくかについて注力することになる。歩行に関連する能力をどのように運用していくかについて、対象者、PTとどのように連携ができるかを模索することにある。
しかし、歩行のリハビリテーションが必要な方がおられる施設であったとしても、残念ながら全ての職場にPTがいるわけではなく、全てのPTが歩行をきちんとみれるわけでもないので、作業療法士として、しっかりと対象者の満足に応じられるような、歩行の評価から介入までを、領域を問わず行えることが期待されている。
また歩行についての理解がきちんとできていると、作業療法介入の面でいろいろと捗る。
評価介入の質の水準としては、新人のPTが一通り習得している水準で十分臨床で通用する。よくわかっているPTとの連携が非常にスムーズに行えるからである。大切なのは、しっかりと評価のできるPTを見極めて、その人に繋ぐことである。極めて少数であると信じているが、なんちゃっての評価しかできないPTさんもおられると思われるので、連携がしっかりとできるように、作業療法士としての目線からきっちりと歩行が分析できるようにしておくべきである。
歩行に関連する評価の概要
歩行を全体像として捉えることと、それぞれの体のパーツををどのように的確に捉えて、各パーツ同士の関連を見出し、歩行機能そのものの改善につなげたり、対象者の生活改善につなげるかを念頭に置いた評価が必要である。
歩行の全体像の評価
歩行分析(歩行を全体的に観察して評価する)
詳細な身体の部位やその関連性についての評価
歩行分析
歩行の評価の中で最も重要な評価といえる。
一般的には、歩行を周期としてとらえ、立脚期と遊脚期として、各期に分割して歩行を分析する。[2]
通常の歩行は、右足と左足を交互に進行方向に差し出しながら行うので、スムーズな重心の移動やその受け渡しが行えるかどうかについての知識が重要となる。そのため、移乗やポジショニングなどと同様に、重心の理解は非常に重要で、理解を深めておくことが必要である。
歩行分析に必要な要素 [2]
1.関節の運動パターンを観察する能力
2.正常な運動パターンのメカニズムを理解し,さらに観察した運動パターンを運動学の専門用語を用いて記述する能力
3.患者の異常な運動パターンのメカニズムを運動力学的に考察する能力
歩行分析のための有効なツール
スマートフォンやタブレット端末によるビデオ撮影
スマートフォンやタブレット端末を使用して、歩行の状態を撮影することができれば、歩行分析をするのにとても役立つ。
対象者にとって少ない負担で、歩行を評価確認できる。
また、記録としても優秀であり、時間の経過をおっての変化を映像を並列して見比べることができる。
さらに、その場で、対象者の方と一緒に見て確認することができる。
言うまでもないことであるが、プライバシーや情報管理に注意して、これらのツールを用いることが極めて重要である。
病院における歩行リハビリテーション
冒頭にもあるように、病院においては多くの場合、歩行のリハビリテーションはPTが受け持つことが多い。
機能回復そのものについては、PTがその専門性を発揮するべき領分である。
ADLに関連して、立位や歩行、移動が問題となるなど、場合によっては、作業療法士が直接歩行に関わることもある。
しかし、作業療法士の本来業務としては、作業療法士は獲得された歩行能力をどのように用いて生活やQOLをより豊かにするかの戦略を具体化するのが仕事である。
訪問看護における歩行リハビリテーション
作業療法士が単独で業務遂行にあたることがほとんどであるので、歩行に関する評価や、介入までを作業療法士が訪問先の環境下などの条件を加味しておこなうことになる。
老年期の施設における歩行リハビリテーション
施設に属しているPTあるいは作業療法士が歩行リハビリテーションに従事する。
PTあるいは、作業療法士がいない施設においては、その他の職種が歩行のリハビリテーションを行っているか、リハビリテーションは行われていない。
例えば、特別養護老人ホームの場合には、場所によってはリハビリテーションが提供されていないこともあるようである。