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主に集団を対象としたレクリエーションアクティビティとしての歌について紹介する。

個人の作業としての歌は、歌唱を参照のこと。

歌は、各種施設で作業療法士集団レクリエーションで使うアクティビティとして非常に重要な地位を占める。

身体機能や認知機能等の能力の差が、メンバー間で極めて大きい集団であっても扱いやすい活動であるということがその理由である。

歌をうまく使えることは、レクリエーションの運用を柔軟に行う上で、会話と並んで非常に重要な要素である。

楽曲のうち、よく用いられるものについては、カテゴリーとしての歌も参考のこと。

歌う

最も単純に用いられるのは、みんなで同じ歌を歌うことである。

この時、歌詞があると、想起が困難な場合でも歌いやすい配慮ができる。

また、たとえ自らが歌えなくても、他者が歌っているのを聞くだけでも想起が促され、知っている一部分だけでも口ずさめたりする。

知っていることが集団への帰属と、「ここにいても良いのだ」という安心感につながる。

歌体操

歌体操では、楽曲をBGMにしながら、楽曲の進行と共に体を動かす。

その、最も代表的なものがラジオ体操である。

馴染みのある楽曲を用いることで、身体活動に対して消極的な人であっても、その場で過ごすストレスが軽減し、精神的な意味で身体活動を行うことができる可能性が高まる。

身体活動に対する苦手意識を軽減するのに役立ち、集団との相互作用で同調意識が自然と高まり、思わず体が動く可能性が高まる。

脳トレの題材

例えば、クイズの素材に歌を用いると、導入がスムーズである。

また、歌体操の応用として、歌いながら体を動かしたり、歌詞に対応した身体動作を取り入れるなど、ワーキングメモリに負荷をかける形で用いることで脳トレ頭の体操として非常に有用である。

集団知の機能を引き出しやすく、いろいろな意見が生じて盛り上がりやすい。

回想法

かつての世の中は、歌が街に流れ時代を彩っていた。

人々は、お金を出してレコードを買い、ラジオに耳を済ませた。 そのころの思い出を歌をきっかけにして語ってもらう。

会話との組み合わせになるので、会話の記述が重要になる。

替え歌

「野菜の名前」など、お題を決める。

お題に沿って、言葉をなるべくたくさん出してもらう。たとえば、H-DSRの課題のように、制限時間いっぱいで、なるべくたくさん挙げてもらう。

出てきた言葉を、「ウサギとカメ」など、参加者全員が必ず知っているような楽曲の歌詞に、それを当てはめて歌う。

条件付き想起やマッチング等、応用の要素が盛り沢山で活動のレベルとしては高めであるが、できなくても誰かがやってくれるし、出来上がった歌が可笑しいので難しさが目立たない。集団の力である。